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2番目でもいいの

「ねぇ、次はいつ来てくれるの?」

カーテンの向こう側でうっすらと光る道路沿いの蛍光灯が、

薄暗い部屋に微かな光線となって届き、

さっきまで抱き合っていた二人のシルエットは、

夜明けと共に別々の個体となって離れて行く。


タバコを咥えて、言葉数少なくワイシャツを羽織るあなたの背を

ベッドの上にペタっと座りながら見ている私は、

毎回深夜の逢瀬を重ねる度に、

これで良いいわけなんかないと心潰れながらも、

あなたの体温を感じる度に、こんなに肌が合う人はいないと、

あなたを深く知れば知るほど、

ますますこの関係性から抜け出せなくなっていた。


わたしは、あなたの1番なんかじゃない。
そんな事はわかってるわ。


最初からそうだったから。。。


それでいいと思ってた。
それでも、あなたが好きだった。


わたしはあなたの2番目の女。
そんな事は分かってるわ。


初めからそうだったもの。。。。


それでいいと思ってた。
それでも、あなたが欲しかった。


「ねぇ、あなたはちょっとくらい
私のこと思い出すことなんて、あるのかしら?」

「ねぇ、あなたは少しでも
私のこと好きって思ってくれたことあるの?」


こんなにも私の中は、あなたばかりで満たされているのに、
あなたはいつもそっけないのね。

わたしはあなたの都合のいいひと。
そんな事は知ってるの。


こうなるのなんて想像できてた。。。。
私だって、バカじゃないもの。

それでもいいと思ってた。
それでも、あなたと重なりたかった。


「ねぇ、次はいつ逢えるの?

二番目でもいいの。。。
それでもあなたに逢いたいの。。。。」


いずれ崩れゆくと知りつつも、

つくり始めたら夢中になってしまう、海岸沿いの砂の城のように、

脆い関係性だなんてわかりつつも、

麗しいあなたに深く溺れて、


静かに燃えるこの刹那を、

わたしは手放せずにいた。












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