読書感想文『斜め屋敷の犯罪』

作:島田荘司、御手洗潔シリーズ2冊目(あってるかな?)。

今回もトリックは凄い。
前作同様、作中で『私は読者に挑戦する』、材料は完璧に揃っていると煽られますが、
流石にわからないってーー!と言いたくなります。いや、分かる人もいるのかなぁ。
犯人はなんとなく分かる(それっぽい描写がある)が、殺し方が全く分からなかった。
種明かしの時のスッキリ感がやっぱり病みつきで、これだからミステリーはやめられない。

御手洗の登場が遅い(小説の6割以上過ぎたところで出てくる)ので、前半焦らされました。
「まだかなまだかな〜」とサンタさんを待つ子供のようになってしまった。
前半も面白いんですけどね、特に英子とクミのやりあいなんかは。こんなバッチバチの女の戦い、現実ではなかなか無いよ!それとも私が穏やかな世界に身を置きすぎてて知らないだけ!?もしくは平和主義な時代のせい!?
ちなみに私はどちらかというとクミに肩入れして読んでました。

御手洗が出てからのテンポは本当に最高。
空気読めない、嫌味な御手洗、大好きです。
石岡の苦労が手に取るように分かって笑ってまう。

特に好きなシーンを抜粋してみる。
ネタバレにはならないはず。

御手洗と石岡がそこにいることに気づかずに英子とクミが言い争いをはじめ、終わった後で英子が2人に気付き、英子が「見てたの!?」と咎めるシーンです。

非常識な友人は持つものではない。私の横にいた男は、そこでまったく人間として信じられないような言葉を口にして、それまでの私の努力をあっさり無駄にした。 
「その……、どちらが勝つかと思いまして……」

最高すぎる!
もっと見てたい!

御手洗潔シリーズ、制覇したいです。
一気に読んでしまうのも勿体無いので、次はワシントン・ポーシリーズを読もうと思います。

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