タク

|30歳 |編集者 |愛猫家

タク

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最近の記事

いま、しごとが、たのしい。

初めてnoteを投稿したのは約2年前。あの頃の自分がこのタイトルの投稿を見たら「おまえ、頭おかしくなった?」と思うだろう。それでも、いま、しごとが、たのしい。 * 春。 頼り切っていた上司が一度に3人退職した。この先もずっと、退職するまで毎日顔を合わせると思っていた方々だった。仕事の引継ぎを受けながら、くじけそうになった。 上司の退職日には、自分と上司3人だけで、朝まですすきので飲み明かした。すすきののマックの角を、上司が曲がりきるまで頭を下げた。お世話になりました、

    • 高校生の自分が今も生きていた話。

      札幌は気温も上がり、20度を超える日も増えてきた。上流で雪解けが進んでいるためか川の水量も多く、春らしい強い風が吹いている。 自宅の寝室には高い位置に幅の広い窓があり、朝日が入るのをアシストしてくれる。最近であれば5時過ぎには明るい日の光が差し込む。光や音に敏感な自分はすぐに目が覚めてしまう。妻と猫を毛布のなかに置いたまま、ひとりリビングへ向かい、ホットコーヒーを飲む。それが日課だ。春の朝は早い。 ぼうっとした頭で、見ていた夢のことを思い出す。もうここ何年も同じ夢を見てい

      • おっさんと鞄と春。

        数年前から欲しい鞄があった。それは、Bradyというブランドの鞄だ。札幌市内のアパレルショップや古着屋を巡ると、必ず何店舗かに置かれていた。 価格は税込み5万円。安い買い物ではないので渋ってしまう自分もいた。が、値段以上に心のどこかで「仕事では使えないな」という気持ちがあった。常に買い物をする基準が「仕事」になっていた。 何年も前に4月1日を迎えた日、大学生を終えて会社員になった。当時の仕事はゴリゴリの営業職だった。スーツをびしっと着て、髪の毛は短髪に、生やしていた髭もそ

        • 毎日を大切に食べたい。

          このnoteでは不妊治療の話をします。僕たち夫婦はまだ子どもを授かっていません。これから授かることができるかもわかりません。あくまで現時点での、夫である僕の気づきや思いを述べたものです。ちなみに、Part2。 だいぶ前のことだが、妻と僕の不妊治療のことをnoteに書いた。 理由はいくつかあるけれど、感じたことや決意した思いをぶれない錨のように残しておきたかった、というのが本音だ。自分にとって重たい内容だったので、当分プライベートなことや、自分のことを表現するのは辞めようか

        いま、しごとが、たのしい。

          これから二人で知っていくこと。

          このnoteでは不妊治療の話をします。僕たち夫婦はまだ子どもを授かっていません。これから授かることができるかもわかりません。あくまで現時点での、夫である僕の気づきや思いを述べたものです。 1. タリーズで待ち合わせ、タリーズで入籍した。  その日は、なまら寒かった。外にいると鼻毛が凍り、屋内に入ると凍った鼻毛がとけ、鼻水が滝のように流れ落ちた。鼻水をすすりながら待ち合わせ場所のタリーズに入りホットコーヒーを2つ頼み、入り口に近いテーブルに腰をかけた。 「もう少しでつきます

          これから二人で知っていくこと。

          横田と高木、あごの肉。

          * 「自分が言われて嫌なことは、人に言っちゃだめだよ」 と小学生のころ横田に言われた。 横田は真面目な女の子だった。ノートを書くのも丁寧で、絵を描くのも上手だった。テストの点数も良いし、運動真剣も抜群だった。そんな才色兼備の彼女が言うのだから、横田の言うことは聞いておいたほうがいいと思い、僕はなるべくその教えを守って生きてきた。 * 「太ったね」 結婚して2年目に入り、歯に物を着せぬ言い方を覚えた妻の高木に言われた。 高木は真面目な女の子だ。仕事はしっかりこなす

          横田と高木、あごの肉。

          ふくしゅうの時間

          * ここ数日、布団に入る前に「復習の時間」を設けている。 冷蔵庫からアイスを取り出して、ソファに座り仕事で使用しているメモ帳をひろげる。その日学んだことや、調べたことをまとめなおしたり、参考になりそうな本を注文したり、使えそうなサイトを探す。 まあ、優等生ぶって書いているけれど、「完璧にやろう」だなんて気持ちはない。でも、「知識を深める、補充する」くらいの気持ちでやっている。 これがなかなか良い。 * 僕は編集の仕事をしている。 そのため、会社のデスクには常に原

          ふくしゅうの時間

          天井が緑色になった話。

          幼いころ、我が家にはテレビが2台あった。 1台はリビングに、もう1台は僕の部屋にあった。今のような、薄型のテレビではなく、もっと、ぶくっと、ふくよかな感じのテレビだったと記憶している。 ◇ リビングにあるテレビは今でいう32インチくらいの大きさで、屋外にアンテナがあり、画質が安定していた。 一方、僕の部屋にあるテレビは、リビングのそれよりは圧倒的に小さく、おもちゃのような屋内アンテナを使っていたので、時間帯によってテレビが映らなくなった。 画質が悪くなると、室内アン

          天井が緑色になった話。

          面倒くさがり屋が、面倒を見る。

          ◇ 平日の17時30分。 僕は「外勤」の札を下げ、会社近くの公園に向かう。途中でコンビニに寄り、ホットコーヒーを2つ買う。そして、空いているベンチを見つけ、ソーシャルディスタンスを適度に保って座る。 もう一方のベンチには、新入社員の彼が座る。 ◇ 4月1日。 僕が勤める会社に新入社員が入った。 「タクくん、面倒見てあげて」 彼が入社してすぐ上司にそう言われた。正直、面倒だと思った。部下を持つ経験は初めてではなかった。でも、先輩らしく振舞うとか、相手を評価すると

          面倒くさがり屋が、面倒を見る。

          末永く超お幸せに。

          4月22日。妻と僕の結婚記念日だった。入籍してから1年が経った。 夫婦とはなんだろうか、なんて正直考えたこともない。 でも、単純に好きな人と一緒にいられことが嬉しい。妻と一緒に生活していると、とても居心地がいい。たぶん、距離感がちょうど良いのだろう。 正直、結婚ぽいことを何もしていない。入籍前に一度だけ購入したゼクシィぽいことを何もしていない。 プロポーズは自宅で土下座だったし、顔合わせは2度延期になったのちタリーズコーヒーで10分間だけだったし、こんなご時世だから結

          末永く超お幸せに。

          僕が初めてアイライナーを買った話。

          このnoteは僕が妻にアイライナーを買った記録である。 「仕事帰りに、アイライナー買ってきて~」 水曜日の夕方、自宅にいる妻からLINEが届いた。職場にいた僕は凍りついた。 え、どういうこと? すかさずツイートしました。 そもそも、アイライナーというものを知らないし、妻が使っているものなんて特にわかるわけがない。 ただ、こんなツイートにも、優しいフォロワーさんが反応してくれました。(その節はありがとうございました!) 「試されてますね」 「ベリハですよ」 「

          僕が初めてアイライナーを買った話。

          ひとりより、ふたりで。

          「家から出てってくれない?」 金曜日の夜、妻が言った。食卓に並べられたご飯の前で、僕は凍りついた。 「あ、明日の話だよ?ほら、準備があるからさ、日曜日の」 準備?ああ、そうか、日曜日は14日、バレンタインだ。その準備のことか。入籍してもうすぐ1年、ついに家から追い出されるかと思った。 妻といるとわかる。彼女は準備が好きだ。誕生日やクリスマス、記念日などをとても大切にする。人に喜んでもらうことが嬉しいのだろう。その姿勢には、いつも感心させられる。そして、もちろん尊敬して

          ひとりより、ふたりで。

          がんばれよ、パパ。

          ◇ 親友に子どもが産まれた。正確に言えば、産んだのは奥さんのほうで、親友は旦那さんのほうだ。昨夜10時ごろ、僕のスマホの着信音が鳴った。 『あー、産まれたわ、おとこ。帝王切開だったけど、嫁も無事』 「え、まじ、おめでとう。よかったやん、奥さんも無事でよかった」 『いや、よかったわ。まじで、いやあ…』 親友は泣いた。というより、泣き崩れていた。 彼とは、中学1年生、つまりは12歳のころからの付き合いになるが、泣いたのを初めて見た、というか聞いた。つられて、僕もうるっ

          がんばれよ、パパ。

          タイムカプセルを開けたら、6歳の僕から手紙が届いた話

          「タイムカプセルに何か入れましたか?返却が始まりました」 昨年12月中旬、実家の母親からLINEが届いた。母親から連絡が来るなんて、月に1度あるかないかのことだ。その1度が「タイムカプセル」を含んだ文章で、ついに厳格な母親もボケたかと思った。LINEは続けて届く。 「清田区が誕生したときに、小学校で手紙をかいて入れた、のかな?」 母親のメッセージをそこまで見ると、不思議なことに僕の記憶が少し蘇った。たしかに僕はかいた。「未来の清田区」をテーマにした手紙か絵か…とにかく何

          タイムカプセルを開けたら、6歳の僕から手紙が届いた話

          8時45分

          「8時45分になったら起こしてほしい~」 と言い残し、僕の妻は寝室へと向かった。 リビングの時計を見ると午後8時10分だった。 あの大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のスペシャル番組の放送が迫っていた。番組が始まるまでの間に、少し仮眠をとるようだ。 妻は、時間にストイックだ。 友人との待ち合わせには30分前行動が当たり前で、相手を待たせることをしない。旅行に行くときには、完璧なスケジュールを組み、観光地での滞在時間、JRやメトロの乗車時間まで正確に管理する。

          8時45分

          今日のどうでもいい話(2020.12.24)

          「どうでもいい話」がたまったらあげているnoteです。僕が思っていることをただ書いてます。どうでもいい話ですが、よければ、ぜひ。 (今日は少し文章長くなったので2つです) 1.ヘアーカットガチャ視力がとてつもなく悪いんですよね、僕。 裸眼で0.1を余裕で下回っているんです、もう小学生の頃からなんですけど。だから普段は眼鏡をかけていまして。 眼鏡をかけてる人ならわかると思うんですけど、日常生活で眼鏡を外すことってあんまりないじゃないですか。そうだな、寝るときと、お風呂に入

          今日のどうでもいい話(2020.12.24)