見出し画像

Withコロナの中小企業の人事評価

クラウド・シップのリリース説明会をZoomのウェビナーを使って、6月以降開催しております。

リリース説明会では、クラウド・シップの機能や期待される効果だけではなく、そもそも今の状況では、どのような人事評価が大事なのか?コロナ禍でも役立つ人事評価についても前段の10分くらいでお伝えしています。その中のお話を今日は記事にしてみます。

人事評価を止めるな!

画像6

ウェビナーの各回でこんな質問をしています。

「いま現在、コロナ禍でビジネスルールが変わったり、業績の下降を理由に、人事評価を一旦ストップした経営者の方、Zoomの『手を挙げる』を使って、挙げてもらってもいいですか?」

おおよそ3割の方々が手を挙げます。

「評価はしているが、これまでの評価を、見直さなければならないと思われている経営者の方、手を挙げてもらってもいいですか?」

おおよそ5割の方々が手を挙げます。

そこでお伝えしているのは「決して、人事評価は止めないで下さい」ということです。「いま定量的な評価が難しいのは分かりますが、評価を止めるということにはなりません、『仕事のルールを変える』ことを定着させるため、定性的な目標でもいいので皆さんで取り組んでみてください」と伝えています。先日、ある企業で社員の方々とオンラインミーティングをした後に、googleフォームでアンケートを取ったところ、こんなコメントを目にしました。

「リモートワークになって、8時間机に座って集中するのは難しく、割り振られる仕事の量が減ると、考える時間が増える一方で、仕事のやる気が1%くらいに低下しました」

仕事の意味を社員の方が自らに問うようになると、凄く悩んだり、1人でいることで思考が堂々巡りして、仕事の有意味性を損なうようです
そこで今回は、「評価を止めるな!変化と行動とフィードバック」で仕事の意味を働く人が感じてもらえるようなステップを少し今回の記事でお伝えします。


これまでの変革アプローチ

計画的に未来を描く場合、または財務・収益の危機的状況から脱する場合、①現在起こっている問題点を経営のトップ層が認知し、②その結果を生み出した過去の原因を分析します。そして真因を掴み、最後に③将来のあるべき姿を描き、解決策や達成の施策を描き、KGI-KPIに落し込みます。

画像1

これは過去-現在-未来という時間軸で、連綿と原因-問題発生-課題解決の連続性があり、いわゆる原因と結果の法則が前提としてあります。


いま求められる変革アプローチ

しかしコロナ禍により、現在起こっている問題は「過去」から切り離され「いまここ」での課題解決が求められています。

画像2

例えば飲食業や服飾・宝飾小売業などをイメージすると、来店客数の減少→売上ダウン→固定費は変わらない→営業赤字→給付金で賄えない→経常赤字という現在の問題点を、過去を遡っても原因は出てきません。振返っても「なぜ、もっと前からWeb販売を強化しなかったのか」とか後悔が出てくるばかりでしょう。
「現在起こっている事」は「過去に原因」はなく、連続性が断絶されていますので、フィードフォワードの発想で「どう在りたいのか、どうすべきか」未来への具体的解決策を描いた方が良いと考えます。


ジョン・P・コッターの「8段階の変革プロセス」

ジョン・P・コッター氏の「企業変革力」から”8段階の変革プロセス”を引用します。

平時であれば「①危機意識を高める」、「②変革推進のための連帯チームを築く」というステップを定石としては踏んでいきます。

画像3

しかし今はどうでしょう?社員の皆さんの「何か行動を起こさなければならない」、「リモートワークを続けよう」、「オペレーションを見直そう」等の意識は高くなっていませんか?多くの組織の場合、経営陣、社員共にコロナ禍で一つになって変わっていこうという気概や風土は既に高まっているのです。
よって経営陣としては「③ビジョンと戦略を生み出す」ことで、社員がベクトルを合わせて進んでいく道筋を示していくことが大事です。


チャレンジは心理的安全があってこそ

変化・変容に対して、何が障害になるかというと「社員の皆さんの心理的安全の低さ」です。人は不思議なもので、何か変えていかなければならないと「アクセル」を踏んでいるつもりでも、一方では心の中でブレーキを踏んでいることがあります。例えば現在、人事評価でよく耳にするのは

「定量的な結果で評価されるのは怖い」
「今まで通りのKPIを求められても、その結果を生み出せるか不安」
「いまのオペレーションで社員の健康、安全を守れるか不安」・・・など

例えば住宅販売、建設を例にとるとこういうことです。

画像6

画像5

新たなビジネスルールのもとでKGI-KPIを確立するまで、定量目標は棚上げして「変革型の定性目標」を設定し、社員の皆さんで取り組んでみてはどうでしょうか?(情報サービス業、採用ビジネスなどは伸びているケースがあるので、通常の定量目標(より上がる場合もある?)で良いと思います)

中小企業で取り組んでいる例としては下記のようなものがあげられます。

営業部門:オンライン営業でリードを●件獲得、オンライン営業の商談を●件以上獲得、オンライン営業での受注●件、ベストプラクティスからオンライン営業マニュアルを作成、導入事例を●件作成・・・
プロダクト部門:オペレーションマニュアルを●ヶ月以内に作成、スキルマップを●ヶ月以内に作成し、スキルマップに基づく教育計画の策定・・・などこれまで時間がなく取り組めなかったことを仕組み化する流れもあります
総務・経理部門:リモートワークの実施率、情報セキュリティのマニュアル改訂、リモートワーク時のチームマネジメントのツール選定と導入・・・などコロナ禍でも社員が安心して働けるための仕組みづくりに取り組む企業もあります。

余談ですが2011年3月の東日本大震災の折、私はNBCの仙台支社にいました。その時、たまたま役員がセミナーで仙台にいて数日間東京に帰れなくなりました。オフィスは棚や本が倒れ途方に暮れていましたが、率先して役員がそれをしまっていく姿、その行動を見ると、「気落ちしている場合ではない!」と思いサクサクと片付け、終わった時には気持ちが晴れやかになりました。

この例でお伝えしたいのは、「結果」を求めるより、「変化・変容」を求めて行動を起こし、達成・実現できる目標に取り組み、一つひとつ仕組みや体制が変わってくると目に見えて会社の変化を社員の皆さんも感じられるので、目標と評価の在り方をこれまでと少し変えてみてはどうでしょうか?ということです。

画像7

7月に経営計画発表会を行い、新たな人事評価制度のもと社員の皆さんで目標設定に取り組んだ企業様がございましたが、評価者の方々からこんな声を頂きました。

普段、物静かに斜めに構えている社員なのに、面談をしてみると、コロナで従来の得意先の業種は大きく影響を受けているので、●という商材を強化したいため、■と▲という業種からアプローチしようと思っています」とか
「●という商材は売上になるまで■ヶ月かかるので、評価期末の目標達成に必要な受注を▲月までにやります。」という別の社員の声。
(評価者の)自分が思っている以上のことを、部下が考えて発言してくれるのを見て、こんな厳しい時期ですけど、人事評価の目標設定の面談やってよかったです。」

1on1は一過性にするのではなく、続けていくためにもクラウド人事評価を活用して、コミュニケーションの頻度を上げる仕掛けを作ってみるのも一つです。

チャレンジと心理的安全の確保はセットと、昨今よく言われていますがまさにその通りだと思います。まだ8月ですので例えば下半期の目標設定などに活かせますので、変革型の定性目標を全社で推進してはいかがでしょうか?定性目標の評価の仕方は・・・また別の記事でお伝えします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?