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/ (スラント)~クライフの空間詩学~(6)

終章 

クライフの名を冠した本論考。
最後はクライフの名を冠した「空間」-クライフ・コートの話題でしめくくろう。

ピッチ上の空間を切断し接続しながらフットボールそのものを構造化した(と筆者が思っている)クライフは、その空間をさらに社会的にも押し広げた。
ヨハン・クライフ財団が進めているプロジェクト「クライフコート」である。子供たちや障害者にもスポーツを広く自由に楽しんでもらうために人工芝で作られた小さなサッカー場として設営、運営されており世界中にその「空間」は拡散している。他のスポーツ活動の支援にももちろん力を入れている。2023年、300コート目がペレの名を冠してブラジルに設置されたの報道もある。
クライフは死してもなお「クライフの空間」を奏でているのである。


参考資料
筆者のサッカー観を醸成したもろもろの資料をここに掲げます。
旧くは1950年代から最近までのサッカーの試合映像はもちろんであるが、そういった映像記録以外の文字媒体を中心としたリストです。
本論考に直接引用したものもあればその影響が可視化できないけれども筆者の脳内に刺激を与えてくれた貴重な資料ばかり。
著作者のかたがたに深く御礼申し上げます。

特に細川周平氏。氏の「クライフあるいは斜線の戦略」を読まなければ本論考は書かれませんでした。本論考のタイトル「スラント」は氏の論考の題名そのままともいえます。感謝とともにおめこぼしをお願いする次第です。

参考資料

細川周平 「クライフあるいは斜線の戦略」 現代思想1983.2月号
細川周平 「サッカー狂い」哲学書房
ガストン・バシュラール 「空間の詩学」 ちくま学芸文庫
ミハイル・バフチン 「小説における時間・時空間の形式」水声社
V.イヴァノフ「ロシア・アヴァンギャルドを読む―ソ連芸術記号論」 勁草書房
テリー・イーグルトン「イデオロギーとは何か」平凡社ライブラリー
北方謙三 「三国志」 ハルキ文庫
坪井健太郎 「サッカーの新しい教科書」カンゼン
ブルデュー「芸術の規則」藤原書店
西部謙司 「サッカー戦術クロニクル」カンゼン
林雅人・川本梅花 「サッカープロフェッショナル超観戦術」カンゼン
木崎伸也 「サッカーの見方は1日で変えられる」 東洋経済
清水英斗 「サッカー「観戦力」が高まる 」 東邦出版
ヨハン・クライフ 「サッカー論」二見書房
В.П.Губа, А.В.Лэксаков Тэори и мэтодика Футбола 2015 <<СПОРТ>>
footbolista 「戦術パラダイムシフト」2016 4月号 ソル・メディア
Number 837号 2013年10月 「時代を動かす5人の戦術家。」文芸春秋
P.スタイナー 「ロシア・フォルマリズム」ひとつのメタ詩学 勁草書房
桑野隆 「ソ連言語理論小史」三一書房
新谷敬三郎 「批評の大転回点」(早稲田文学 1979年2月号 所収)
Ангри  Ангри  ※ロシアのスポーツサイト Telegram
中村敏雄 「オフサイドはなぜ反則か」平凡社ライブラリー
篠崎直也「隆盛する現代プレス戦術の源流、名将ロバのフスキーの科学的思想」(footbolista 2018年2月号所収)

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あとがき
「クライフの空間詩学」(1)でも述べたが本論考は2017年に書き上げたものである。論考内で引用、参照したサッカーの試合が少々ふるいのもそのためである。ご容赦ください。
本論考の後も筆者の妄想はつづき「もしフットボールが∫|ψ(x)|2dx=1で表されたら」に化けたわけである。
「フットボールを確率≒ゴール期待値xGAから読み解く」アイデアで一人悦に入っていた筆者だが、それをさらに進化させたともいえる研究(下記URL参照)がすすんでいる記事を読み、知見がまた一段とアップグレードしていくのをひしひしと感じている次第である。


蛇足。
以下は本論考のためのメモ集。

「/(スラント)」斜線

それは
ボールの軌跡
空間を切り裂くメタファー
両サイドバックの対角線上の動き

ボールの軌跡、一つの式の美しいチーム

テレサンターナのブラジル代表
ペップのバルサ
プラティニのフランス代表
ベンゲルのアーセナル
与那城、ラモス、戸塚の読売クラブ

細川周平「サッカー狂い」
ドゥルーズは概念的実践としての映画理論を作り上げることが(中略)映画そのものの概念を創造し、確定する。
(筆者は)すでに確率さえた哲学的、人類学、社会学の概念のパースペクティブをサッカーに応用するのでなく、ボールの回転を凝視し選手の身振りを観察することからつむぎだされる思想に僕はかけてみた。

わたしの一歩もここから始まる。ゲームを凝視することによって発見できるであろうサッカーの美、エロスとはなにかを探求すること。

ハンガリー vs ブラジル

WMチーム同士のサッカーがこんなに新鮮に映るとはびっくり。
中盤のプレスがないが、局面はゴールからゴールに縦のロングパス一本で目まぐるしく変わる。選手のスキル、ボールタッチ、パスの制度、判断の速さは素晴らしく、現代のチームと対戦させてみたいほど。

エンターテインメントとして本当に素晴らしい。サッカーの本質がまたわからなくなってきた。時間のコントロールだと思っていたのに、バスケットボールのようであった。
この意味は「チームのボール競技の本質」を∫x2=1がとらえている、ということかもしれない。

一つの式
ボールの軌跡の美しいチーム ユニット論

テレ・サンターナのブラジル代表 黄金の4人
ペップのバルサ メッシ、シャビ、イニエスタ、ブスケツ
プラティニのフランス代表 プラティニ、ジレス、ティガナ、ジャンギニ
バルデラマのコロンビア代表
ベンゲルのアーセナル ロシツキー、ファブレガス
与那城の読売クラブ 与那城、ラモス、戸塚

まず、どのようにして式に到達したか、のロジックを考える。
1.ゲームを観察 選手の動き、ボールの動き
2.「群れ」の存在と陰画としてのスペースの存在
  参考:ラグビーの戦略、囲碁の大局観、どこが強い弱いを見極める、なぜそうなっているかを検討する。選手、ポジションの噛み合わせ、ワンオンワン、マッチアップのミス、など。対策を打つ。フォーメーションの変更、メンバーの変更。
監督、コーチの目線の一つであると気づく。

情報:昔、印象。今日現在、データ。

プレッシング、ドゥエル、インテンシティ=抵抗と読み替える、個人の、チームの。

4.ボールの軌跡 初心に戻る。動きを追う。大多数の、初めての観客はボールの動きを追う。
ボールを電子、インテンシティを抵抗と見る。
もう一段進めて、
選手はボールをどこに動かすか。
マークのついていない味方。なぜ。1ゴールへの確率が高まる、2インテンシティが弱いから、
つまり、ボールは常にゴールへ向かう確率が高い方へ(経験上)動く。

で、あれば、ボールの軌跡を確立平面の方程式から求められるのではないか。
メタファーとしての式の引用。知の欺瞞とたたかれそうだが。
ひっぱてきたのは、
波動関数の規格式
大事なのは時間が組み込まれていること。これは自明。時間の経過とともにボールの動きの変化を追っているのだから。
波の2乗はエネルギーを表すことが多いのだそうだ。直観。メタファーにうってつけではないか。
まさにこのエネルギーこそインテンシティではないかと短絡的に考える。
あとは仮説。
もしフットボールが波動関数で表されたら。
厳密な代数式でなく、天文学者ドレイクが唱えたドレイク方程式(銀河内における高度な文明をもった種族の数を算出する式)のようなもの。
これはなんい役に立つのか。
選手の貢献度の可視化への利用か。
さらに本式からサッカーの美を追求できないか。
現在は、「フットボールをE=MC2のように一つの式で表されたら」という考えに囚われている。
ここからサッカーの美を追求。パスワークの美。ボールの軌跡が美しい。その美を作り出す選手のスキルや動きが美しい。
美の結晶。
クライフ、パスよりプレーヤーの動きに当時の人々は驚いた。流動的なポジション。リゾー厶。
ここからユニット論(風間八宏)。
一方で式を分析することでわかる直接的要素。
時間(判断の速さ、プレーの速さ)がスペースを生み、パスの通り道をつくる。

Footbolista 結城康平 攻守で布陣を変える可変システム。実現の鍵は
時間のマネージメント。

規律の重要性、特に守備において。
ゾーン攻略➡可変システム対策➡マンツーマン
可変システムの解説
1950 ブラジル ゼゼ・モレイラ ゾーンディフェンス考案
1960 ディナモ・キエフ ビクトル・マスロフ 相手にプレッシャーをかける守備システム。
1980 アリゴ・サツキ ゾーン・ディフェンス 4つの基準点 能動的(ボール、味方、敵、スペース)
上のすべての弱点
上下に弱い
トランジションはアンバランス
対策 時間のマネージメント
現在 受動的守備ブロック
モウリーニョラインを上げすぎない。全体をコンパクト。ハイプレスをせず抑制。ファブレガスとウィリアン 相手の守備ブロックに対し、横・縦のパスを受け渡しを強制
グアルディオラ 順番と位置取り。左CB➡左SBへのパス。そのルートを囮に使う。➡をスイッチ。3方向をつぶしやすい。一般的には。
一気に逆方向にパス。ベクトルを変えるパスで時間をつくる。
ゲーゲンプレッシングの弱点は横移動。
トゥヘルの時間をつくる策。3バックス。CBが横方向のドリブルを多用。相手はゾーンで受け渡すか、マンツーマンで負い替えるか迷う。

保持率というトータルの時間に目を奪われがちだが、大切なのは攻撃がきりかわる瞬間の時間をマネージメントできているかどうか。

規格化された波動関数’ ルートA分の1ψ(x,t)(Aは全空間でのψ絶対値の積分値)
A分の1=∫ψ(x、t)絶対値の2乗dx
=∫ルートA分の1ψ(x,t)ルートA分の1ψ(x,t)dx=1
規格化手順、
全空間での波動関数を積分する。その値がAであるとすると
∫絶対値ψ(x,t)2乗dx=A
両辺をAで割る規格化。
2乗部分はエネルギーを意味➡インテンシティと読み替える
なみの振幅の2乗は波のエネルギーをあらわす、直観
さらに
同期敵境界条件 これは、式が発散しないようにするため。

イアン・ラッシュのスペクタクル性。
ワンタッチ・ゴールの天才

奇策 ➡ 異化の手法 奇策が常態化すれば異化効果が薄れる
テレ・サンターナ 欧州遠征で手の内を見せすぎた
プラティニ1984は成功したが、1986はやはりそう。
バルサは?
美しさはどこから生まれる?
美の根源 個人戦術レベルの異化効果は?
・狭い領域でのボールコントロール、スピード、タッチ、
・ショートパスの連続的な交換 ダイレクトパスの選択
スキル、判断力の速さに人は感動するのか
パス、ボールの軌跡は?
糸を引いたようなグランダーのパスの美しさとかつてブラジル人は言った。ブラジル人の好み。
日本人もこういう表現をするくらいだから軌跡を意識し、見ることができる。

数式から外れるボールの動きとは?
こぼれたボール。どちら側でもない、両チームのプレーヤーのデュエルの間で弾かれたボール
あるいはリフレクション 単純に。
「無意識」ではない、力が及ばない

やはりワンタッチゴールは美しいプレーを語る上で外せない。
美しいパスワークを完結させるゴール

イアンラッシュ リヴァプール
サッカーの数式はドミノ、演繹的なロジックから生まれた。
戦略・戦術 原因・結果 クラスターたちの分析は因果論

現代の監督たち、クロップやペップ、ラングニックはどう位置づける?
転倒、事後的な関係を抹消
全然違う定規をあてる
勝つのでなく美を求める
テレサんターナ 美しく勝つ
サンバのリズム、ショートパス、グラウンダーの糸を引くようなパス
中へ中への読売クラブ
数式からは求められない、できない、要素
背m酒の動き ソクラテスのヒール、ジーコのアクロバット、ジュニオールのスキル、
万人が美しいと思うもの
朝日、夕日をみて詩情にかられるように
パスワークの美
ベタ グランダーのパス、リズミカルなショートパス
   即興の面白さ ジャズ
メタ 判断力、スキル、トラップ、ユニットで共有

ペップは明らかに別の軸に入る モウリーニョは特に別物
彼らの教場に美しさはあったか?
クライフにはあった。

異化効果 奇策 機能美はある。
この系譜からは、クライフ、サッキ、サイドバックの活性化、偽9番
これは別の論考を考える
ちくま文芸文庫 戦略の形成

まえがき
サッカーがたった一つの式であらわされるわきゃねーよ。そんなことできたら、かつためにだれも苦労しないって
という声が聞こえそうだ。

定式化するまでのロジックを入れう。
幾何学の起源序論のデリダのように。

審判という余白。
数式から除去した要素。規格化の条件
・ボールアウト スローイン、
・セットプレイ
・ファール
・審判
・GKキャッチ

「軌跡」
サッカー狂い
細川周平
P45 松浦寿輝の見出したゴダールの線は奇妙なことにサッカーの先に重ね合わせることができる。
「サッカーの線は動体の残した軌跡のかたちとしてではなく、任意の瞬間に運動を切断しても決してそれが不動の静止点として立ちあ現れることのない、耐えざる接続のなかで形作られてゆく永遠の現在なのだ」
P49
ペレのチームを「半シツ所」と読んだ庄野進がケージに提案した言葉の引用
ペレ、クライフ チームの流動化、ゲームの多様性、複製化
P66クライフ 全域化されたリゾー無サッカーの誕生

斜線の論理
を読んでから、クライフ、空間の切断、斜線が連想ゲームのように頭に飛び交った
スラントはクライフの代名詞なのであった、わたしにとって

「オフサイド」
P572つのサイドをわけるものはボールなのだから」
そう、ボールなのだ。DFライン(リージョにいわせればそれって何?)かと思っていたが、ラグビーはどうだ?
というよりもともとサッカーでもボールがサイドを分かつのが共通司式だったのでは?
それをDFラインにフォーカスさせたのが、クライフではないか?

BY細川周平
他社・既存のパースペクティブからサッカーを語る
・不断の戦略革命をデリダの脱構築にすり替えて語る
・フォルマリストの支店で語るフォーメーション論
・対話=ユニットの共通ビジョンによるパスワーク+ジャズの即興性とブラジルサッカー
だがあえてそれを捨てる宣言。
とはいえ、細川はゴダールを分析する松浦を引用し、わたしはペップのマジックにシクロフスキーの異化効果を視る。

WMはどうやって生まれた?
イングランドのロングパスとスコットランドのショートパス

ポジション強調
静態的
ゾーンの意識は高かった?
ベンゲル アーセナルは?
クライフ、ペップよりも合理性に近い気もする

数式の効用
・各選手の貢献度の可視化
・ゴールにいたる波のパターンの可視化 

勝つための濃密な時間、短時間でのボールの動き、スペクタクル性、
おフザボールの選手の動きを評価できない。
勝つためという目的から外れた一つの基準、美学 スペクタクルと美しさなどの要素、観点が数式からは見えない。くみとれない
合理性とは別の理念
ブラジル、読売クラブ

あとがき
フットボールを一つの式であらわす
この仮説をたてるこtによってこの式からもれる様々な要素があるのがわかった。美しさやスペクタクル性も。
合理性を徹底した式から漏れるこの要素まで含めて総合的にとらえること、この作業でまたあらたなサッカーの魅力にきづくことができるのではないか?

最初の一歩が間違いであれば、そこから出発した翻弄校の全ては添加の暴論であり、世迷言でしかない。
わたくし個人への異議、反論は当然であろう。それによってサッカーを語る場が盛り上がってくれれば筆者の妨害の幸せでもある、暴論うんちくにおつきあいいただければ幸いである。

細川周平
P95 サッカーのゴールは驚き、意外性の美学に基づく。
黄金の4人を語る上で必要なTERM

あるいはあマラドーナ、メッシのような突出した個人を語る上で,
しかし、これは別の論考が必要であろう。

歴史:事後的に因果関係を説明している。
 転倒
 しかし、その考えも上の歴史因果に囚われている。
では、戦略では戦略では? 確実な因果関係による必然
しかし、勝負は偶然に左右される。リージョ
あくまで確率の高い(経験則や合理性で)ものを選択はするが、結末は偶然でかわる。

∫f(dx)2=1 インテンシティとすると時間を減るにつれ、インテンシティが小さくなると波はどうなる? 小さくなる、オープンにはならない?

ゲーム終盤、両チームのインテンシティが小さくなるとオープンな展開(=波の振幅が大きくなる)➡つまり後付でインテンシティを分数であらわすことにする。

∫f|1/Ix dt |2=1
インテンシティが大きくなれば、分母が大きくなり絶対値は小さくなる
インテンシティが小さくなれば、分母が小さくなり絶対値は大きくなる

波の2乗はエネルギー
米インテンシティは、エネルギー全体の一部、では、他の要素はなんだろう

インテンシティは分解できるか
➡ 前へ向かう推進力 ボールフィード、ドリブル
  相手の推進力にこうする抵抗力 ディフェンス力

FOOTBOLISTA 林x井上対談 サッカーとラグビーの戦略比較

トレンド ストーミング、ラングニック vs ポジショナるプレー リージョ
20年に1回革命 
 クライフ 1974 
 サッキ  1988
 ペップ 2014,2010バルサ、
可変式ポッド 試合中に可変 2014 ペップ バイエルン

読売クラブ ラモスの多用するピックアップパスはフットサルのボールタッチのよう。
kれはサッカーの距離だと時間がかかりすぎて相手につめられる。多用は問題。
でもフットサルは距離が短い、やはり問題か?

ヒディング 2008ロシア代表 EURO2008
スペイン 4人の創造者 シャビ、イニエスタ、ダビドシルバ、セスク

FOOTBOLISTA 2018・2・16 篠崎直也
「隆盛する現代プレス戦術の源流、名将ロバのフスキーの科学的思想」
ラングニック、グロースに影響?
ロボットによる未来のサッカー
ミスを18%以下に抑えれば負けない、
勝利よりも内容が大事、スペクタクルなサッカーを目指してもいた、

オフサイドトラップ
  ブンダーチーム
  マジックマジャール
  VMブラジル
  アリゴサッキ
  ペップ
  クロップ、ラングニック

数ある革命の中でミケルス・クライフのオフサイドルールを戦術に組み込んだことは、新しい解釈、新しい視点で見直す、ことは、コペルニクス的展開のごとき衝撃と言えまいか?

リージョへのインタビュー
ゲームの優越性は論じられる ➡ 必然
しかし、勝負は必然の要素だけでは決められない ➡ 偶然

SPORTIVA 西部謙司

クライフ、ミケルス ボール狩り
 断続的、マンツーマン、発動はマークがずれたときのみ、
 プレスのターゲットは人
 ➡マークの受け渡し、+オフサイドトラップ=高いインテンシティ
 ➡ディフェンスラインの人数不足

サッキミラン
 持続的、ラインコントロール、FW、MF,DF3列
 プレスのターゲットはボール
 ➡ ゾーンの出口を埋めてボールの出口を塞ぐ 
 ➡ 高いインテンシティ
 ➡ 隊列を整えたまま4−4−2の各ライン
   横幅は4人
 ➡ ひとりひとりの移動距離は10M程度。
 ➡ ストーミングへ
 ちなみにバルサのプレッシングは横5人

美しいサッカー
EURO1988 CCCP vs イングランド
①ロングパスの美しさ
 cf パスサッカーの主体はショートパスであった
    1982 ブラジルも
    1984 フランスも
    2010 バルサも
 そのなかでプラティニは精度の高いロングパスを繰り出した。

②CCCPはクライフのトータルサッカー(全員守備、全員攻撃)を身体能力を向上させる、という手法で実現した。
時間をボールコントロールやスキルでなく、身体能力(大量、スタミナ、持続力、走力)でマネージすることを実現した。

➡ 実況を聞いていても、当時のソ連はプレッシャーが強い、というイメージをみんなが持っていたことがわかる。
そしてプレッシャーには「いなす」という対抗策もあることも一定の常識であったようだ。
(続けてCCCPイタリア戦を見て)

ボールを受ける体の向き、タイミング、受けての利き足にボールを渡す、など細い指示をする監督たち
ペップ、
風間八宏
李国秀 桐蔭学園コーチ

フットボールの数式を考えるうえで「命題をひとつ」
止まっているボールのゴール期待値(確率)は時間とともに変化するか?
つまり、周囲の選手の数的優位や質的優位、ポジショニングで変化するか?
➡ あり得る

実際はボールが静止しても、確率を表す計時グラフは変化するはず
➡関数はボールの位置や速度をあらわしてはいない、
つまり、波動関数はボールの軌跡をあらわしてはいない、ことになる。
むしろ、まさにこれこそ「ポジショナル・プレー」の本質をあらわすのではないか?

わたしの第一のミスは、グラフをボールの(位置の)軌跡と同一視したこと。
グラフはあくまでそのボールをとりまく環境によってゴール期待値の確率を表している。位置をあらわしているわけでも、ボールの軌跡をあらわしているのでもない。

ハンガリー ブラジル 1966
WMチームドウシノサッカーがこんなにも新鮮に映るとはびっくり。中盤のプレスがないからか、局面がゴールからゴールに縦のロングパス1本で目まぐるしくかわる。
選手のスキル、ボールタッチ、パスの精度、判断の速さはすばらしく、現代のチームと対戦させたいほど。
エンタテインメントとして本当に素晴らしい。

サッカーの本質がまたわからなくなってきた。時間のコントロールだと思っていたが。バスケットボールのようであった。この意味はチームのボール競技の本質を∫f|ds|2=1がとらえている、ということかもしれない。

ラグビーの場合、式をひとつ加えねばならないか。
ルール:ボールを前にパスできない。
を式で表す。
ボールを前に運べない、を特定できるものでなければならない。
しかし、
∫fx|dx|2=1には位置を示す変数がない。あくまで仮想の確率平面上の位置を示すのみ。

東大 山口 サッカーとは人的資源の獲得競争ゲーム

サッカーの美とは何か
高いインテンシティのなかでまわすパスワークを人々は美しいと思う。

なおかつそのパスワークがリズミカルに見える。

ドルトムントは早い 風間八宏

∫    はポゼッションプレーの式とも言えまいか?

ボールは常にピッチの中でゴール確率の高い場所に移動していく。
  ラグビーはボールを運ぶ手段とエリアに制限あるので別氏kとなる。
ここから導き出せる式ボールの軌跡の何を見てわれわれは美しいとかんじるのだろうか?
時間をかけないプレー。
ワンタッチパス。スキル マスターへの畏敬
共通のビジョン 共感
判断力 マスターへの畏敬
成果物としてのボールの軌跡
眼にやきつく残像 ➡美の記憶
美とは何か?

前線で混沌としている場所からボールを戻す。
確率の低い方に移動?
だが、逆サイドに振るあるいは、ワンツーですぐさま前に出す➡よりたかい確率の場所に移動
前線でボールをとられるより
戻してその後のフォローで確率を高められるのであれば、本式は成立すると考える。

「サッカーの美とは何か」
宇宙の根本原理をe=MC2で記述したアインシュタイン。人々はこの式で宇宙を美しいと思うのではない。この宇宙を簡潔な一行の式であらわした、この式そのものを美しいと感じた。これも数学的美のひとつなのだろう。
翻ってサッカーのボールの軌跡を

ボールはこぼれるにせよ、
であわらしたとしtも、この式は美しさを与えない。
美しいのはこの式とはべつのところから生まれる。
それを追求するサンプルとして以下チームの美を追求したい。
クライフのオランダ
テレさんターナのブラジル
プラティニのフランス
ペップのバルサ

そのほか、参考になるチーム
2004 チェコ
2008 ロシア
1990 ユーゴスラビア
2011 ドルトムント
2004 アーセナル
CCCP ディナモキエフ

フットボールの式批判
①無意識の領域
ボールは溢れる つまり、両チームの意図しないボールの動き、領域
コントロールの範囲外 
➡ ロシアフォルマリズム批判、無意識を考慮していない
稲穂 こぼれ玉を期待してはだめだ
唯一アディショナルタイムときだけ期待する戦略

ソ連、東欧の代表チーム内の隔週は他国以上のあつれきがあったはず。
➡究極の成果主義 国策だからね これは勝利至上主義


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