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戯鳥
2022年10月20日 14:22
一 改札前で子供が泣いていた。未就学児程度の身長に見える男児だ。 マ゛マ゛ァ……マ゛マ゛ァァァああうううああうあおえんうぅぅ……、のような、擬声語化するとともすれば滑稽に見えてしまう、悲痛な叫びだった。 この目で見た光景は全く笑えるものでもなかった。私が券売機の操作に四苦八苦している十分弱の間、彼は現れることの無い「母親」をずっと喚び続けていたのだ。勿論彼は独りではない。父親らしき人物が彼の肩
2022年9月8日 07:44
この話をきみに捧ぐ。未完だけどね。 妹が死んだのは、四年前だ。冬だった。母親が病死してから、十四年ほど経つ。三年間父は独身でいたが、後妻をとった。 妹は義母の子だった。父が再婚してからすぐに生まれたので、いわゆるデキ婚だったのだろう。 妹が死んだのは、我が家に恒例だった、宴会の日だった。大酒飲みの祖父と、その血を受け継ぐ父親と、それから町内の男連中と望めばその嫁とを集めた大宴会を、それを