最低限のプロットのつくり方・前編
初めて長編に挑戦するときは、できればプロットを作った方がいいと思います。
プロットは地図のようなものです。
おおざっぱにでも地図があった方が、途中で迷わずに済むでしょう。
今回から何回かにわけて、小説初心者さん向けに、最低限のプロットのつくり方をご紹介していきます。
長編の構造を頭に入れておく
プロットに進む前に、まず典型的な長編の構造を頭に入れておきましょう。
もちろん、それぞれの作品で章の構成は違いますが、ひとまず典型例を知っておくといいです。
こんな感じになります。
縦軸は盛り上がり、横軸はページ数(時間軸)です。
単純に、全体を四分割して章に当てればいいです。
長編は、文庫換算で250〜300ページくらいだと思うので、それぞれのページ数はこんな感じでしょうか。
全体 :250〜300ページくらい
プロローグ :5〜10ページくらい?
それぞれの章 :60〜70ページくらい
エピローグ :5〜10ページくらい?
お手持ちの小説のページ数を見て、「だいたいこのくらいなんだな」と分かっておくといいと思います。
新人賞を目指しているなら、応募規定にある1ページの文字数をエディタで設定して、見開き(2ページ)などで書いていくと、ページ数を把握しやすくなります。
この辺りはご自分で工夫するといいですね。
物語とはなにか
さて、長編の構造がだいたいわかったところで、少し遠回りして、物語についても分かっておきましょう。
そもそも、物語とは何でしょうか?
物語とは「問題を解決する課程」です。
上で見てきたように、典型的な長編では4つの盛り上がりポイントがあります。
その盛り上がりポイントが、「問題を解決した地点」に当たります。
長編では、問題と解決を4回繰り返します。
もうちょっと詳しく言うと、3回起こる小さな問題を解決し、最後に全体的な問題を解決することで、物語は幕を閉じるのです。
全体の流れをまとめると、こんな感じになるでしょう。
プロローグ
きっかけとなる事件が起こる一章
最初:一つ目の問題が起こり始める
最後:一つ目の問題を解決する(盛り上がりポイント)二章
最初:いったん落ち着く
中間:二つ目の問題が起こり始める
最後:二つ目の問題を解決する(盛り上がりポイント)三章
最初:いったん落ち着く
中間:三つ目の問題が起こり始める
最後:三つ目の問題を解決する(盛り上がりポイント)四章
最初:大きな問題が起こり始める
最後:大きな問題を解決する(大盛り上がりポイント)エピローグ
その後の顛末を処理する
あまり難しく考えず、「長編はこういうパターンなんだな」と理解しておけばいいです。
プロットをつくる
さて、上のパターンが分かれば、プロットを作る準備は万端です。
万端というか、このパターンを具体的にしていけば、おおまかなプロットが出来上がります。
具体的にするというのは、自分の作品において起こる問題や解決方法などをパターンに当てはめていくということです。
少なくとも、どんな問題が起こるのかを決めておけば、ひとまず書き始めることができるでしょう。
(とはいえ、問題しか決めずに書き始めると、途中で迷ってしまうかもしれません)
簡単に言えば、プロット作りは、最終ゴールに至るまでの中間ゴールを決めていくことです。
中間ゴールが決まっていれば、「とりあえず60ページで次の中間ゴールまで進む」と考えればいいので、その章に集中できます。
長編は複雑な構築物ですが、プロットを作っておけば、ある程度、その複雑度を下げることができるわけです。
さて、今回はここまでです。
次回はさっそくプロットを作ってみましょう。
今回のまとめ
「最低限のプロットのつくり方・前編」でした。
典型的な長編の構造を頭に入れておく
全体を四分割して各章に当てる
ボリュームをなんとなく分かっておく
物語とは「問題を解決する課程」
長編では「問題と解決」が4回起こる
3回の小さな問題と最後の大きな問題の解決
問題と解決のパターンはだいたい同じ
プロットづくりとは、中間ゴールを定めること
章ごとに中間ゴールまで進めばいい
プロットがあれば、複雑度を下げられる
「ストーリーとプロットは違う」とよく言われますが、そんな風に難しく考えなくても大丈夫です。
私自身、ストーリーとプロットを分けて考えたことはありませんが、それで特に問題は起こっていません。
次回は具体的にプロットを作ってみる予定です。
それではまたべあー。
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