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#根付師陽佳の記事

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将棋駒と戦国武将を融合した根付 『 戦国駒シリーズ 』

将棋駒と戦国武将を融合した根付 『 戦国駒シリーズ 』

もの心ついた頃から「将棋の駒」はとても身近な遊び道具でした。
幼稚園の頃はなんと言っても “ 将棋くずし ” と “ はさみ将棋 ”が大のお気に入りでよく父に相手をしてもらっていた記憶があります。

正当な「将棋」は、父と兄が指しているのを横でじっと眺めていただけなので、なんとなくルールがわかるようなわからないような…
ただ、それぞれの駒の文字と動きがまるで生き物のようで、横から盤上の動きを眺めて

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ウロコ狂〜魚編〜

ウロコ狂〜魚編〜

「鱗」という文字そのものの造形にも惹かれるのですが、一枚一枚ポリポリと鱗を彫っていくという行為になぜか筆舌に尽くし難い魅力を感じてしまうのです。

果たしていつ頃からその魅力に取り憑かれているのか…

ということで、根付を創り始めた初期作品からの記録写真を遡ってウロコ狂のへの軌跡を辿ってみようと思います。

●2004年の「ウロコ」“鯉のぼり”の真鯉と緋鯉をモチーフにした根付。真鯉は立ち姿、緋鯉は

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“鹿の角”の中から「カタツムリ」と「柄杓」を

“鹿の角”の中から「カタツムリ」と「柄杓」を

●鹿の角の「す(鬆)」縄文の頃より、釣針やモリなどに加工し生活の道具として利用させてもらっていた“鹿の角”ですが、遺跡の展示品として飾ってあるいにしえの「釣り針」や「モリ」を目にするたびに、

『この部分に「す」が見れるということは、おそらく鹿角のあの部分をこんな角度でこう材料取りしてるのでは…』

などと、太古のロマンに浸らずに現実的でマニアックな想像に耽ってしまうのは根付師の性(サガ)と言って

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今まで創った「おひなさま」たち

今まで創った「おひなさま」たち

約6年勤めていた化粧品会社(某S堂)を退職し、念願の「根付師」になってかれこれ今年で23年目になりました。

その間いろいろな根付を作ってまいりましたが、その中には根付ではない彫刻品も依頼されて数多く創っております。

今で言うストラップの「ぶらり(提げ飾り)」はもちろん、根付の素材として使う牙角類や木材を彫刻して創る「帯留め」や「かんざし」等の和小物から、「指輪」・「ブローチ」や「ペンダント ト

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「恋する金魚」ができるまで

「恋する金魚」ができるまで

●まずは少々長いですがスマホで撮り留めた画像を順を追って並べてみました

↑クラウンと呼ばれる鹿角の根元の部分は比較的「鬆(す)」が少ないのですが、何本かカットしてこの材料はクラウンの鬆が少ないので、この部分を金魚胴体部分いなるよう材料取りをしていきます。

※写真の上部が底面、つまり金魚のお腹にしますので、次の画像からは天地が逆転となります。

↑「荒彫り」と言われる工程。大まかなカタチをヤスリ

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根付師の陽佳です。

根付師の陽佳です。

ブログに載せきれない作品画像や細かい説明、そして作品にこめる思いや“こだわり”など作品にまつわるアレコレを、自分で撮った作品の記録画像と一緒にnoteに書き留めていきたいと思います。

●着物のシワにこだわる子供の頃から「きもの」が生活の中に普通に存在していたせいか、気が付いたらかなりの着物好きになっていました。

両親とも “ 家着 (いえぎ) ” として普段着の「きもの」を普通によく着ていたも

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