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【小説】連綿と続け(50話まで無料)

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2024年2月の記事一覧

【小説】連綿と続け No.25

【小説】連綿と続け No.25

航)このまま、一緒におってくれん?

侑芽)一緒にいたいけど…

航)俺ちゃあかんが?

侑芽)そうじゃなくて。私、恋愛経験乏しくて…

侑芽が俯いきながらそう答えると
航はその体を引き寄せた。

航)俺はその方がええ

侑芽)そうじゃなくて。こういうのも初めてで…

航)え…?

侑芽は学生の頃、勉強に明け暮れていたから、
ほとんど恋愛をしてこなかった

合コンや紹介などで知り合った相手と何度か

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【小説】連綿と続け No.26

【小説】連綿と続け No.26

2人が初めて結ばれた朝。

余韻に浸りながらも身支度を整えてから
由紀と健太郎が泊まっている「となみ荘」に向かった。
今日でこの2人が八王子に戻る。

行きは北陸新幹線で来たが、
帰りは富山空港から飛行機で羽田に戻ると言う。

この日は航も休みだったから、
侑芽と一緒に空港まで2人を送ることにした。

由紀)おはよう!あら、航くんも一緒?

侑芽)うん。今日、航さんもお休みだから空港まで送ってくだ

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【小説】連綿と続け No.27

【小説】連綿と続け No.27

航)せっかくやし…このままデートせん?

侑芽)デートですか!?嬉しい〜!

侑芽は思いがけない誘いに心が躍る。
二人にとって初めてのデートだ。

空港を出発し、
富山市内を見渡す小高い丘の上に到着した。
そこは立山連峰も一望できる眺めの良い公園だ。

航)ここは呉羽山やちゃ。

侑芽)ここが呉羽山かぁ!聞いたことはあります!

航)立山見るがはここが1番ええ思う。今日は天気が最高やさかい、よう見

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【小説】連綿と続け No.28

【小説】連綿と続け No.28

夕暮れの街で
お囃子の音を聞きながら歩く2人。

侑芽)わぁ〜。すごい賑やかですね!

航)はぐれんようにせんと

航は侑芽に手を差し出す。
侑芽は周囲をキョロキョロ見てからその手を掴んだ。

城端曳山祭りは
越中の小京都と言われる美しい街の中心にある
城端神明宮の祭礼である。

毎年5月4日・5日に開催され、
初日の今日は夕方から宵祭だ。

この街で曳山《ひきやま》と呼ばれているのは、
祭礼で引

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【小説】連綿と続け No.29

【小説】連綿と続け No.29

侑芽は上司である黒岩に呼び出され、
市民を名乗る人物から匿名で苦情が届いたことを知らされる。

その内容は、
『役所の職員が市内で人目も気にせんと男とイチャイチャしとる。ふしだらや。厳重注意するように』という内容であった。

黒岩)…という話なが

侑芽)それは…私のことですか?

黒岩)まぁ…うん。あなたが彼と一緒におるとこの写真まで添付してきて

侑芽)え、そんな…

黒岩)別にね、交際しちゃ

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【小説】連綿と続けNo.30

【小説】連綿と続けNo.30

思いもしなかった決別の言葉に
ただただ泣きじゃくり、
その夜は眠れぬまま過ごした。
そして航にメッセージを送る。

『ごめんなさい もう一度話がしたいです』

すぐに既読がついたものの、
返信はなかった。

どんなに辛い出来事があっても
仕事は休むことが出来ない性分だ。
翌日、出勤すると、
同期の高岡が飛び上がって驚いている。

高岡)ちょ、ちょ、ちょっとぉ!何その顔!ひっどいクマ…。あっ、わかっ

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【小説】連綿と続け No.31

【小説】連綿と続け No.31

春子が鬼の形相で皆藤家にやって来た
出迎えた歌子は

歌子)ちょっこし待っとって?今、呼ぶさかい!

工房で仕事をしていた航は、
春子の声に反応し顔を上げていた。
そこへ歌子が入って来て

歌子)ねえ、なんや春ちゃんがすごい剣幕で来たんやけど…あんた、何したが?

航)別に…

航がしぶしぶ出て行くと、
春子が無言のままアゴを振り、
「表に出ろ」と言っている。

ここにやって来た理由は明確で、

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【小説】連綿と続け No.32

【小説】連綿と続け No.32

航が侑芽にLINEを送った。
だがいくら待っても
既読にならないまま時間だけが過ぎた。

“1週間も放ったらかした罰やな”

そう思って諦めにも似た境地になり、
頭を抱えたまま天井を仰ぎ見る。

今すぐにでも会いに行きたい。
だが酒を飲んでしまっていたから
今から運転はできない。

腹をくくって電話をかけるも
応答はなかった。

一方、侑芽はベランダに出て
ぼんやりと夜空を見ていた。

眠れぬ夜が

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