猫屋

病院勤務の30代。 今日も七三分けを大事にしながら。 無ければ作ればいい!そんな別部屋…

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病院勤務の30代。 今日も七三分けを大事にしながら。 無ければ作ればいい!そんな別部屋。『世界は、心次第で変わる』

最近の記事

『さば』(短編小説)

それは手慣れたものですよ。 いつものように、いつもの魚焼き用のフライパンで鯖を焼いていました。 ここ数日は毎日、夫と鯖を食べていましたから。 脂がはねますし、軽く蒸すようにアルミホイルをそっとのせるんです。これもいつもの事。 いよいよ。 良い塩梅に焼けるのを見計らって皿を用意して、ホイルをのけて。 じうじうと音のする焼きたての鯖を白い長皿へ、箸でもって移動させました。 皮が。 身から熱で剥離して、熱く脂の乗った鯖の皮が、勢いよく蠢く泡のように、ふつふつと言うには優

    • 「今までありがとうございました」500円セットと、なまぬるいビール。

      東京に来たばかりのころに住んでいたアパートから徒歩3分のところに、おばちゃんとおじちゃんが2人でやっているラーメン屋があった。 床の模様や、壁紙なんかは時代を感じさせるレトロな雰囲気で、とても長くお店をやっているんだろうなぁと推測できる店内だった。 お店はとても年季が入っているが、床もテーブルも、キッチンもピカピカでいつも掃除がゆき届いていた。 おじちゃんめっちゃ話しかけてくる。 いや、おじちゃんは話し好きなのだがシャイなのだ。 なので、店に入るとおじちゃんは話しかけた

      • 『東京ラブストーリー』登場人物みんな難あり。だからいいのだ。

        恋愛とはなんぞや。 恋愛といえば東京ラブストーリーでしょう。 「1億総恋愛体質」 つい先日初めて東京ラブストーリーを全話観た。で、脳内に浮かんだ言葉だ。 例えば、キャプテン翼、ミスター味っ子などを読むと、漫画の世界の中では大人から子供まで全てサッカーや料理の事しか普段から話題にせず、日本中のあらゆる人々がその事を中心に生きているかのように錯覚するほど一色だ。 東京ラブストーリーを観て、まさに同じような感覚に陥った。 もう世の中は「恋愛」のみで構成されており、「恋愛」中心

        • 『剣の街の異邦人』私は確かにその時、剣の街で異邦人だった。

          剣の街の異邦人 『待ち伏せゲー』 いわゆるダンジョンRPGに分類されるものだが、ダンジョンの探索はもちろんのこと、マップ内にある「待ち伏せポイント」で敵を待ち伏せしアイテムドロップを狙う事こそがこのゲームの一番の面白さではないかと思う。 基本的に武器、防具などは待ち伏せポイントの敵からしかドロップがなく、敵が輸送してくる宝箱には剣や鎧などのシンボルが描かれており、ある程度目星をつけて狙う事が可能である。 秀逸なのは、無限に待ち伏せ出来るのではなく、「士気」というポイント

        『さば』(短編小説)

        • 「今までありがとうございました」500円セットと、なまぬるいビール。

        • 『東京ラブストーリー』登場人物みんな難あり。だからいいのだ。

        • 『剣の街の異邦人』私は確かにその時、剣の街で異邦人だった。

          創作のマストアイテムとはポメラとあと一つ

          『ポメラ』 私の創作のマストアイテムといえば、第一にこれだ。 ポメラニアンではない。 あの遠くから見たら唐揚げみたいなフォルムの可愛い小型犬ではなくてね。 KING JIMから出ている、テキスト入力だけに特化した端末です。 もちろんネットも見られない、液晶は白黒。 しかし、ただ文字を打つ という事だけに特化されているため、無駄がなく打鍵感も抜群。そして何より、スマホやパソコンと違って文字を打つしかできないゆえに、非常に集中できる。 だからあえてパソコンやスマホが近く

          創作のマストアイテムとはポメラとあと一つ

          カフカへの手紙

          カフカ様 ようやく涼しくなってきましたね。 貴方はどの季節が一番好きなのでしょうか。 暑いと言っては絶望し、寒くてもまた同じように絶望するのでしょうか。 貴方のその滑稽な姿に私何度も笑ったんです。 だって、私より先に絶望するものだから。 おかげであの時落ち込まなくてすみました。 いつか一目お会いしたいと思っていますが、お会いしたらきっと貴方を抱きしめたくなってしまいそうで。 そしたらまた驚いてしまって絶望するのでしょうか。 だからそっと本を開き、遠くて近い場所で見

          カフカへの手紙

          チャックが全開の人

          チャックが全開の人に 『チャック開いてますよ』 と、言えますでしょうか。 10年以上前ですが、私はまさにその時、 チャック開いてる側の人間 でした。 世の中には、チャックの開いてる人間と開いてない人間の2種類がいると言われていますが、その時は、フルオープンガールでした。 電車で、少し御年配のご婦人が、 『あの…チャックが開いているかもしれませんね…。(ニコッ)』 と、コソッと耳打ちして下さりました。 "かもしれません"の、大人の配慮。 控えめでありながら相

          チャックが全開の人

          モノサシとしての東京ドーム

          私にとって東京ドームとは、モノサシとしての役割しか果たしておりません。 東京にきてから東京ドームに行く機会もなく未だ一度も行っておらず。 それ故に、よく広さを東京ドーム何個分!などと、言いますが、巨大モノサシみたいな感じで、なんかもう文房具の一部みたいな感覚です。 感覚的には ハサミ、のり、コンパス、東京ドーム みたいな感じです。 東京ドーム。 避けてきた訳ではないのですが。 なんならウェルカムな気持ちがあります。 おやつの殿堂チーズおかきと、ロッテのチョコパイとファ

          モノサシとしての東京ドーム

          刑務所、もしくはヘリポート

          東京に来たばかりの時、わけのわからないリサイクルショップで、わけのわからない洗濯機を買いました。 リサイクルショップというか、粗大ゴミの墓場(失礼!) まるで骸のような品々。 値札付けたらなんでも売り物になるという値札の暴力。 その日は、そこで買った洗濯機で意気揚々と洗濯していました。 晴れてましたしね。 洗いというメインイベントを終え、お次は脱水。佳境に入りました。 すると、 『このまま続けたら洗濯機、離陸するんちゃうの?』ってくらい、 もう聞いたことない轟音、振

          刑務所、もしくはヘリポート

          今更ながらの"USA"に学ぶこと。その隠されたメッセージ。

          「どっちかの夜は昼間」 久しぶりに一時期流行ったDA PUMPの「USA」をノリノリで聞いていた。 どっちかの夜は昼間って、いやそらそうやろ!おもろい表現するなぁ~と当時から思っていたが、 「どっちかの夜は昼間」=「誰かの正義は誰かの悪」 このUSAを何気なしに改めて聞いた時そのように聞こえた。 そんな意図を含んで作詞されたのかはわからないが。 状況にもよるが、争い・諍いの最中では互いが互いに正しいと思っている。 どちらも正義なのだ。 同時にどちらも悪なのだ。 「だ

          今更ながらの"USA"に学ぶこと。その隠されたメッセージ。

          目的地とは、『右に最低3回左に最低2回』は曲がらんとつかんやろ

          方向音痴でさぁ。よく聞きますねこの言葉。 こちとら筋金入りの方向音痴なわけで。 本物の方向音痴は直進するだけの道で迷う。 なぜそんな事が起こるのかを真面目に考えました。 真っ直ぐ行くと着きますよ。と、言われても過去の音痴体験から、真っ直ぐ行ってるうちに 『あれ?ほんまにこっちでええんかなぁ』 と、なってきます。 その余計な『あれ?』のせいで、真っ直ぐ以外の道を選択したくなってきます。 結果的になんか曲がってしまう。 ただ真っ直ぐ行くだけで、着く。そんな方向音痴

          目的地とは、『右に最低3回左に最低2回』は曲がらんとつかんやろ

          声が宿る文章はすんなりと入ってくる

          スラスラと読める文章とそうでない文章の違いってなんだろう。 すっと入ってくる文章には、声が宿る。そして押し付けがましくなく、ユーモアがある。 声が宿るって凄く抽象的な事だけども。会話を聞いている感じ、心が素直になる感じ。 笑わせたんで〜!と、鼻息荒いのもキライじゃあない。 会話も文も笑いは大切。 自分を笑わせるように話すと相手も笑ってくれるね。 関西出身の人だとわかって貰えると思いますけど、学生の頃はカッコイイより、スポーツ出来るより、勉強出来るより。オモロイ奴 がカ

          声が宿る文章はすんなりと入ってくる

          それは、奇跡ではなく

          アフリカの奥地に日照りが続くと雨乞い踊りをする部族がいます。 その中に、 彼が踊ると絶対に100%必ず雨が降るという人がいるそうです。 すごいですね。 でもその人は特殊な力を持っているのではありません。 ではどうしているのか? 雨が降るまで踊り続けるそうです。 雨が降るまでやめないから、 必ず雨が降る。 あたりまえですよね。 でもあたりまえのことを誰もがやっているわけじゃない。 そういうことです。 本日もあなたの一日は最高のものになる、必ず。

          それは、奇跡ではなく

          なんやそれ、面白すぎるやろ

          「ここで免許とれたら日本全国どこでも運転できんで!」 かつて私が通っていた教習所の先生の口ぐせだった。 先生曰く、日本で一番難しい教習所とのこと。嘘か本当かは分からない。 関西某所にあるその教習所は大変治安がよろしくない場所に位置しており、 かつ工業地帯でもあり、大型トラックはバンバン走り道は狭く、その辺りの歩行者はまず信号を守らない。 クラクションが頻繁にどこかで鳴っている。 そして道でオッチャンが寝ている。 よけなければならない。 そんな場所だった。 教習所の近

          なんやそれ、面白すぎるやろ

          チン出しおじさん

          『チン出しおじさん』 なんのひねりもありません。 チンを露出したおじさん。 略してチン出しおじさん。 かつて、平成の初期はまだまだ色んなものが容認されていたと思います。 チン出しおじさんは、 いつも自転車に乗りながら、チンを出していました。 ただ出しながらチャリに乗る。 それ以下でも以上でもない。 小学生だった私も度々目撃していました。 「昨日ヨシダ文具の前でチン出しおじさんおったわ」 と、だいたい目撃した翌日には友達に報告するというのが皆の中のルールでした。

          チン出しおじさん