第20話 介護士でなくリハビリテーションセラピストが生活支援を行う理由

厚生労働省が定義する介護保険の理念には明記されていることがあります。
それは、


○ 自立支援・・・単に介護を要する高齢者の身の回りの世話をするということを 超えて、高齢者の自立を支援することを理念とする。

というものです。
つまり、やってあげるのではなく自立してできるように支援してね。
ということが理念なのです。

介護保険事業に関わっている人でこれを理解している人は意外と少ないのではないかと思います。私自身も介護保険事業に関わりだした頃は誰からも教わることなく何と無く関わっていました。しかし、”自立支援を目指す制度”ということを理解してからは色々と腹落ちすることが多かったです。

そうなんです、自立支援なんです。自立というのは何でも自分でできるということだけでなく適切に人に頼ることができるとか、意欲を持って生活することができるとか、環境が整っているとか、いろいろなことを含めての自立だと理解しています。

自立支援という観点で理学療法士などのリハビリテーションセラピストが関わる意義があるのは、『残存機能を活かしたり伸ばしたり、また環境に働きかけることで自立を支援することができる』という点にあります。

介護福祉士やホームヘルパーさんの生活を援助する要素ももちろん必須。ですが自立支援ということを意識して関わることが必要です。そしてリハビリテーションセラピストは自立支援という観点で関わるとかなり意義があると思います。その人自体に関わって能力を伸ばすこともできますし、環境に働きかけて能力を活かすこともできます。

できないことを”やってあげて”しまえば、できなくなるスピードを早めてしまいます。

そうではなくて、できないことをできるように、またはできていることをいつまでもできるように支援することが求められていると思うのです。

そしてそこはリハビリテーションの出番だと思うのです。

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