コンプレックスさえも いわばモチベーション
この記事をご覧いただきましてありがとうございます。
さて、今回のタイトルですが、Mr.Childrenの楽曲で1999年発売17枚目のシングル曲でもある「I’LL BE」の歌詞になります。
ロックファンを自負している私ですが、Mr.Children(以降はミスチルと書きます)もまた、親の影響で小さい頃からたくさん聴いてきて、今でも大好きなバンドであります。
ミスチルを嫌いな人はいないのではないかというほど大人気でファンも多く、ミスチルの曲に勇気づけられたという人も多いのではないでしょうか。
かくいう私も、これまでの人生における様々な場面で、ミスチルの楽曲が寄り添ってくれました。
部活に明け暮れる学生時代に自分を鼓舞した「終わりなき旅」、学校終わりの夕暮れに田んぼの畦道を歩く帰り道の風景と重なった「口笛」、当時付き合いたての彼女と電話している時にたまたま流していた「Drawing」、愛おしい日々を大切に過ごそうと思わせてくれた「365日」など、挙げたらキリがありません。
初めてライブに参戦した『Mr.Children Stadium Tour 2015 未完』に至っては、生で聴く「ALIVE」に感動して泣いてしまったほどです。
そのくらい、私の人生にはミスチルが深く関わってきました。
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そのような中、今回は「I’LL BE」をフィーチャーさせていただきます。
この曲に出会ったのは20歳の頃で、YouTubeにあがっていたシングルバージョンを聴いたのが始まりです。
なお、この曲はアレンジが異なる2パターンがあり、アルバム『DISCOVERY』に収録されているテンポがゆっくりでバラード調のアルバムバージョン「I'll be」と、後にシングルカットされてロック調のテンポが上がったシングルバージョン「I’LL BE」が存在します。※アルバムバージョンが小文字、シングルバージョンが大文字で区別しているようです。
どちらかというと、私はシングルバージョン「I’LL BE」の方が気に入っているため、本記事はこちらをベースに書いていきます。
シングルバージョンはアルバム未収録であり、当時はまだサブスクリプションが浸透していなかったので他に聞く手段がなく、このシングルバージョンを気に入ってすぐにAmazonで8インチシングルを購入したのを覚えています。
この曲はTHE応援歌と言えるくらい、全体的に前向きでストレートな歌詞で構成されていますが、ミスチルの楽曲の中では少し特殊な立ち位置だと思っています。
というのも、私がミスチルで応援歌と思っている曲は、ただ前向きな言葉だけでなく過去の記憶や少しリアルで生々しい心の内側の表現が含まれている印象で、それに合わせるように展開のあるコード進行やサウンドの構成になっているイメージです。だからこそリアリティがあり、多くの人の心を掴んでいるのだと感じます。
ですが、この「I’LL BE」は、全体的に構成の浮き沈みがないと言いますか、半ば強引に進ませるかのように前向きな言葉が羅列的に続いていきます。
一方でサウンドのほうは、ロックサウンドとはいえ少し抑え気味で、あまり各楽器やパートの主張がないような演奏になっているように感じます。これが意図的なのかレコーディングの関係なのかは不明です。
なので、私は最初に聴いた時、狭い殻の中でじわじわと想いを煮えたぎらせるような、マイナスからのスタートという印象を持ちました。
ミスチルには他に似たような曲がなく(私が見つけられていないだけでしょうか)、この曲の独特な雰囲気とストレートで前向きな歌詞を気に入り、一時期は腐るほど聴いていた記憶があります。
今までこの曲を聴き続けて、何度となく前向きな歌詞に勇気づけられてきましたが、最初に聴いた時から特に心に響いた歌詞が、タイトルにもある「コンプレックスさえも いわばモチベーション」です。
というのも、私はほんとに、昔からコンプレックスばかりなのです…
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そもそも”コンプレックス”という言葉について、精神医学や心理学において定義みたいなものがあるようですが、本記事におきましては、世間的な認識である「劣等感」「弱点」「後悔」「過去の苦い記憶」といった意味合いで使用します。
私は昔から少し根暗な性格といいますか、自己肯定感が低いほうで、それは現在まで変わっていません。
周りと違って頭がいいわけでも運動神経がいいわけでもなく、身長が高いわけでも性格がパッと明るいわけでもありません。かといって、全てにおいて悪すぎるということもなく、自分では「ド平均人間」だと思っています。
これまでの人生を振り返っても、特別目立ってきたわけでも周りにすごい迷惑をかけてきたわけでもありません。
当然、元々の性格もあるとは思いますが、生まれてから現在までそういう人生を歩んできたのもあり、褒められるようなことがあっても素直に喜べない自分がいます。
良くいえば”謙虚”、悪くいえば”自信がない”のです。
この自信のなさは一体何なのかと考えた時に、1番の要因は
”自分の力で何も成し遂げたことがない”
ということに行きつきました。
その要因の背景にあると思っているのは、学生時代の苦い経験です。
私が抱いている1番のコンプレックスは、高校3年生のときにインターハイに出場できなかったことです。
このことについては以前記事にしていますので、興味がある方はぜひご覧ください。本記事とは別の楽曲と絡めているため少しややこしく感じますが、ご容赦ください。
長年の目標が一瞬で崩れてしまったことと自分の力量不足が本当に悔しすぎて、10年経った今でもよく夢に出てきます。
この頃からか、自分は勝負事に弱くて向いていないと自覚するようになり、何事にも消極的になってしまったように感じます。
なので、これまでの人生において、これだと言える実績やスキル、成し遂げたと言えるものはありません。
こんなことを書くと、考えすぎだよとかそんなものなくてもいいじゃんと言われるかもしれません。
しかし、これはもう私の性格的な問題で、過去の苦い記憶や自分の現状を思うとうんざりしてしまいます。
いつしかそれがコンプレックスになって、過去の自分への後悔や、周りの人のことを羨んでばかりの人生でした。
これまでも様々な節目やタイミングで、このままではよくない、なんとかしなくてはと思うことはありましたが、なかなか殻を破ることができず悶々としてきました。生きづらい性格ですよね😅
もちろん、振り返れば嬉しいことや楽しいこともたくさんありましたが、心の奥には常にコンプレックスが潜んでいて、時に顔を覗かせては自分自身を苦しめてきました。
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それでも、最近になり、ようやく人生の目標が明確になりました。
こうして新たな目標を持つことができたのは、自分の人生を諦めず、苦しみながらも考えて悩んで、その時々でできることを黙々と頑張ってきたからだと思っています。
そして、そのモチベーションは一体何だったのかと振り返ると、自分の”コンプレックス”だったんだなと。
もちろん、地元開催のインターハイには出場したかったですし、あのときにこうしていればよかったなどという後悔はたくさんあります。
でも、仮にそれらが全て叶っていたら今の自分はないですし、周りにチヤホヤされて甘々な人生を過ごしていたと思います。
悔しいままでは終われない、全体いつか見返してやるという想いが心のどこかにあり続けたおかげで、明確な目標とともに再び前を向くことができました。
この目標が叶うかどうかは分かりません。もし、また成し遂げることができなかったらどうしようという不安も当然あります。
しかし、今は不思議と、希望やワクワクの方が勝っているんですよね。新しい目標ができた喜びもありますが、変な話、希望が叶わないということには慣れているので、どこか楽観視しているところもあります。
また、私の今後の目標は自分の努力次第であると思っていて、スポーツのように結果が伴うものではないので、明確な目標や道筋が立てやすく、自分の性格に合っているように感じています。
なので、今このときも変に力が入ることがなく、将来を見据えながらゆっくりと日々を過ごせています。
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ここ最近はこの「I’LL BE」を聴くことはなかったのですが、これまで書いてきたようなことを振り返ると、実はこの曲の歌詞に影響を受けてきたんだなとしみじみ感じました。
最初に「I’LL BE」を聴いた20歳のときは「コンプレックスさえも いわばモチベーション」という歌詞に感動はしたものの、当時は具体的に何を頑張ればいいのかが分からず、次第にその感動は薄れていったのかもしれません。
最近になり再び「I’LL BE」を聴くと、当時聴いていたイメージとはまた違う感じ方ができ、何だか歌詞の内容と最初に聴いてからこれまでの人生との答え合わせをしているような気分になります。
この曲に限らず、ミスチルの曲は時間が経ってから意味を理解できるものが多く、私がミスチルや桜井さんで1番すごいと思うのは、実はこのタイムリープ力なのではないかと思っています。
やっぱりミスチルはすごいなと偉そうなことを思いつつ、またミスチルの曲に救われたなと嬉しくなりました。
恐らく、コンプレックスというものは死ぬまで消えることがないですが、時には悩み苦しんで、時にはモチベーションに変えて、いつしか報われたらいいなというかすかな希望をもちながら、日々を過ごしていきたいです。
乱筆にて
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