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2019年4月に読んだ書籍一覧

人生の勝算

最近はテレビ含めて各種メディア露出の機会が多い前田さんの著書です。(本当に失礼な話ですが)見た目はなんとなく今どきの若い経営者という感じで、それこそ当初はあまり良い印象はもっておりませんでしたが、講演会で実際にお話を聞いたことで印象が180°変わったことを今でも鮮明に覚えています。

家入さんが言っている通り、話し方や身振り、考え方や雰囲気等がとても男らしく、まさに人を惹きつける何かをもっている方ですね。

そんな前田さんの原点である幼少期からSHOWROOMの創業に至るまで踏まえながら「良い人生とはどう歩んでいくべきか?」という観点で書かれており、「人生の価値観、向かうべきベクトルを明確に持つこと=人生のコンパスを持つこと」がとても大切であると書いています。自伝的要素もあるのであまり変則的な読み方はせず、プロローグとエピローグを読んだら1章から順に読んでいくのがよいです。
今でこそ(女優さんとの関係含めて)一見華やかに見えますが、そこに至るまでには今の姿からは想像できないほどの、多くの苦労と努力と泥臭いことをこんなにも行ってきたのかと、ついつい自分に甘さが出てしまう時にこそ読み返したい本でした。


アフターデジタル

本書はビービットに所属している藤井さんという方とIT業界では有名な尾原さんという方の共著で、デジタルテクノロジー/オンラインの活用という考え方のその先(オンラインとオフラインの主従が逆転→オフラインは存在しなくなる)をアフターデジタルと称し、この分野で最先端を行く中国の様々な事例を元に解説しています。

今やリテールや物流・配送、フィンテックやデータ活用等様々な分野のマーケターにおいて、今の中国の躍進を知らない人はいないと思いますが、その多くはネットが主な情報源だと思います。私は2018,19年に2度中国(上海・杭州)に視察に行っていますが、やはり直に触れて体験した一次情報に勝るものはありません。しかしそれでも一般的な顧客として様々なサービスに表面的に触れることはできても、その裏側である提供者側の考えやそこに至るまでの社会的な構造・背景などを知ることはなかなかできません。
本書で取り上げられているサービス(配車アプリ、シェアサイクル、無人コンビニ、OMO型スーパー、決済)も、すでに知っているものが多いものの、それを提供する企業(アリババ、テンセント等)が、(一見するとたいして利益が出無さそうなものでも)どういった観点でそのサービスを運営しているのか、実際に担当者へのインタビューを踏まえながら本質の部分にまで迫って解説しており、非常に内容は濃いものとなっています。

読み方としては全4章のうち、特に1章の様々な事例と、2章での詳細説明は必ず目を通しておきたい部分なので、頭から順に読んでいくのが良いです。(いつも通り本文の前にあとがきを読みましたが、あとがきにはそんな人へ尾原さんからのコメントがあります。)


福岡市が地方最強の都市になった理由

3月に現市長である高島さんの著書を読みましたが、こちらは「まちづくりの専門家」の視点で福岡という都市がどのようにしてその存在感を表すようになったのか書かれています。会社経営同様に都市を経営するという視点に立つと、単純に人口の大小だけでなく、密度や構成を組み合わせてプラスを生み出しながら、マイナスを削減していくための効率的なやりくりが求められます。また、あくまでも民間が主体となり、行政はサポートに回るのが鉄則、他都市の成功事例(マスコットやグルメ等)を同じように取り組んでも成功はしない等、一見すると「まちづくり」という視点ではやってしまいがちな常識という事例を元に分かりやすく解説しています。

読み方としては全6章のうち、全ての章末にまとめページがありますので、まずはまとめだけをかいつまんで読んでみるとざっくりと全体像がイメージできると思います。
本書では「都市の未来は、与えられるべきものではなく創り出すもの」という言葉が一番印象に残りました。都市やまちづくりというものはあまりにも規模が大きく、(価値観が同じ日本人同士であっても)その中には多様な考え方を持つ人々が実際に暮らしています。
とはいえ、多様な利害関係があるからという視点で折衷案や妥協案を選ぶようでは、結果的に誰も幸せにならず都市は衰退してしまう…ということで、規模は違えど会社同様に、「誰かがやってくれるだろう」ではなく、そこに住む人それぞれが明確に「良いまちを作る」という視点を持つことが非常に大事なんですね。


1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法

考える=思考力」がテーマの本著ですが、「考える」ことがこんなにも奥が深くまた過酷なものだとは、普段から頭を使っていると思っていた自分の甘さを再認識することができました。
「考えるとは、概念の海に意識を漂わせ、情報と知識を分離・結合させ、整理する行為=意識を使って情報を整理すること」と著者は定義していますが、もう少し具体的に表現すると、以下のようになります。

考えるべき色々な問題や物事
(様々な事象が複雑に絡み合った状態)

①紐解きながら本質に迫ってコアな部分を明らかにする
(抽象化・概念化)

②細分化した状態から解決に向けた最も重要な因子を見つけて
そこに注力する

特に①の本質を見抜くという点において、著者ははあらゆるものを抽象化・概念化しており、確かにこれ以上無いくらいシンプルに本質を表しています。
 投資とは→価値と価格の差に賭けること
 企業とは→価値を創造するコミュニティ
 お金とは→外部化された信用
 人間とは→情報に吸着した意識の集合体
 仕事とは→才能を貢献に変える作業

本書は全3章ですが、1,2章で「思考力についての説明とその手法」を、3章では「(2020年以降の)お金・経済・社会・仕事」等の各見解について思考力を使って述べており、基礎(1,2章)だけでなく、応用(3章)の部分でも本書の半分のページ数を使って解説しています。

最後に、「考える」うえで、物事を分解・整理するための手法としてロジックツリーを紹介していますが、問題が1つ載っていたので紹介します。(とても難しいです…。)
問:Aに次の言葉を入れた場合、B~Mには何が入るか。
【少子化問題】【年金問題】
※各項目に定められた時間以内に解ければ合格とのこと。

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