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血液の提供【献血】で健康になれる

血液の提供(献血)で健康になれる
マッコーリー大学の研究
対象者:オーストラリアの消防士285人
期間:12ヶ月

・研究の意図
近年PFASの健康被害が多く報告されている
特に消防士は消火剤を使うことからPFASの蓄積が多いことが懸念される
PFASは血清タンパク質と結合することから、血液を減らすことで血中PFAS濃度を減らせると考えられている
消防士に血液を提供してもらい、実際に血中PFAS濃度が低下するのか調べる

PFASとは、パルフルオロアルキル、もしくはポリフルオロアルキル化合物
水や油を弾いて、熱に強く、薬品にも強く、光を吸収しない性質がある
撥水効果、表面処理、乳化剤、消火剤、コーティング剤など、様々な用途で使用されている
例)テフロン加工されたフライパン、耐水性か耐汚染性のある塗料

自然界や体内で分解されず、半永久的に残る
そのため、永久に残る科学物質(Forever Chemicals)とも呼ばれる

健康問題とも関わっており、肥満、コレステロール値の増加、動脈硬化、糖尿病、ガンなどと関連がある
近年ではマクドナルドやアマゾンが使用を禁止する発表をしている

・研究の内容
オーストラリアの消防士285人を三つのグループに分けた
一つ目のグループは12週間ごとに血液を提供する
二つ目のグループは6週間ごとに血漿を提供する
三つ目のグループは対照群として、血液も血漿も提供しない

実験期間は12ヶ月間
実験後に血中PFAS濃度を調べて、変化を確認した

・結論
血液もしくは血漿を提供したグループは血中PFAS濃度が有意に低下した
特に血漿を提供したグループは血中PFAS濃度が30%も低下した

ただ、血漿グループのほうが結果がよかったのは提供した量の違いが指摘されている
それぞれ、一回あたり血液は最大で470mlを提供し、血漿は最大800ml提供していた
量の違いが結果に影響を与えたのかもしれない

とにもかくにも血液を提供することで血中PFAS濃度を下げれることが判明した
一度蓄積すると除去するのは難しい
運動、食事、睡眠などの努力でどうにかできる問題ではない
血液の提供で血中PFAS濃度を下げられるのは喜ばしい結果である

つまるところ、献血をすると健康になれる上に社会貢献もできる

ただ、血中PFAS濃度を下げる研究は始まったばかりである
詳しいことはまだまだ分かっていない
それに、輸血を受ける側の血中PFAS濃度の上昇が起こるのかも不明である

これからもPFASの研究に注目したい

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参考文献
Effect of Plasma and Blood Donations on Levels of Perfluoroalkyl and Polyfluoroalkyl Substances in Firefighters in Australia
A Randomized Clinical Trial
https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2022.6257

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