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ツジ
2024年2月25日 00:54
暗闇が手招きしている。やさしい黒は、わたしのことをどこまでも引き込んで、いつのまにか溺れてしまう。苦しみを言葉にするたびに、どうにか息が吸える気がする。鬱は今日も絶好調、治ることなんてありえないんじゃない?と笑えるほど。素敵な言葉ばかりを紡ぎたいのに、そんな風に上手くはいかない。人生ってたぶんこんなもん。憂鬱な夜ばかりを過ごすことにいつまで経っても慣れなくて、毎回新鮮な気持ちで堕ちてしまう。馬鹿み
2023年4月11日 04:28
空を眺めるのが好きだった。ぼーっと流れる雲と時々飛んでくる飛行機。私の住んでいた街は空港があったから、飛行機がよく見えた。轟音が響いて高く飛ぶさまは、わたしにとって自由の象徴に見えた。「それANAの○○便、ボーイング○○○だよ」中学校へ行く途中、空を見上げながら歩いていたわたしは、急に声をかけられて、転びそうになった。「え?なに?」「だからあれはANAの〜…」入学以降、彼と
2022年12月9日 03:09
ふと見上げると都会の喧騒の中、じっと静かに佇むように満月が光っていた。月が綺麗ですね、と口に出してつい言ってしまう、そんな、魔法の夜。夏目漱石が"I love you"を"月が綺麗ですね"と訳した、というのはたぶん嘘だ。でもそんな嘘を信じたくなるくらい、ロマンチックで素敵な言葉だと思う。あなたなら、I love youをどう訳す?私なら、「寒いね、寒いね」。冬のしんしんとした夜に、そう言い合え