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一枚の写真から(2)            ~思考実験を補完する一枚

League BBVA 2013/2014 - Game: 10.
2013-09-24: FC Barcelona vs R. Madrid: 2-1.
Messi vs Marcelo.

COPYRIGHT:© Enric Roura/SilverPressAgency

 筆者の過去の妄想「もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら」で指摘したサッカーにおけるボールの停止の場面は下記4ケースであった。

・ボールアウト
・ファール
・レフリーボール
・GKキャッチ

 しかしながら写真のワンショットはオンプレー中のボール停止のまれなケースでまさに想定外のシーンであった。

 剣の達人同士が対峙する緊張感にも似た一瞬のこの静止状態もサッカー観戦のだ醍醐味のひとつであろう。そういえばネイマールや過去のフェイントやテクニックに長けた選手たちにも同様のシーンを見た記憶がある。

 この写真を見てふと思ったことは、ボールは静止してもその静止している時間内で周囲の環境が変化するとゴール期待値 xGも変化するのだろうか(するに違いない)、ということだった。

 では周囲の変化とは何だろう。メッシとマルセロのそれぞれのフェイント動作はもちろん、周囲のプレーヤーの位置や人数、集散のスピード、個々のプレーヤーの体の向きといった要因が挙げられる。場合によっては、レフリーの位置、ボールが静止しているポイントがピッチ内のどこに位置しているか、もっと言えば観客との距離、近場の観客がどちらサイドのサポーターなのか、といった要因も関わってくるかもしれない。

 ゴール期待値 xGを算出する奥深さを示唆してくれる貴重な一枚とは言えまいか。

 筆者の妄想「もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら」は、ひとつの試合にはそのゲームを表現する連続したひとつの関数があるのではないか、その関数を分析すれば観戦者にとってのベストマッチはどのようなものか、の一端にふれることができるのではないか、という妄想であった。

 その「迷走編」では自分の妄想の妄想たる理由を明らかにしたのだが、心が完全に折れる前に流行りのAIに問い合わせてみた。以下AIとの問答。

「サッカーの分析です。時間とともに変動するボールのーと選手の位置からゴールの期待を確率として表示します。表示されたグラフから観戦者が喜ぶベストゲームの法則を見出すことができるだろうか?」

「サッカーの分析により、時間とともに変動するボールの位置と選手の位置からゴールの期待値を確率として表示することは可能です。表示されたグラフを観察し、ゴールの期待値が高まる瞬間や連続して高い期待値が持続する瞬間などを観察することで、観戦者が喜ぶベストゲームの法則を見つけることができるかもしれません。しかし、喜ぶ要素は個人の好みによって異なるため、観戦者の好みに合った特定のパターンを見出すことは難しいかもしれません。」

「時間とともに変動する選手の消耗度を考えるとボールは一方のゴールポストからもう一方のゴールポストに大きく移動する傾向が時間を追うごとに強まると予想される。その確率のグラフを波動関数に見立てることができるだろうか?」

「時間とともに変動する選手の消耗度やボールの位置についての確率グラフを波動関数に見立てることは一般的に可能です。波動関数は量子力学で使用される数学的な表現であり、時間と空間の変動を記述するのに適しています。選手の消耗度やボールの位置が時間によって周期的なパターンを持つ場合、波動関数を使ってその振る舞いをモデル化することができます。

ただし、サッカーゲームは古典的な力学の領域に属しており、量子力学の領域ではないため、実際に波動関数を適用することは物理的には意味をなしません。しかし、数学的な類似性として、波動関数の考え方を用いて確率の振る舞いを理解することは可能です。このようなアプローチを使って、ゲーム内のパターンや確率変化を分析することで、戦術や戦略に関する洞察を得ることができるかもしれません。」

 筆者としてはポジティブなご意見を拝聴した気分で今後もお気楽に妄想を続けたいとあらためて思う今日このごろである。

そして妄想は続く….


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