メイ社長の著書『百戦錬磨 セルリアンブルーのプロ経営者』が、ビジネスマンとしての必勝の教科書、プロレスファンとしての涙腺崩壊本であった話。
こんにちは。大のプロレスファンであり、メイ社長の大ファンでもある日本経済新聞の井木です。
そんな私がプロレス本としてではなく、ビジネス本として待望していた著書が発売されました。
それが『百戦錬磨 セルリアンブルーのプロ経営者』です。
今回はその感想文になるわけですが、ぜひ以下に当てはまる方はこの記事、そしてこの著書をお読み頂ければと思います。
・マーケティング担当者/志望者の方
・現在/次期のリーダーの方
・バックオフィス業務を行っている方
・メイ社長のファンの方
・今無性に泣きたいプロレスファンの方
今回はビジネス書視点を中心に読みどころをご紹介させて頂き、最後にプロレスファンとして号泣してしまった読みどころをご紹介させて頂きます。
ビジネス視点(1):活きたマーケティング事例の宝庫
メイ社長は、ハイネケン/日本リーバ(現在ユニリーバ・ジャパン)/サンスター/日本コカ・コーラ/タカラトミー/新日本プロレスという名だたる企業でマーケターとしてご活躍されています。
そんなトップマーケターとしてのメイ社長がこれまで行ってきたマーケティング施策について、思考方法から結果まで非常にロジカルに紹介されています。
新しい市場価値を生み出した一部事例:
空港の広い空きスペースに疑問
→電源がないため自販機も置けないと判明
→電源いらずのカプセルトイならおけるのでは?
→カプセルトイは外国人観光客のお土産にも小銭減らしにも最適では?
→実験的に成田空港に提案
→日本らしいお土産&体験として大ヒット、新たな定番に!
上記のような思考方法から実行施策までの事例が多数紹介されています。
しかも、ロジカル&丁寧に説明されていますので、マーケティング本(事例集)としても非常に価値の高い内容だと思います。
代理店/コンサル系の方の本だと思考法だけで、事例や施策案が無くて歯がゆい思いをしているマーケターの皆様必見です。
ビジネス視点(2):経営者のマインドセット&接し方
リーダシップの本はビジネス書の中でも特に人気カテゴリーらしいのですが、本著はマーケティング本としてだけでなく、リーダシップの本としても非常に有用です。
特に経営者としてのマインドを学ぶことができ、経営者の方は自分の現在の行動として照らし合わせた振り返り、経営者志望の方はそのための心構えを学べると思いました。
そして、経営者からはまだ遠い私のような方も学ぶ視点もありました。
社長になるとどんなに大きな危機やプレッシャーがかかる仕事を乗り越えても、誰も何も褒めてくれません。そんな中で思いがけず優しい言葉を誰かにかけてもらうと、とても嬉しく印象に残ります。
上記のようなことも多く書かれており、リーダーとの接し方をリーダーからの目線で学ぶことができると思います。ゴマすりであったとしても褒めることは重要なスキルというのは逆に新鮮な視点です。
ビジネス視点(3):バックオフィス業務の重要性を再確認
マーケティングや経営となると攻めの話が多い印象ですが、メイ社長は法務・広報・お客様窓口(カスタマーサポート)といったバックオフィス業務を非常に重要視していることがわかります。
一般的な経営改革やマーケティング戦略の本では、バックオフィス業務の細かい改善策や重要性を語られているものは少ないのではないかと思います。
契約書は会社を守る大切な防波堤です。
広報が「やり手集団」で有能だと企業は一気に輝きを放ちます。
毎日幾つものクレームや問い合わせに丁寧に対応する担当者たちの頑張りを当然のことと思ってはいけません。
バックオフィス業務の重要性を説く金言がたくさん詰まっており、バックオフィス業務担当の方は、社長や経営陣が自分たちに求めていることがわかり、それ以外の部署の方はバックオフィス業務との連携の重要さが伝わると思います。
プロレスファン視点:メイ社長とお父様とプロレスと
最後に番外編です(ビジネス書としての視点はズレてしまいますが)。
私はこの本を読みながら号泣してしまいました。
号泣できるビジネス書は世界でも中々見つからないと思います。もしかすると号泣するのはプロレスファンだけかもしれませんが(そうでない方もいると思います)。
プロレスファンは長い歴史が交差するストーリーや、偶然が生んだエモーショナルな展開に弱いのですが、本著にはビジネス書としての要素だけでなく、そんなメイ社長の人生ストーリーも織り交ぜられています。
おそらくプロレス頭をお持ちの方はお読み頂ければ、説明不要でそのポイントにグッと来てしまい涙腺崩壊間違いないと思うのですが、ヒント(勝手に)としては『メイ社長とお父様とプロレスと』という視点です。
もしかしたら他の視点でも涙腺崩壊ポイントはあるかもしれません。ビジネスノウハウをメモする筆記用具orスマホとハンカチのご用意をお願い致します。
ぜひ年末年始のお供に
今年の年末年始はカレンダー上では非常に長いようです。
きっと旅行や買い物をしても時間はまだあると思いますので、2020年からのビジネス活動の栄養剤として『百戦錬磨 セルリアンブルーのプロ経営者』をお楽しみ頂ければと思います。
著書で最も響いた金言の1つ:
料理にひと手間をかけるとグッと美味しくなるように、ビジネスもひと手間の工夫がモノを言います。(中略)。料理が勝手に美味しくなったりしないように、ビジネスも勝手にミラクルが起こってV字回復したりはしません。
長い休暇の過ごし方もひと手間加えることで、来年からの働き方に味の変化が生まれるかもしれません。(私はあと5回は読みたいと思います)
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