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生活支援サービス立ち上げの物語

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田舎からスタートアップ。リハビリ専門職による高齢者の在宅生活支援サービス立ち上げまでの軌跡。
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#スタートアップ

第36話 介護離職の実態④

第36話 介護離職の実態④

第33話で働きながら介護をしている人の数を2012年のデータを見て240万人と書きましたが、2016年のデータが見つかりました。※総務省『社会生活基本調査』
その数ですが、

396.8万人!1.5倍以上になってますね…今は2018年ですからさらに増えているということが予想されます。

働きながら介護をするということは大変と一言で言ってしまえば簡単です。
大変な内容を深掘りしてみると、
・経済的な

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第35話 介護離職の実態③

第35話 介護離職の実態③

前回まで、介護離職者またはその予備軍の数が多いこと。
介護離職したら経済的に厳しい状況に追い込まれることを学びました。
今回は介護離職に関わる制度について勉強してみます。

・育児、介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)
詳しくは他のサイトに分かりやすくまとめられていますのでここでは書きません。
簡単にまとめると、

原則として「要介護状態」の家族を介

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第34話 介護離職の実態②

第34話 介護離職の実態②

昨日に引き続き介護離職について勉強していきます。

昨日は年間の介護離職者数(10万人)
仕事と介護を両立している人の数(240万人)を確認しました。

もはや介護は他人事では無いという事が分かりました。

今日は介護離職後に仕事や年収がどのような状況になるのかを調べてみました。

・介護離職後正社員となるのは半数
・4分の1が無職
・再就職までの期間も長い(1年以上)
・年収も4〜5割ダウン

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第32話 地域力とは〜町内会の役割②〜

第32話 地域力とは〜町内会の役割②〜

地域力の話もこう続けられるとしつこいですかね?
今日は昨日の続き、町内会の役割について。

・町内会の役割
・町内会の歴史と背景
・現代に町内会は必要か?
・これからの自治の形はどうあるのが理想的か?←今日ここ

●これからの自治の形はどうあるのが理想的か?
町内会は必要!という人もいますし町内会は不要!という人ももちろんいます。
仮に全てを行政サービスに任せてみるとどうなるでしょうか?

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第31話 地域力とは〜町内会の役割〜

第31話 地域力とは〜町内会の役割〜

連日地域力について書いています。
書いているというか、書きながらまとめているといった感じで読みにくいかと思いますがご容赦いただけたらと思います。

やはり事業デザインをする上で地域づくりの哲学をより鮮明にさせておく事が大切だなと思ってます。
どんな地域が理想的なのか?今まではどのような地域が望まれていてその背景はどんなものなのか?しっかり勉強しなくてはいけませんね。

今日は町内会について考えてい

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第30話 地域力について

第30話 地域力について

前回も“地域力”について話しました。

最近、地域力とは何だろうかと考える事が多くなりました。
それほどこれからの日本を語る上では重要なワードだと思うのです。

戦後の人口ボーナス期に深く考えられることなく、旺盛な発展の前にかすんで人々の目に留まる事が無かった、“地域の問題を自律的に解決する力”。

つまり、今までは人の数の力で解決できた、もしくは問題が表在化されなかった。
しかし、人口オーナス期

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第29話 地域力は非常時に

第29話 地域力は非常時に

東日本大地震が起こった4日後、私は被災地に立っていました。

仙台で学生生活を過ごしたので、東北には思い入れがあったのかもしれません。
その時は関東も大混乱で、自分の生活もままならない状態ではありましたが何もできないことに苛立ちを覚えていました。そんな折に知り合いから偶然にも声がかかり迷わず被災地に向かいました。

深夜の東北道はデコボコして走りづらかったのを今でも覚えています。福島を通過する時は

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第28話 優しい地域とは何か?‘知ってるよ’という要素

第28話 優しい地域とは何か?‘知ってるよ’という要素

前回は優しい地域を作ることが理想、という話をしました。
では優しい地域とは何かということを考えてみると、一言では言えないなという結論にたどり着きました。しかしその中の1つの要素に‘知っているよ’という事があったのでまとめてみました。
‘知ってるよ’とは文字通り知っているということです(笑)
同じ地域に住んでいる人がどんな人でどんな‘人となり’なのか?何を考えていて、何ができないのか?何を公表したく

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第27話 依存心の強い対象者を誰が支えるか?(昨日の続き)

第27話 依存心の強い対象者を誰が支えるか?(昨日の続き)

昨日は公的な医療・介護のシステムで支えることが望ましくない対象者がいるという話をしました。
そもそも治療する気がない人、漠然とした不安を解消に来る人、自立心がなく依存的な人、フリーライダーといった人たちは、公的な資源でまるっと支えようとすると破綻をきたすよ、資金的にも人材的にもといった内容でした。

では、そういった人たちは誰が支えるのが適切か?誰も支えなくて良いというのは無いと思います。現状では

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第25話 介護はマネジメント勝負だ

第25話 介護はマネジメント勝負だ

経団連の資料によると2016年に介護を理由とした離職は8.6万人に達している。
また、離職にまでは至らなくても介護による睡眠不足やストレスを原因としたパフォーマンスの低下も指摘されている。

私は、普段から高齢者の医療介護に携わっていて高齢者とその家族の関係性などの現実を見ている。そこで感じることは介護と仕事の両立は本当に難しいということだ。
対等な人と人の関係性でさえ難しいのに、それが親子でしか

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第23話 ワークアズライフ

第23話 ワークアズライフ

瀬戸内の海は今日も凪いでいた。波のない海は静まり返っている。
今日は友人とカヤックフィッシングだった。
これは僕にとっては趣味だが実は生活でもある。

仕事が無い日はウキウキする。今日は何をしようかと思案する。そんな生活もいいけど仕事自体がウキウキするような仕事で、明日はどんな仕事をしてやろうかと思いながら仕事と生活と境界が曖昧な感じで生きて行くのが理想的だ。

周防大島の生活はそれを具体的にイメ

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第22話 求人まだ出ず

第22話 求人まだ出ず

辞表を提出して早半月、まだ求人が出ていません。

新しい人と入れ替わりで退職してほしいとのこと。できるだけ早く退職したいという旨も伝えています。

でもまだ求人が出ていない。それでは誰も入りませんので当然辞められません。

こういった意思決定と行動の遅さも自分には合っていない職場でした。とにかく早く行動、行動という性格なので周囲の行動が本当に止まって見えます。

周囲の人たちには自分のやりたいこと

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第21話 親の介護は長男がするべきか

第21話 親の介護は長男がするべきか

老いてくるとできないことが増えて、その人らしい生活を送る為に誰かのサポートが必要となることがあります。
そのサポートは誰がするのがよいでしょうか?

結論から言ってしまうと、いろいろな選択肢があればよいということなのですが、
長男(または第一子)がするべきという風潮を普遍的に押し付けてしまうのはあまり良くないなと個人的には思います。

『長男なんだから』ということを私もいろいろな人から言われますが

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第20話 介護士でなくリハビリテーションセラピストが生活支援を行う理由

厚生労働省が定義する介護保険の理念には明記されていることがあります。
それは、

○ 自立支援・・・単に介護を要する高齢者の身の回りの世話をするということを 超えて、高齢者の自立を支援することを理念とする。

というものです。
つまり、やってあげるのではなく自立してできるように支援してね。
ということが理念なのです。

介護保険事業に関わっている人でこれを理解している人は意外と少ないのではないかと

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