新井十月

サッカーの妄想家。サッカーの新しい楽しみ方を日々妄想しています。

新井十月

サッカーの妄想家。サッカーの新しい楽しみ方を日々妄想しています。

マガジン

  • あとで読む

    あとで読む記事をマガジンに保存しておくことができます。不要であれば、マガジンの削除も可能です。

  • あとで読む

    あとで読む記事をマガジンに保存しておくことができます。不要であれば、マガジンの削除も可能です。

  • あとで読む

    あとで読む記事をマガジンに保存しておくことができます。不要であれば、マガジンの削除も可能です。

  • あとで読む

    あとで読む記事をマガジンに保存しておくことができます。不要であれば、マガジンの削除も可能です。

  • あとで読む

    あとで読む記事をマガジンに保存しておくことができます。不要であれば、マガジンの削除も可能です。

最近の記事

/ (スラント)~クライフの空間詩学~(6)

終章  クライフの名を冠した本論考。 最後はクライフの名を冠した「空間」-クライフ・コートの話題でしめくくろう。 ピッチ上の空間を切断し接続しながらフットボールそのものを構造化した(と筆者が思っている)クライフは、その空間をさらに社会的にも押し広げた。 ヨハン・クライフ財団が進めているプロジェクト「クライフコート」である。子供たちや障害者にもスポーツを広く自由に楽しんでもらうために人工芝で作られた小さなサッカー場として設営、運営されており世界中にその「空間」は拡散している

    • / (スラント)~クライフの空間詩学~(5)

      7.戦術論の虚構 4-2-2, 4-3-3。 われわれ観戦者はしばしば、そして指導者は頻繁にフォーメーションを数字の羅列で表記してきた。「単なる電話番号だ」とメノッティやグアルディオラは言う。確かに数字表記は、ゲーム開始時の布陣、選手のポジションを明確に表現して便利だ。だが、その表記はあくまでもある特定の時間を切り取った布陣だ。しかしフットボールはそもそも選手がゲームを通して流動的に動く、動的な競技である。静態的な数字の羅列で表現できるものではない。「数字表記のフォーメーシ

      • /(スラント)~クライフの空間詩学~(4)

        本号から「クライフの空間詩学」はかなり駆け足になる。 考えを十分に整理しきれないままキーワードの抽出とそこから生まれる勢いのままに紡いだ未完成の文章だからだ。 のっけから言い訳ですいません。が、「若書き」の生のままの断章というか雑文にもそれなりの価値があるかもしれない。 恥を忍んで。 ---------------------------------------------------------- 4.集散の理論、サッキの空間 密集のなかで抜群のスキルを誇るバルセロナの

        • / (スラント)~クライフの空間詩学~(3)

          3.圧縮された空間、10m x 10m バルセロナの空間 バルセロナサッカーとはどんなものか、あらためて見直してみよう。 マッチレポート 2016年10月19日 バルセロナ(4-3-3) vs マンチェスター・シティ (4-2-3-1) 前半開始  ・シティのハイプレス。バルサは簡単にくぐり抜け、ボール・ポゼッション。  ・デブルイネのワントップ。  ・両軍ともバランスよく、スペースを埋めている。  ・22” メッシ先制。バルサ、右サイドから3人でパスを奪い、メッシがシテ

        / (スラント)~クライフの空間詩学~(6)

        マガジン

        • あとで読む
          0本
        • あとで読む
          0本
        • あとで読む
          0本
        • あとで読む
          0本
        • あとで読む
          6本

        記事

          / (スラント)~クライフの空間詩学~(2)

          2. 現代サッカーにおける集散と空間とボールの軌跡 ブルデューは、現代建築の空間を、「外部化された内部」とみなし、社会的な空間は人の軌跡で表出されると言った。この言葉は、クライフ以降の現代フットボールの「空間」にもそのまま通用する。外部の空間を戦略的に使う事によって、内部化する-この戦略的な空間の使い方を観戦すること、これがサッカーの魅力のひとつではないか。 本論考での空間とは堅固な建築物で囲まれた静態的な空間ではなく、選手=人と人を仮想的に結ぶラインにかたどられた、時々

          / (スラント)~クライフの空間詩学~(2)

          /  (スラント)~クライフの空間詩学~ (1) 

           フットボールの脱=構築批評を目指して、表題の論考を書き進めたことがあった。2017年のことである。たかだか6年前のアウトプットではあるが、フットボールもさらに進化するなかでいくぶんノスタルジックになったこともあり、ここに掲載するものである。  臆面もなく当時作成した目次を以下に掲げるが、途中で放り投げたこともあり未完成であることはあらかじめおことわりしておく。 序章 1枚の写真から 1.マラドーナ対6人、密度の論理、「寸足らずの毛布」の最適化 2.体系化された密度理論 

          /  (スラント)~クライフの空間詩学~ (1) 

          一枚の写真から(2)            ~思考実験を補完する一枚

          League BBVA 2013/2014 - Game: 10. 2013-09-24: FC Barcelona vs R. Madrid: 2-1. Messi vs Marcelo. COPYRIGHT:© Enric Roura/SilverPressAgency  筆者の過去の妄想「もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら」で指摘したサッカーにおけるボールの停止の場面は下記4ケースであった。 ・ボールアウト ・ファール ・レフリーボール ・GK

          一枚の写真から(2)            ~思考実験を補完する一枚

          一枚の写真から

          ここに一枚の写真がある。 サッカーの試合の一場面を切り取った写真の主役は、サッカーの往年のスーパースター、ディエゴ・マラドーナである。アルゼンチン代表のユニフォームを身につけたマラドーナはボールを利き足の左足でコントロールしながら、この写真を撮ったカメラには背を向けている。写真の奥を向いているマラドーナの向こう側には、対戦相手の屈強なディフェンダーと思しきプレーヤーが6人、マラドーナと対峙している。  スポーツの写真に魅入られることはままあるのだが、この写真を一瞥したとき

          一枚の写真から

          異常論文「境界を侵犯すること」

           一頃日本のSFシーンで流行った「異常論文」というサブジャンルがあった。SFネタを論文形式で表現したものでその斬新さが読者にうけたものだが、筆者も自分の妄想を「異常論文」形式で表現してみようと試みたのが、下記「境界を侵犯すること」である。  サッカーの「オフサイド」と「オフサイド・トラップ」のガンマ関数を導出し、「サッカーのカバディ化」は自明となることを予想する、というたわけた論文である。論文ではLaTeX表式を使って数式を表示・記述したのだがNoteでは表示できない(少な

          異常論文「境界を侵犯すること」

          SF短編「ウラジオストク・フット・スカッシュ」

          迷走した試論「「もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら」であったが、この勝手な妄想をさらに進めて「プレーが止まらない(止められない)フットボール」の思考実験を試みたのが本作「ウラジオストク・フット・スカッシュ」である。 ”未来のフットボール”をサイバーパンク風ノワールに仕上げたつもりだが「コネクテッド(Connected)」の要素はほとんどない。全体のイメージは昔のナイキのCM「Cage」そのままであり、2次創作といわれても返す言葉もない。 ご笑読いただけれ

          SF短編「ウラジオストク・フット・スカッシュ」

          「もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら」迷走編

          迷走の始まり そもそもこの試論の根底にあるのは【ボールの動く軌跡=「ゴールの確率」がより高い位置へと時々刻々変わる痕跡】という筆者の仮説のサッカー観ではあるが、ある部分現在広く使われているxG(=ゴール期待値)ともいえる。 とはいえ、xGはゲームを通してのゴールへの期待値を積算して表現するのに対して、筆者の目標はボールの軌跡を【関数】で表現できないか、というものであった。 そして、詩論「もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら」を書き上げたときから筆者の迷走

          「もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら」迷走編

          もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら(試論)

          短編「メッシかマラドーナか」の作中議論のベースになったのが下記雑文である。 筆者の妄想はここから始まった…. ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら(試論) 序論 本稿は「フットボールが数式∫|ψ(x)|2dx=1で表される」と仮定した場合の思考実験である。 宇宙を数式で表す物理学のように、もしフットボール・ゲームを数式で表すことができたら、グラフ化(可視化)することによりフットボールの理解も容易になり、フットボ

          もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら(試論)

          短編「メッシかマラドーナか」註解

          註1 本短編は下記記事にインスパイアされて書かれたものである。 WIRED 2019.05.19 「ゲーム・オブ・スローンズ」のドラゴンが地球上に実在したら? 環境への影響を計算した論文の中身   世界的に有名な数学的モデリングの大会で3人の高校生がたった4日間でまとめあげた論文。課題は「ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」に出てくる3匹のドラゴンが地球に住んでいる場合の環境への影響は?」というもの。 フィクショナルな課題に挑戦した高校生たち。この実話が筆者をいたく刺激した

          短編「メッシかマラドーナか」註解

          サッカー妄想者のひとりごと

          メッシかマラドーナかだれが一番か、という議論は常にある。 剣豪でいちばん強かったのは戦国武将で一番強かったのは武田信玄か上杉謙信か、剣豪で一番強かったのは宮本武蔵か柳生十兵衛か、北斗の拳では北斗神拳か南斗聖拳かはたまた元斗皇拳か。 サッカー界では同時代でいえばメッシかロナウドか、なのだが、アルゼンチンに限定すればやはりマラドーナかメッシか、という話題に尽きる(ディ・ステファノは時代が違いすぎてなかなかいまどきの人々の口の端にのぼらないので)。 その問いにもカタールW杯で一応の

          サッカー妄想者のひとりごと