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しつこく鉛筆を「折れ!」と言われた結果。


1年生のすんちゃんが帰宅した直後に
学校から電話があった。

「もぅ聞いたかもしれませんが、すんちゃん、今日お友達の鉛筆を折ったんです。やれと言われてやったみたいなんですけど、『やれと言われたら何でもやっていいのか、やっていい事と悪い事があると話をしました。」

電話を切り、先生から聞いたことは特に言わず、
「何があったかママに教えて?」


無表情になった。

なんとか口を動かそうとしてるけど声は出てない…
久しぶりにチックも出てる。
凄いストレスを感じてるのは手に取るようにわかる。
お喋りのすんちゃんの様子がおかしい。今にも泣きそうだ。
でも泣きたくないんだ。


これは慎重に聞いた方がいい…


「大丈夫。ちゃんと聞くよ。」


「何て説明したらいいかむずかしい。」


「うまく話そうとしなくていいから、まず最初にすんちゃんが誰かに何か言ったの?」

「ちがう。鉛筆折れって言われた。」


1つずつ焦らず聞いた。
出来るだけノーリアクションで。


5分休みにA君の鉛筆を、
A君とB君にしつこく何度も何度も
「折れ」と言われた。


「やだ。」「やりたくない。」
と何を言っても、
「やれ!」「やれ!」「やれ!」
本人の体感では30回以上ずっと「やれ!」とだけ言われ続けらしい。

『やらないと終わらない…』
と思ったそうだ。
やりたくなかったけど、やらないと終わらないと頭が痛くなり、B君が鉛筆を机の先に押さえていた鉛筆をテコの原理で折ったらしい。
(ゼスチャーで教えてくれた)


折った瞬間、

「先生にいうから。」

と言って先生に言いつけ、すんちゃんが先生に怒られたそうだ。
何回も何回もやれって言われたと言おうとしたら、先生はB君に話し出したので言えなかったと。


更に、
「謝ったら許してくれるんじゃない?」と先生に言われて謝ったと。

【先生の電話】
A君は納得がいかなかったようで『いいよ』と言えなかったんです、それでもぅ一度謝ってもらう?という流れになり、すんちゃんはもう一度謝って、今日の所は『決着』をつけました。」



『決着?』



A君は普段からすんちゃんに暴力を振るう1人。
すんちゃん曰く、ジャイアン。
すんちゃんは彼に何を言っても話が通じないと言う。


すんちゃんは毎日のように自分は
『いじめ』られていると思っている。


殴ってくる子はC君。
先生に助けてを込めて言っても、C君は「殴ってない」と平気で嘘をつく。
先生は『殴ってない』と言う子を叱れない。
先生はあてにならないと思ったので、【大きい声でやめて!とかやめろ!って怒ってみる、パンチをキャッチする!】作戦を決行した。
結果、C君は泣いた。何故泣く。
疲れてるんか?悔しいのか?
どちらも先生にチクることなく解決したかと思いきや、このやりとりがまだ続いている。

D君は蹴ってくる。
昨日は眉毛辺りを殴ってきた。
D君は入学してすぐ仲良くなった。
因みにねーねの同級生の弟。
D君はすんちゃん曰く入学早々、A君とC君数人にいじめられていた。
すんちゃんは、D君がいじめられているのを見つけたらコッソリ近づいていき手を繋いで静かにその場から助けていた。それを嬉しそうに家でも話していた。そして、ターゲットはD君からすんちゃんに…よくあるイジメのパターン。



話終わった後、
「話してくれてありがとう。
 毎日殴られたり蹴られたり
 学校苦しいね?」

「ぐ、苦しい…」

大泣きした。
20分は膝の上で泣き続けた。


「がんばってるね。
 苦しいね。
 もぅ我慢しなくていい。
 あした、行きたくなかったら行かなくていいよ?」


「いぎだぐないぃー…」


暫く泣いた。



寝る前も泣いた。


泣き疲れて寝た。

暑いのに、
汗かきながら私の首にしがみついたまま寝た。

ヒクッと言いながら寝た。

殴ったのに殴ってないと先生にも親にも平気で嘘をつく子がいる事にガックリしただろうな。
結局殴ってた事、後からボロが出たんだけど。
その子は『自分もやられた事あったけどその子が怒られたら可哀想だから言わなかった。」と親に話したそうだ。
その時は『可哀そうに…』とおもったけど、冷静に考えてみたらその子もすんちゃんを殴っていたから自分が怒られるから言わなかったんじゃないかなとも思った。先生から謝罪の電話きたけど、日本人て『ごめんね。』に対しての返答は『いいよ。』の伝統があって。

結果、私もその伝統を重んじた。

「殴られたり、蹴られたりが無くなって穏やかに過ごせればそれだけで良いです。」と添えて。

保育園から小学生になり、あまりにも違う環境にどれだけストレスがかかっているのだろう。

今日までよくがんばりました。

「ママに話してたくれた時、何でずっと黙ってたの?」と聞いてみた。

「口が動かなくなったの。」

すんちゃんの口から初めてそんな表現を聞き驚いた。


「そっか。頑張って話してくれてありがとね。ママもダダもねーねもみんなすんちゃんの味方だからね。大丈夫だよ。」

また泣かせてしまった。
泣けて良かった。
ずっと学校の事では泣かずに頑張ってたもんね。
正確には『泣けない』と言っていた。
でも、今日やっと感情を出して泣けた。

明日は金曜日。
すんちゃん3連休だね。
まずは休もうね。



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