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『誰かの背中を見つめるということは、その人がどんな景色を見て、何に向かっているかを見つめること。』 / 「窓」と「背中」の物語、映画版ルックバックを観て。原作版・ネーム版との違い。
映画版ルックバックを観てきた。 記憶に残るいい映画で、書き記したいなと思い、ネタバレ込みでレビューをする。 上映時間は1時間程。原作が中編読み切り漫画であることから、上映時間自体の長さは、間延びもせず、原作改変もない、ちょうどいい長さだったと思う。元々漫画が無料公開されてたこともあって、そのシンプルで実直なあらすじ自体は知ってる人も多いんじゃないかと思う。 天才だと思ってた自分が天才じゃないことを思い知る挫折と成長。孤独だと思っていた自分が孤独じゃないと知る友情物語と多
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2024/2/16 あらゆるSNSを一切やってないOLの、「友達の作り方」と「休日の過ごし方」から、「旅先での楽しい生き方と馴染み方」を学んだ。歌舞伎町の夜。
元アシスタントで、あらゆるSNSを一切やってない子がいる。 彼女の名前を「C」とする。 「最近休みの日なにしてるの?」と聞くと 「私はひたすら歩いてる」とCは話しはじめた。 別に特別な場所を目指すでもなく、目的地を決めるわけでもなく、3,4万歩くらい、6,7時間くらい、本当になんとなく、都内を気の向くままに「ただひたすら歩く」らしい。 ここまでだけを読むと、個人主義で、唯我独尊で、一人でいるのが好きなタイプなのかな、という印象かもしれない。 実際はその印象とはむしろ逆
2024/5/21 日記 "ベルギー・アントワープ移民街、場末のラブホテル、エモーショナルキャンセル、自己不在化、非物語化、異世界転生"
こんな雨の日は、場末のラブホテルのことを思い出す。 ─ブラウン管テレビにうつるノイズまみれのアダルトビデオ。はがれかけた花柄の壁紙。外とつながっていない偽物の窓。丸いタイルが並ぶ正方形の湯船。ホテルの名前が書かれたライター。薄暗い照明の下のソファで、背筋を伸ばして、覚えたてのタバコを吸う女子大生。世間からも時間からも隔絶されたような「空間」のことを思い出す。 あっ、それって、「エモい」ってやつですよね。と君は思うかもしれない。でも、そういう空間がもたらす印象は、「エモーシ
2024/5/18 "ダンス、ファッション、青空、手当という言葉の由来、手を振ることに込められた魔力、万葉集、原始化、野生化、ノンバーバル(非言語)化していく世界"
世界はどんどん複雑化してるように見えて、実はその真逆で、実は、加速度的に「原始化、野生化、ノンバーバル(非言語)化」へと変容している肌感がある。 これは、年中戦争をしてる国イスラエルに半年間住み、あらゆるドラッグが合法な国に滞在し、世界中から死体が集まり火葬される場所に滞在し、世界最悪の風俗街と呼ばれるインドソナガチで少年たちとセルフィーを撮り、あらゆる国の中で唯一「ホストクラブ」がある国に生まれ育ち、最近K-POPにハマり、「他者からどう見えるか」を考えるファッションとい