記事一覧
読書感想文『アクロイド殺人事件』
アガサ・クリスティ『アクロイド殺人事件』
松本恵子 訳
アガサ・クリスティは『そして誰もいなくなった』しかちゃんと読んだことがなかった。
名探偵ポワロシリーズは、映画でオリエント急行殺人事件を観たけど小説は読んでおらず、一応ミステリ好きを自称しているのによろしくないなと思っていた。
というわけで今回はポワロシリーズからアクロイド殺人事件(アクロイド殺し)を読んでみた。
※順番は全く考えず、前回
読書感想文『硝子の塔の殺人』
知念実希人『硝子の塔の殺人』
ミステリのフルコースみたいな小説。ミステリについての論文をミステリ風に書きましたと言ってもいいくらいの情報量。笑
私はミステリーオタク…マニアを名乗れるほど読み漁れてはいないが、綾辻行人の館シリーズ、島田荘司の御手洗潔シリーズ、アガサクリスティのいくつか、ポーのいくつかは読んだので、何度も繰り出されるミステリ談義も楽しく読めた。
もちろん未読の作品もいくつも出てきて
読書感想文『アマテラスの暗号』
伊勢谷武『アマテラスの暗号』
いつも読んでいるミステリーとはかなり趣向が異なる作品。
Kindle Unlimitedで上の方に出てきたので読んでみた。
ジャンルで言うと歴史ミステリー…になるのだろうか?
ひとつだけテーマをつけるなら「宗教」の話、かなぁ。歴史と宗教と、政治も少し絡んでくる感じ。あとは、「日本人がどうあるべきか」。(ひとつだけじゃないんかい)作者が伝えたいのはこちらかなと思う。
読書感想文『異邦の騎士』
島田荘司『異邦の騎士』
占星術殺人事件、斜め屋敷の殺人と御手洗潔シリーズを読んできて、こちらが3作目。
ただ、異邦の騎士が島田さんのはじめて書いた小説らしいので、書かれた順番としては一番早い。
時系列的にも、たぶん一番最初だと思う。(違ったらすみません)
島田さんもあとがき(初小説だが、出版は書き終えてから9年後)で上のように書いている通り、暗くて悲しい話。占星術と斜め屋敷からして、コミカルな
読書感想文『虚無への供物』
中井英夫『虚無への供物』
今まで読んだミステリー小説の中で紹介されていることが多く、気になったので読んでみた。
初版の刊行は1964年、舞台はさらに遡って洞爺丸の海難事故があった1954年-1955年。
70年前!なので言葉遣いは古めで、辞書に載ってない言葉も出てくる。
序盤、ゲイバー『アラビク』でのおキミちゃんのセリフ、
「あーらアリョーシャ、しばアらく。あたしのサロメ、見てくだすって?」
読書感想文『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』
中島聡『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』
ビジネス書を何か読もう→Kindle unlimitedにいいのあるかな→タイトルに興味を持った、という経緯でこの本にたどり着いた。
この間『エッセンシャル思考』を読んだから、なんとなく似た雰囲気を感じるこの本に目がいったのかもしれない。
作者は元マイクロソフトのすごいエンジニア。(すごいってなんだよと自分でも思うが、Windows95を作ったりし
読書感想文『奇面館の殺人』
綾辻行人の館シリーズ、全10作予定のうち9作目。10作目はまだ出ていないらしいので、現時点での最新作のようだ。
鹿谷門実が最初から最後まで大活躍で、私としては大満足。
作者のあとがきによると、鹿谷門実(島田潔)が視点人物の1人になるのは本作がはじめてらしい。
言われてみれば確かに、今までは河南など周りの人物の視点から、変わり者として描かれるケースばかりだった。
鹿谷の視点に立ってみると、意外とマ
読書感想文『エッセンシャル思考』
グレッグ・マキューン『エッセンシャル思考』
以前どこかで勧められているのを見て、読みたいと思っていた本。
最初のほんの数ページで、グサグサ刺さった。
私は仕事でいつも仕事を引き受けすぎてしまってキャパオーバーになり、残業でどうにかしようとしてしまう。
全部ちゃんとやらなければと思って、手の抜きどころが分からない。
作者は下記を3つの真実としている。
「やらなくては」ではなく「やると決める」
読書感想文『びっくり館の殺人』
綾辻行人『びっくり館の殺人』
館シリーズは十角館から順番に読んでいて、暗黒館で一段落したので(自分のなかで)御手洗潔やらワシントンポーシリーズを挟んでいましたが、続きを読みはじめました。
館シリーズは1個も読書感想文書けてなかった、、悔やまれる。
びっくり館は今までの館シリーズと毛色が違いました。
①タイトルが漢字じゃない。びっくり館ってなんか…ポップ。
②ボリュームが少なめ。1日で読み終われ
読書感想文『キュレーターの殺人』
M・W・クレイヴンの、ワシントンポーシリーズ3作目。
今回は、気になったところをKindleでマーキングしながら読んでみた。正確にいうと、いつもポイントになるところはマーキングしていたが、今回は「実は重要かも」と思う疑惑の箇所にもマーキングした。
いつも、もしかしてこれが伏線!?と思いながら読んで、あたっていても違っていても、どこだったっけ…となってしまうので。
結果、私がメモった箇所はほと
読書感想文『ストーンサークルの殺人』
M・W・クレイヴン『ストーンサークルの殺人』
海外の小説を読んだのは久しぶりでした。
昨年夏頃に、ポーの『黒猫』と『モルグ街の殺人』を読んで以来で、2022年に読んだ小説はそれ以外全部日本の作家だったはず。
なので現代の海外作家の本を読むのは本当に久しぶりでした。
読んで感じたのは、やっぱりニュアンスを正確に感じ取るのが難しいということ。
ん?この表現どういうこと?と思って、その先を少し読
読書感想文『斜め屋敷の犯罪』
作:島田荘司、御手洗潔シリーズ2冊目(あってるかな?)。
今回もトリックは凄い。
前作同様、作中で『私は読者に挑戦する』、材料は完璧に揃っていると煽られますが、
流石にわからないってーー!と言いたくなります。いや、分かる人もいるのかなぁ。
犯人はなんとなく分かる(それっぽい描写がある)が、殺し方が全く分からなかった。
種明かしの時のスッキリ感がやっぱり病みつきで、これだからミステリーはやめられな
読書感想文『占星術殺人事件』
島田荘司『占星術殺人事件』
私は綾辻行人の館シリーズを順番に読んでいて、いま暗黒館まで読み終わったところだ。
この館シリーズで探偵役を務めている「島田潔」が、島田荘司と彼の作品の探偵役「御手洗潔」から名前を貰ったことをあとがきか何かで知ったので、聖地巡礼がてら拝読しようと思い、今回ようやく手に取った。
まず感想としては非常に読みやすかった。
事件に関係した人物の手記の章と、謎解きをする「今」
読書感想文『ある男』
平野啓一郎『ある男』
読んでいて苦しくなる小説でした。
登場人物が可哀想だからではありません。
私がずっと、無意識的に目を背けていたものが、はっきりと描写されていたからです。
それは嫌韓意識であり、死刑制度であり、血縁についてでした。
読みはじめて最初の感想は、「セリフの最後に句点を打つ作家なんだな」でした。
セリフが、『。』で終わる。つまり「こんにちは」ではなく、「こんにちは。」と書いてある