夫から言われて、ショックだった言葉③
30代前半で、夫と一緒に暮らしはじめて早16~17年になるでしょうか。
子供はおらず、2人で暮らしています。
わたしは一人暮らし歴が長く、実家の家族以外の他者と暮らすのは、夫が初めてで最初は戸惑い、「ふたりはどんな関係になってゆくのかしら」なんて思ったものでした。
そんなある時、夫との何気ない会話の中で、私は何気なく「夫婦って、空気みたいな存在になっていくのかなぁ」と言いました。
「空気みたいな存在」は、私が若い頃より、あちこちでよく聞くフレーズでした。
空気はあって当たり前だし、なくちゃ生きられないみたいな感じ?
大事なんだけど、あることが自然で、当たり前みたいな?
すると夫が、
「うーん。どうだろう? 空気みたいになっちゃ、ダメなんじゃないの?」
と言いました。
お、おう……。
何気なく言った言葉だったんだけど、否定されたわ。
「俺はこの日本でしか生きたことないけど、なぜか日本人て、大事な人ほどぞんざいに扱って、世間や会社やご近所の人たちにばっかり気を遣うよね。
あれって、おかしいだろ。絶対、逆であるべきだろ」
なんだなんだ、どしたどした?
「空気みたいな存在」発言は、何かのスイッチを押したのか?
夫「誰にとっても、身内・家族の方が大事なことは分かり切っているはずなのに、何の気も遣わずに言いたいことを言ったり、ぞんざいに扱ったりするよね。一方で、会社なんかでは人に気を遣って、適切な距離をとって、相手を直接ディスることなんかもしないし、適切な関係を維持しようとする」
私「まあ……じゃないと、社会人として、やってけないからねぇ。会社では言葉を選ぶし、他人という認識があるから。
……良くも悪くも、村社会ってヤツもあると思う。隣近所、世間様からは、仲間外れにされたら生きていけないよーって。日本古来からの恐怖が、私たちの脳に沁みついてるのかなぁ……。
でも、家族はその逆で、気を遣わずなんでも言い合える。それが良さでもあるわけでしょう? それに、いちいち気を遣ってたら疲れるじゃん。みんな家でくらい、リラックスして過ごしたいってことなんじゃないの」
夫「でもその結果、しょっちゅう罵り合ったり、ケンカするハメになって、相手を憎んだりさえしているのが現実なんじゃないの。他人には絶対言わないようなことを平気で口にしたり、適切な気を遣えずに、相手に甘えた結果がソレでしょ」
私「……まあ、その通りだよね」
夫「身内だって、自分とは別の人間。だから尊重されずに、適切に気遣われなかったら、その人とうまくいかなくなるのは、きわめて当たり前のことなんじゃないの。逆に、それでうまくいくと思うほうが、どうかしているだろ」
……ですよね。
何を隠そう、そうやって嫌味や皮肉を言い合って、50年以上も一緒に暮らしているのが、実家の両親である。
少し前に、両親の「仲直り」について書いた⤵
両親は日常的に、嫌味や皮肉を言い合う。
それぞれが機嫌のいいときにはスルーされ、笑い話にもなったりし、「私たちは仲良しよ」と公言するほどだ。
しかし、何かのきっかけで関係性が悪化したときには、普段聞き流してきた「嫌味」「皮肉」を、実は、それぞれが腹の底にマグマのように溜めているのがうかがえるのである。
何かの本で、そんなフレーズを見聞きしたことがある。
直接的な攻撃とは別に、攻撃には「受け身的」なものがあるらしく、嫌味や皮肉は、「受動的な攻撃」に属するのだそうだ。
はっきりと「抗議できない」かわりに、ちょっとした嫌味として、相手をディスって、日頃のうっぷんを晴らすやり方。
最も大切であるはずの身内を、人はどうしてここまで平気でディスり続けるのか。一方で、隣近所の人たちに、にっこり微笑みかけるくせに(笑)
だって、それが家族ってものでしょ?
と、両親の声が聞こえてきそうである。
身内だから、大切なのは決まっているから、何を言っても大丈夫。
言い合いしたって、許し合えるのが家族だし、少しくらいないがしろにしたって「大丈夫」「壊れない」のが家族。
そりゃ、ケンカになって、当たり前だよなぁ。
夫「親しき仲にも礼儀あり、なんて言葉があるけどさ。そういう言葉に対して、俺の両親なんかは『家族なのに水臭い』なんて言いそうなわけよ……すごく親しく、なんでも言い合える仲でありながら、相手を尊重したり、傷つけずに伝え合うことって、両立できると思うんだけど。それがどうしても伝わらないんだよなー」
夫も私も、自分たちが育った「家族」の良し悪しを経験しつつ、「どうしてこうも、問題が頻発するのか」とふたりで話し合うことが多い。
長い結婚生活。
山あり谷あり、いろいろあるだろう。
しかし、相手をぞんざいに扱えば、それがそっくりそのまま自分へとかえってくる……わたしは「夫婦は合わせ鏡よ」と、母に教えられたはずなんですけどねぇ(笑)、ホント、気を付けたいと思います。
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