ウルフウッド(トライガン)の関西弁(河内弁)の小説--今東光
先日、「稚児灌頂」の記事を忍たまの土井先生の考察と絡めて書きました。
今回はその起点となった中編小説「稚児」を執筆した作家・今東光の他作品について書きます。
氏は関西の河内と縁が深かったらしく、同地をモチーフにした小説を何作か書き、映画化もされました。(今は絶版のようです)
このnoteの一番目の記事で書いた、歴史小説「村上海賊の娘」の泉州弁の大将にグッときたのはウルフウッド(SF漫画・トライガンの主人公のバディ)と口調が似ていたからです。
常々TVでよく聞く芸人さんの関西弁とは違うなあ…と思っていましたが、トライガンを読んでn年経過してから大阪でも地方で微妙に口調が違うと知りました。
「村上海賊の娘」、ありがとう。
ウルフウッドは自分の中で非常に印象的なキャラで、それは萌えや夢(女)の感情とは違う物でした。聖職者(牧師)でありながらガンマンで、割り切って“悪者“を殺せるが、しかし彼自身にも実は葛藤をもたらしてる矛盾が魅力的?に思えました。
今思うと、SFエンタメアクション漫画でありながら、ドストエフスキーの様な文学性を感じていたのかもしれない。(言いすぎ?ドストエフスキーは19の頃に白痴を読んだきりです。)
神学…も勿論詳しくはありませんが、神学という言葉から受ける聖性の印象と、殺人を行う牧師という矛盾の存在がインパクトをもたらし、また関西弁という明るい言語の話者というギャップで魅力的だったのだと思います。
話を戻すと、今東光の本はほぼ絶版なので、傷んでいても高価だったりしますが、なんとか百円台で「悪名」と「河内ぞろ」を入手しました。
二者とも河内弁で人物が会話するため、トライガン(≒村上海賊の娘の泉州弁)以外で得られなかったウルフウッド要素を得られました…!
ウルフウッドとウルフウッドが会話してる…!(?)
なお、ウルフウッドのモデルはウルフルズのトータス松本さんらしいのですが、何か納得。明るいし黒髪短髪関西弁。
ですから、リブートとして今年発表されて映画化で完結?するらしい「トライガン・スタンピード」のウルフウッドは
・牧師じゃない(聖職者による殺人という葛藤がない)
・明るくない(関西弁の楽しい掛け合いがない)
という点で、あまりウェルカムな最終回とは感じられませんでした…
展開を「見守る」気持ちで毎週視聴しましたが、残念な印象です。キービジュアルみたいに、それこそ主要メンツでスタンピードしていたら葬儀屋でもよかったかもしれない…?
今風仕様への反発だとか、古参視点による原作尊重視点ではないと思いますが…。
それでも人気があるのか、グッズ情報やコラボカフェ開催、フレグランスや衣服の販売など多展開しているから人気なのでしょうか。
個人的には、コラボレーション衣服のモデル着用写真が格好いいと思いました。
OP曲や、CGにしか出来ない表現(アニメーターによる人力だと絶対無理そうな描写)はインパクトあり、流石に引き込まれました。
後半はトライガン・スタンピードの話になってしまいましたが、要約すると
「ウルフウッド弁の小説家見つけた!」
です。
芸人金属バットの友保さんの話し方が
泉州弁だそうです
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