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化粧品を買うときは専門のアドバイザーが欲しい。資生堂の決算資料より

化粧品はどれを買うのがいいのかについては、誰にも当てはまる正解がないからこそ、人は誰か詳しい人の意見を聞きたいのかもしれない。

今回は資生堂の決算資料から、人々の化粧品への向き合い方を調べる。

化粧品全体として、通信販売の率が低め

こちらの記事をみるとわかるのだが、化粧品は全体的にEC化率が低く、店舗での販売がメインになっている市場である。

今回取り上げる資生堂でも、通販サイトからの売り上げの占める割合は伸びないどころか、むしろ低下している。

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(日本国内売り上げの中の構成比。出典は巻末)

一方で、売り上げの構成比を順調に伸ばしているチャネルがある。

それが百貨店経由の売り上げである。

百貨店経由の売り上げは伸びている

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(日本国内売り上げの中の構成比。出典は巻末)

資生堂の売り上げのうち、百貨店経由の率が毎年伸びていることがわかる。

百貨店が最近「不調だ不調だ」と言われている中で、化粧品の販路が拡大しているのは奇妙に思える。

日本人のスキンケア信仰

資生堂ではブランドごとにカテゴリがあり、そのうち、プレステージと呼ばれる百貨店ラインがある。

デパートや化粧品専門店などでカウンセリングを通じて販売している、
高価格帯化粧品やフレグランス。

このプレステージの商品群のスキンケアとメイクアップの売り上げの構成率をみると、

日本

日本では、
スキンケアが売り上げの68%
メイクアップが売り上げの29%

全世界

全世界では、
スキンケアが売り上げの48%
メイクアップが売り上げの26%

日本のデパートにおいては、メイクアップよりもスキンケアの販売額が大きいことが分かる。

化粧品と洋服の比較 人の真似で上手くいくとは限らない

外見に関する商品というと、化粧品と洋服が挙げられる。

この2つの違いを探し出す時、
洋服は、おしゃれかダサいかの二軸で判断されるが、
化粧品のうちスキンケアは、自分の肌に合っているかいないかの軸で判断される違いがある。

洋服とメイクアップに関しては、時代の流行やサイズ感・色の重ね方など多くの人に当てはまる正解・不正解が存在する。

しかし、スキンケアについては誰にでも当てはまる正解がない。あくまで私の肌に心地よいかどうかだ。

洋服やメイクのように、スキンケアは人の真似ができないのだ。

化粧品と洋服の比較 正解だと分かるまで時間がかかる

洋服は試着したタイミングで、メイクは終わった時点から、それの良し悪しははっきりする。

一方で、スキンケアが自分の肌によいのかは、時間が最低でも1日、あるいはもっと日が経たないとはっきりしない。

百貨店の良さは、店員さんにいろいろ質問しても怒られないこと

この正解がなんともはっきりしない問題に、百貨店は優しい。

百貨店では、店員さんにいろいろ聞いても(表面的には)嫌な顔をされない良さがある。

店員さんに肌診断をしてもらっているうちに、30分以上滞在していた経験を持つ人もいると思うが、百貨店はじっくり買い物をする人にとても優しい。

正解が分からないから、詳しい人に聞きたい

正解がわからないとき、人は誰か詳しい人に質問したくなる。

スキンケアという商材の特性と百貨店での買い物スタイルがマッチしたために、資生堂での百貨店経由での売り上げは伸び続けているのではないだろうか。

出典 資生堂アニュアルレポート

https://corp.shiseido.com/report/jp/2018/data/market_data.html
https://corp.shiseido.com/report/jp/2017/data/market_data.html

お金を稼ぐということが大変だということを最近実感しています。サポートいただけると幸いです。