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アンラーニングできるか、否か

アンラーニング(unlearning)という言葉がある。
「今まで学んだ知識や既存の常識をいったん意識的に捨て去り、
ゼロベースから新しく学び直すこと」と一般的には言われており、
個人的には新たな文化に交わる時にこの学習棄却を行う必要性を感じる。

また、学習棄却と同時に大事な事として、学び直し(relearning)
という側面において、組織の変化に伴う自分自身の変化の過程で、
知識経験のアップデートは必須だと考えております。
複雑性の高まっている昨今の世の中においては、
「変化できること」それ自体が組織人としてのアドバンテージの
一つとも言えるかもしれないと私は考えます。

私は転職を複数回行ってきて、それぞれの会社でも変化の激しい
状況の中にいたので、常に学習棄却と学び直しの連続ではありましたが、
この再度、学習するという環境下に身を置くことで、
自分の忘れるべきポイントや成功体験の転移もできると考えております。

私は、忘れるべきポイントとして、文化や慣習の側面があると考えており、
「その組織だからできること」というポータブルでない要素に関しては、
さっさと忘れるべきだと考えています。
「前の会社のルールでは〜ができたのに」というのは、今の会社では
通用しないことで、自分自身がルールを変えられるならいいのですが、
変えられないのであれば、ただの無駄な愚痴です。
つまり、さっさと忘れた方がいいです。

逆に、達成に関する成功体験においては、成功体験自体は忘れ去っても、
成功を生み出す為の骨組みとなる思考の過程に関しては役立ちます。
自力が行った要素が多く、再現性高く仕事をしていれば、
どこの組織に行ったとしても、ポータブルな要素として、
独自の価値を生み続けると考えております。

これは組織の側面としても言うことができ、
変化に強い社員が存在する(つまり耐性がある)場合においては、
従業員のモチベーションやエンゲージメントを高める要素にもなりえます。

結果的に、現在は未曾有の状況が世界を取り巻いていると思いますが、
この状況を終えた後に、日本は本当に強い国になっているのでしょうか。
もしなっていないとするのであれば、働いている人がアンラーニングが
できていないというのも一つの要素として挙げられると考えており、
変化に対しての抵抗が存在するこの国は、また一歩世界から置いてきぼりに
されるのではないかなと危惧しております。

私個人としての考え方ではありますが、優秀な人材は旧来の組織から
成長著しい組織へ移動するべきだと考えており、終身雇用と言うのは、
仕組みとしてはよくできているとは思いますが、現実と照らし合わせると、
持続可能でない社会制度ではないのかなと考えています。
その為、成長産業に移動することがこの先に存在するのであれば、
アンラーニングできること自体が価値を生むのではないかなと考えています。

私は変化を楽しいと思うことができて、
真逆で、変化することが怖いと思う人がいるのも事実だと思いますが、
経済的な付加価値を生むということは、今までのサービスとの差分を
用意して変化させることであり、定型的な仕事しかできない方については、
大体となる手段に置き換わっていくのではないかなと考えています。

そんな時代の変化に取り残されないよう、自分自身が変化の中心にいて、
自らをアップデートできることが重要なのかもしれません。

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