マガジンのカバー画像

あとで読む

6
あとで読む記事をマガジンに保存しておくことができます。不要であれば、マガジンの削除も可能です。
運営しているクリエイター

記事一覧

一枚の写真から

一枚の写真から

ここに一枚の写真がある。

サッカーの試合の一場面を切り取った写真の主役は、サッカーの往年のスーパースター、ディエゴ・マラドーナである。アルゼンチン代表のユニフォームを身につけたマラドーナはボールを利き足の左足でコントロールしながら、この写真を撮ったカメラには背を向けている。写真の奥を向いているマラドーナの向こう側には、対戦相手の屈強なディフェンダーと思しきプレーヤーが6人、マラドーナと対峙してい

もっとみる
異常論文「境界を侵犯すること」

異常論文「境界を侵犯すること」

 一頃日本のSFシーンで流行った「異常論文」というサブジャンルがあった。SFネタを論文形式で表現したものでその斬新さが読者にうけたものだが、筆者も自分の妄想を「異常論文」形式で表現してみようと試みたのが、下記「境界を侵犯すること」である。

 サッカーの「オフサイド」と「オフサイド・トラップ」のガンマ関数を導出し、「サッカーのカバディ化」は自明となることを予想する、というたわけた論文である。論文で

もっとみる
SF短編「ウラジオストク・フット・スカッシュ」

SF短編「ウラジオストク・フット・スカッシュ」

迷走した試論「「もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら」であったが、この勝手な妄想をさらに進めて「プレーが止まらない(止められない)フットボール」の思考実験を試みたのが本作「ウラジオストク・フット・スカッシュ」である。

”未来のフットボール”をサイバーパンク風ノワールに仕上げたつもりだが「コネクテッド(Connected)」の要素はほとんどない。全体のイメージは昔のナイキのCM「

もっとみる
「もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら」迷走編

「もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら」迷走編

迷走の始まり

そもそもこの試論の根底にあるのは【ボールの動く軌跡=「ゴールの確率」がより高い位置へと時々刻々変わる痕跡】という筆者の仮説のサッカー観ではあるが、ある部分現在広く使われているxG(=ゴール期待値)ともいえる。
とはいえ、xGはゲームを通してのゴールへの期待値を積算して表現するのに対して、筆者の目標はボールの軌跡を【関数】で表現できないか、というものであった。

そして、詩論「もしフ

もっとみる
もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら(試論)

もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら(試論)

短編「メッシかマラドーナか」の作中議論のベースになったのが下記雑文である。
筆者の妄想はここから始まった….
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら(試論)

序論
本稿は「フットボールが数式∫|ψ(x)|2dx=1で表される」と仮定した場合の思考実験である。

宇宙を数式で表す物理学のように、もしフットボール・ゲームを数式で表すことがで

もっとみる
短編「メッシかマラドーナか」註解

短編「メッシかマラドーナか」註解

註1 本短編は下記記事にインスパイアされて書かれたものである。

WIRED 2019.05.19
「ゲーム・オブ・スローンズ」のドラゴンが地球上に実在したら? 環境への影響を計算した論文の中身  

世界的に有名な数学的モデリングの大会で3人の高校生がたった4日間でまとめあげた論文。課題は「ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」に出てくる3匹のドラゴンが地球に住んでいる場合の環境への影響は?」という

もっとみる