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2019年1月に読んだ書籍一覧

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

GAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)について、それがどれだけの企業か、世界をどう作り変えてきたのか、そんな社会に対して我々はどう立ち向かっていくべきか、が書かれたものですが、如何せん読み辛かったです…。(文章の書き方が冗長というか、もっと簡潔に書けば400ページオーバーの本書も半分くらいにはなるのでは無いかと思うほど。)

「起承転結」のうち「承」の部分(第2~5章)は各企業についてどれだけすごいか細かく書かれているので、ここは飛ばして最後に読む方が本の全体像を掴みやすいです。
第1章で「概要」を掴み、第8章で「GAFAに共通する8つの要素」を掴み、第10章で「我々凡人ができること」を掴む、あとは章毎に読んでいく感じですね。


堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修業は必要か?

往復の通勤電車内で読めるくらいのボリューム感と、鮨職人との会話形式で書かれているので、ストレス無く頭から一気に読むことができます。
職人の人選も大きく影響しているかと思いますが、今までの鮨職人というイメージを覆すような方々ばかりでした。(豊洲への仕入れはマストでなかったり、LINEで仕入れ状況を確認したり、インスタでインバウンドの集客したり、元ラッパーなど異色の経歴があったり…。)

また、そのうちの職人の一人が、寿司職人=接客業⇒結局のところ人間力で決まる、という話をしていたことが一番印象に残りました。
技術力(目利きや仕込み、握り等)だけではNGで、カウンターで商売するための総合的な接客力が必要ということでした。(以前ホリエモンが「鮨屋の修業は無駄」という発言で物議を醸しましたが、これはまさに技術力だけではダメだよということを伝えたかったみたいです。)
結局のところカッツの理論でいうところの、テクニカルスキルとヒューマンスキルの両方が必要ということなので、このあたりは鮨職人に関わらず(大小あるものの)全ての職業人に通じるポイントだと感じました。


マーケティングの仕事と年収のリアル

巷では「マーケリアル」と呼ばれて各業界のマーケターの中で話題になりました。事業会社と支援会社それぞれの立場でのマーケターという視点で、タイトルの通りリアルな内容(出世や年収等)が随所に盛り込まれております。各章必ず事業会社・支援会社それぞれの視点で書かれていますが、内容が濃いのでまずは自分が今知りたい視点のみ頭から最後まで読み進める方が全体像をつかみやすいと思います。
ここまで凝縮された内容に仕上げるにはさぞ華々しい経歴を積んできた作者なのかと思いきや、意外にも最終学歴は慶應義塾普通部の中学校卒だそうです。(昨今世に出るマーケターは学歴から職歴まで華々しいものが常だったので…。)もちろん、学歴云々でなく当時から仕事して活躍されたからこそ、ここまで深みのある内容になったものと思います。

内容としては、マーケターとしての資質や能力だけではキャリアを築くことは難しく、事業会社・支援会社それぞれ求められている業務の本質を理解した上で、さらにいろいろな人間関係も考慮し築き上げていくもの、というもので、各キャリアステージ(見習いからスペシャリスト、ブランドマネージャーからCEOまで)で必要な心構えや特性、市場価値の上げ方を具体的に解説しています。
マーケターに限らずですが、働き方には様々なタイプやキャリアの積み方があるので、目の前の業務を愚直にこなすだけではなく、自身の特性と照らし合わせながらキチンとキャリアパスを考えて会社と付き合っていくことが良い人生を歩んでいくために重要だと痛感させられた一冊でした。


東京大田区・弁当屋のすごい経営

著者である社長の人柄が滲み出ている内容で、文章も平易にまとめられておりとても読みやすかったです。いろいろな書籍を読んだなかでも、ここまでいわゆる昭和的な経営を地で行っている企業は他にはないだろうというくらいで「大丈夫だろうか…」と最初は思いながら読んでいました。

毎朝4時から約50名のスタッフで調理をし、約90名のスタッフ・100台の電話・70台のFAXで受注をし(WEB受注は全体の1割程度)、約200名のスタッフ・約185台のワンボックスで、最高7万食を昼12時までに必ず届けるという、労働集約型の極限という事業ですが、三方よしを理念とする方針や日々小さなトラブルによる配達ルート変更・需要予測など、調理では積極的に機械化を進めてきたものの、やはり全てを人の手で臨機応変に行ってきたからこそ、そして創業者の想いを受け継いだ2代目(著者)が、「人」を育て上げてきたからこその結果であることがわかってきました。もちろん、AIをはじめとしたテクノロジーに疎いわけではなく、デジタルの分野含めて仕込んでいる最中ということで、今後どう展開してくのか楽しみな会社です。

また、巻末には第十二条まである「事業に失敗するこつ」というものが載っています。著者自身も出自がわからないそうですが、普通だと今まで書かれていることのまとめや成功するポイントを書きそうなところに、失敗するこつを載せるところがとても面白かったです。


結局、人生はアウトプットで決まる

言わずと知れた「Life is beautiful」というブログを運営している中島さんの著書。(日本語とオブジェクト指向という記事は一見の価値あり。)NTTからマイクロソフトに移り、アウトプットをし続けてきたからこそ得られたものを、アウトプットすべき内容や手法、心構えと共に書かかれています。
読み方として、まずこの本は「起承転結」のうち、ほぼ「起」と「承」に集約されています。「起」としてアウトプットの大切さをChapter1で、残りのChapterを「承」として[書く→話す→続ける]という流れで書かれているので、Chapter1以降は知りたいChapterから読み進めるのがおススメです。(私はいきなり最後のChapter6から読みました)

私自身、アウトプットの重要さに気づいてtwitterやnoteを活用しようと試みておりますが、「結局は自分の好奇心をどうやってくすぐってあげるか・自身に利害があるように仕向けられるか」、「(アウトプットするためにはインプットが必要だが)実はアウトプットし続けることがインプットに繋がる」という点が印象に残りました。
また、「話す」のChapterでは、私も一日本人として人前で話をすることはとても苦手意識があるなかで、「観客は未熟なプレゼンには寛容だが、何を伝えたいのかがわからないプレゼンを許してはくれない」という言葉は、今後様々な話す場面で常に心掛けたい言葉です。


仕事が麻雀で麻雀が仕事

近代麻雀という麻雀マンガ雑誌の連載コラムを3年半分まとめたもので、1テーマ見開き2ページで完結し、挿絵もついて頭からすらすら読み進められます。内容としてはタイトルの通り、麻雀における様々な出来事をビジネスでの局面と結び付け、1テーマにつき1つの「気付きや教え」を読者に提示しています。なのである程度麻雀のルールや用語くらいは分かっていないとイメージがしづらく頭に入りづらい部分もあるかと思います。

本書で印象に残ったことは2つ。1つは「自己管理と自己否定」。自己管理は言わずもがなですが、「自己否定」という良い時も調子に乗らずに第三者的に自分の姿を捉えることが重要であるという内容は、日々業務の最前線に立つ者としてはとても共感しました。
2つ目は「養分にする」という内容です。起業家には様々なスタイルの人間がいるようですが、その中でも著者が感じる共通点として「人から聞いた話を翌日には自分で思いついたように話す」というものです。これは私自身も感じる部分で、起業家ではありませんが上司や役員等、デキる人はその傾向がとても強いと思います。もちろん自分の中で咀嚼し自分の言葉で話すということは、どんな情報も貪欲に吸収する心構えがあってのことで、非常に見習うべき視点だと思います。


スタンフォード式 疲れない体

タイトル通りの内容ですが、「疲れを予防する+疲れを解消する」という2つの視点で書かれています。章立てはプロローグ→0章~4章→エピローグですが、0章で疲れのメカニズムを、1章と3章で予防を、2章と4章で解消について解説しています。まずはプロローグで全体像を把握しつつ、予防か解消かどちらか知りたい方から読むのがおススメです。(0章である疲れのメカニズムは興味があれば最初で、そこまでであれば最後でOK)

また、「予防」として1章では呼吸法・3章では食事術を解説しており、「解消」として2章では運動や入浴での回復方法・4章では日常の立ち居振る舞いやマインドについて解説していますが、正直なところかなり意識が高くないと、実践するのはハードルが高いと思います…。
とはいえその中でも4章は座り方や歩き方、ひいては吊り革の持ち方まで指南されており、すべてとはいかないまでも実践できそうなレベルのものがあるので、まずは4章から読み進めるのもアリかと思います。


医者が教える食事術 最強の教科書

本書で伝えたいことは「血糖値のコントロール」ただ1つです。肥満も老化も病気も血糖値をいかに理解し、コントロールするかが今後の人生に関わってくるということです。本書はまず「おわりに」から読むと、本書で伝えたいことが簡潔に理解できつつ、読む姿勢が変わると思います。

「はじめに」と「おわりに」を読んだら後は頭から順番に読み進めていけばよいですが、書き方は平易ですらすら読めますが実践できるか?という部分ではかなりヘビーだと思います。
その中でも私自身が簡単に取り入れられそうなものをピックアップすると、「水を1日2リットル飲む」「辛口の白ワインを飲む」「小腹が空いたらナッツ類を食べる」「夜は主食を取らない」という4点です。
水2リットルは血中の糖を薄めるということで、なんとなく悪いものが薄まるというイメージが持てました。ワインも血糖値を抑えられる、飲んだ方が逆に良いくらいにまで書いてあったので、小腹のナッツ含めてこれは実践できそうです。主食を取らないについては苦渋の決断ですが、主食に分類されるものはそばも含めてすべて血糖値を上げるものなので、まずは豆腐に置き換えて実践してみます。



メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

言わずと知れたメルカリの創業から現在に至るまでの苦難と成功を記録したものです。5年という短い期間の中でフリマアプリの市場を築きながら人々の購買行動を変え、自社をユニコーン企業(企業価値の評価額が10億ドル以上)にまで育て上げたということは並大抵の苦労と熱意では達成できることではありませんし、ましてや再現性のあるものでもありません。

本書は基本的にストーリー形式となっているので、始めから終わりまで順番に読んでいくことしかできませんが、登場人物(キーマン)がやや多く、頻繁に登場するので段々と誰が誰だかわからなくなってきます。本書はプロローグより前に主な登場人物として7名の顔写真が掲載されていますので、最初はこの写真を見ながら人物像を明確にしていくのが良いと思います。
本書はこの「人」にとてもフォーカスされて書かれています。様々な人財に網を張りながら定期的にコミュニケーションを取り、時間をかけながらここぞというタイミングで口説き落としていく。「人財に妥協しない」という創業者の姿勢は(前の段落で再現性は無いと書きましたが)再現とはいかなくても、スタートアップをけん引していくためには一番重要な要素であると再認識させられる内容でした。



鎌倉資本主義

面白法人として有名なカヤックを創業した柳澤さんの著書です。現状の資本主義が直面している課題(環境汚染・格差拡大)に対し、「面白さ=多様性」を掲げているカヤックが、地方創生という切り口で課題を解決しようと行っている様々な取り組みを中心に書かれています。
特に今の企業は「何をするか(=どうやって儲けるか)」にフォーカスしがちですが、そこに「誰とするか」「どこでするか」という行動指針を加えることで中長期的な豊かさ(従業員のみならず会社のある地域含めて幸せになる)を求めていくという地域資本主義(⇒カヤックの場合は鎌倉資本主義)というアプローチは、とても魅力的です。

この本は基本的に頭から読み進めていくことが良いと思いますが、他の本にも共通する読み方として、「おわりに」だけは「はじめに」の次に読むと本の概略を把握することができるのでその後の理解が変わってくると思います。
特に印象に残った内容としては、「大人になるほど"仲良し"とあまり言わなくなるが大人こそもっと使うべき。世の中の大抵のことは"仲良し"になれば解決すると信じている。」というものです。どんなにテクノロジーが向上しようとも、社会が発展しようとも、(特にここ最近はリアルのコミュニティやサロン等が多く作られているように)結局人は人と繋がることが一番の幸せになるということを”仲良し"ととても平易な言葉で表したところがさすがだなと思いました。



1月はちょうど10冊の本を読むことができましたね。本は読み方を工夫するだけでその理解度やスピードが変わってくるので、書評や要約という視点では他の方にお任せをして、なるべく私独自の視点で今後もアウトプットしていきたいと思います。



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