音瑚ひらり

ねこ、ひらりと、町をゆく。

音瑚ひらり

ねこ、ひらりと、町をゆく。

マガジン

  • つくり話

    物語をつくります。音瑚の「つくり話」です。*このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

  • あのときの話

    「あのとき」の「ある学校」の「ある教員」の日記です。 *このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

  • おしごとの話

    趣味のように仕事をし、仕事のように趣味をする。音瑚の「おしごと」です。 *このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

  • ひらりの話

    ひらりひらりと書いてゆく。音瑚の「おはなし」です。 *このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

最近の記事

〈それ〉がない日記㊼(最終回)

さて、ずいぶんと時間が空いてしまいました。 ここまで男の〈それ〉がない日常を覗いてきました。男はいつだって、何かしらの〈それ〉を失くしています。ポケットの中に、鍋の中に、屋根の上に、洋服ダンスに、記憶の外に。失ってから初めて気づくことがある、とはよく言ったものですが、この男の場合は、見つけてから初めて失っていたことに気づく、といったところでしょうか。 しかし、世の中にはただの偶然では片付けられないことが起こるものです。声が出なくなっていた男は子どもたちにどうしても伝えたい

    • 〈それ〉がない日記㊻

      20240311  3.11。それはそれは強く心に残っている日。  あの日の6時間目、外で体育をしていた。突然の揺れ。かつて経験したことのない揺れ。外で舟に乗っているかと感じるほどの揺れ。今までの「避難訓練」は遊びだったのかもしれない。それほどの揺れだった。  テレビから流れる画、音、外をいけば真っ暗。電気はついていない。不安しかない世界だった。それから10年たって、油断しているところに、コロナ・能登の地震。外国の争いはまだ終わらない。いつまでたっても世の中が不安だらけ。こ

      • 〈それ〉がない日記㊺

        20240310  なんてこと。お久しぶりの日記になってしまった。この間なにをしてたっけな・・・    昨日はイベントに参加する。地域活性化イベント。最近、こういうのが多くて忙しくてたのしい。本を置いたりギターを弾いたり、歌を唄ったり落書きしたり、紙芝居よんだりしてハッピーな時間。  SNSで見つけたらしく、14年ぶりにわざわざ会いにきてくれた子がいた。なんとハッピーな時間!泣ける。ここ最近よく会う人たちや初めましての人たち、たくさんの人と話せてうれしかった。やっぱり、人です

        • 〈それ〉がない日記㊹

          20240305   3月です。そう、3月なのです。終わりが見えている3月。始まりもチラホラ見えてしまっている3月。心がザワザワする3月。  犬も、猫も、人間も・・・そんな3月。  昨日は1日遅れのひなまつり。ぼんぼりに灯りをつけて、シンプルなお雛様を飾り、ちらしずしを食べ、あられを食らう。  そもそもひなまつりは、ひなあそびから来ているとか。アソビだったものが願いとなり、祈りとなり、飾りとなっていく。暮らしが平和になってきたのだなぁ。  でも、今の世界を見渡せば、願いや

        〈それ〉がない日記㊼(最終回)

        マガジン

        • つくり話
          48本
        • あのときの話
          13本
        • おしごとの話
          6本
        • ひらりの話
          23本

        記事

          〈それ〉がない日記㊸

          20240303  体力が。日記を書く体力がもたない。あと4回で終わりだというのに、ギリギリです。ここ数日のことを。  仕事先では結構な一大事。これは、まだ、ここでは発表できないほど。あれかしら、記者発表とかあるのかしら、不祥事かしらというレベル。我々はむしろ被害をこうむっているのでしばし、静かに見守る。  が、かつての仕事をもう一度やりなおさねばならぬ。その労力をどう補っていただけるのでしょうね。明日以降に・・・  そういった状況の中、職場の仲良しチームで久しぶりに呑みに

          〈それ〉がない日記㊸

          2020年(6年生)最終回

           世界の終わりは突然やってきた。  2月28日、子どもたちは号泣の中、学校を去っていく。本来ならばその涙は、ゆっくり過ごしながら3週間後に控える卒業式で流すはずのものだった。  いつもならば1か月かけて、いや、1年かけて、見方によっては6年かけてやってくるはずの卒業式。彼らの世界はそこにたどり着くことなく、突然終わりを迎えることになる。新型コロナウイルスだ。  子どもたちの心は、 「コロナだから仕方がない」 と、簡単に割り切れるものではない。  もちろん、子どもの安全を第一に

          2020年(6年生)最終回

          〈それ〉がない日記㊷

          20240229  あぁ、忙しい!あぁ、楽しい!そんな日々。  昨日はお稽古。私の役は「考えられない人」。全体を通して個人のセリフが5つしかないので気楽ではある。だいたい寝っ転がっていればいいし。なんせ、考えられないからね。  お稽古の前に「殺陣」を初体験。もちろん初めてなので「殺陣」みたいにはならないけれど。そして今日はいつもと違うところが筋肉痛でつらいけれど。  ところで最近、よく足をつる。つりそうになる。ちょっと調べてみると・・・原因は様々。自分にあてはまるかもし

          〈それ〉がない日記㊷

          〈それ〉がない日記㊶

          20240227  花粉が来ておる。まさに猛威をふるっておる。学級閉鎖よりも何よりも、花粉がひどい。  子どもたちも目をまっかに腫らしたり、顔にじんましんが出ちゃったり。ひどい。しかも風が強い本日、仕方なしに1時間目は体育。外です。5時間目は花屋さんから来たパンジーをプランターに移す。100以上。外です。  仕事が終わっておうちに着くころにはもはや後遺症のようにくしゃみが止まらない。鼻水が止まらない。たぶん2リットルくらいは出ている。色々と。  つくしちゃんを体操教室に連れ

          〈それ〉がない日記㊶

          2020年(6年生)⑥

          2月24日 クラスで卒業式「旅立ちの言葉」を練習。初めて歌も含めて通してやってみる。雰囲気はつかめたかな。歌声が頼りなかったのは、風邪やら花粉症やらのせい?それとも気持ちが乗っていない?いやいや、通してやってグッときたせい?いずれにせよ、もっとできる。今のままでは、卒業させられない。と、密かに昂る担任。 2月25日 国語は「海の命」最終回、主題を考える時間。1年間の学習のまとめでもある。最初の教材「カレーライス」で「主題ってなに?」ってところから入った子どもたちの「読む」。

          2020年(6年生)⑥

          〈それ 〉がない日記㊵

          20240226   インフルエンザが来ておる。まさに猛威をふるっておる。閉鎖1~2回は当たり前。なんなら4回目というクラスも出てきている。そんなん、今まであったかしら。  ゼロくんもお休み。熱もなく鼻水だけが出ている。あれ?花粉症?祝日にはしゃぎすぎたこと×花粉症=かぜみたいな感じ。つくしちゃんはひとり「なんで自分だけ行かなきゃいけないんだ」ってな雰囲気で登校。わかる。なんで私も働かなきゃいけないんだ。まぁ、働かずにはいられまい。  卒業まであと17日まで来ている子ども

          〈それ 〉がない日記㊵

          〈それ〉がない日記㊴

          20240225  なにやらゼロくんの調子がおかしい。鼻水ズルズルしているし、喉がいたいって。昨日、はしゃぎすぎたな。サッカーとモノポリーで声を使いすぎたな。すぐに風邪ひくゼロくんです。  今日は子どもたちをサイゼリヤとブックオフに連れていってあげるはずだったけれど、お預けね。  つくしちゃんを演劇のお稽古に連れていく。ついでに1人ブックオフに立ち寄って、つくしちゃんに「スパイファミリー4巻」と「妖怪アパート2巻」を、ゼロくんには「ドラえもんのサッカーがうまくなる本」を買

          〈それ〉がない日記㊴

          〈それ〉がない日記㊳

          20240224    久しぶりに晴れている。洗濯物もよく乾く。  たったそれだけでうれしいなぁ。  そして久しぶりに何も予定がない1日。ここ最近、ずっと忙しく、クルクルと動いていたのでやっとじっくり生活ができる。  朝はのんびり起きて(このせいで1日がとても短くなる)、のんびり朝ごはんを食べて(そんなことをしているせいで食べ終わった頃にはお昼)、ゼロくんとサッカーをする。  この冬からサッカーを習ごとにしているゼロくんは、ちょっとだけうまくなっている。でも、だから、調子に

          〈それ〉がない日記㊳

          〈それ〉がない日記㊲

          20240223  東京に行く。車に乗って東京へ。  妻子の用事(いきつけの整体にいくこと)のために、運転手として毎回かりだされるのだ。慣れたものだが往復3~4時間の無駄感は半端ない。本人たちはウトウトしたり本を読んだり折り紙おったり満喫しておる。  が、まぁ3人が整体をしている間はフリータイム。ここ最近の過ごした方はサイゼリヤ。ドリンクバーとピザとパスタをゆっくりいただきながらの読書タイム。今日は宇佐美まことさんの「月の光の届く距離」を読了。泣けてしまう。現実は小説よりも

          〈それ〉がない日記㊲

          2020年2月(6年生)⑤

          2月19日 学年音楽は作曲家先生をお迎えして「風の道しるべ」を。終わったあと、作曲家先生が、「この時間の中で2回くらいウルッときちゃった」と言っていた。「よくここまで仕上げてきたね」「代々、6年生の姿を見て、ああなりたいって思える土壌ができてるね」などとも。さあ、6年生。あと少し。がんばるしかないね!体育は持久走・縄跳びの最終回。YSがあと少しで「はやぶさ」ができそう。HK・RG、二重跳びまであとちょっと!余った時間のサッカーも楽しい。何度でも言うけれど、このクラスの体育の時

          2020年2月(6年生)⑤

          〈それ〉がない日記㊱

          20240221  そうだったそうだった。今日はお稽古があるんだった。夕方以降、猛スピードで生きていた。  昨日から一転、とにかく寒い。とにかく雨。つくしちゃんも鼻水がズルズル。いや、これは花粉か?私もくしゃみ多発。来てますね。これは。  だんだんと卒業に目が向いている子どもたち。学年で合唱練習したり、指揮者・伴奏者の練習をしたり。あと19日。19日!  ほとんど教室にはいない1日だったので、よく分からないけれど、本当に最近おだやか。みんな温か。このまま行きなはれ。このまま

          〈それ〉がない日記㊱

          〈それ〉がない日記㉟

          20240220   〈それ〉は昨日の夜に読んだ本に挟んだままだ。  恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」を夜な夜な読んでいた。朝はバタバタしているので、そんなことに気づく余裕もなく、あっ・・・と思ったのはお昼ぐらい。給食の肉みそおでんを食べているときだった。〈それ〉は結構、必要なのになぁ。  何やら今日は「凪」な1日。みんな落ち着いておる。卒業まであと20日と迫っていることが影響しているのかどうかは分からないけれど。学習中はもちろん、歌を唄うときも、休憩中の雰囲気も、よい。まぁ、何

          〈それ〉がない日記㉟