カラーテレビの普及とサイケデリックロック
ふと思ったのですが、ビートルズの最初の頃の映像ってみんなモノクロですよね。アイドルバンド扱いされていたころの映像って殆どモノクロじゃないですか。それって多分当時カラーテレビがほとんど普及してなかったからだと思うんですけど、でもそれがある時期からカラー映像がメインになっていくじゃないですか。音楽的なイメージ的にも同じようもんで、デビューからまぁ『ラバー・ソウル』あたりかな。適当ですけど私はこの辺までのビートルズにモノクロのイメージを持っています。モノクロでスーツなんか着て礼儀正しく歌っているまさにアイドルのイメージですね。だけど『リボルバー』はちょっとモノクロっ感じがするけど『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』になると音楽もビジュアルも完全にカラーのイメージですよね。ビジュアルは勿論、音楽もこれでモノクロなんて考えられないでしょう。
と、ここで私はふと考えたんです。もしかしたら『サージェント・ペパーズ~』のあたりでカラーテレビが普及し始めた事と関係あるんじゃないかって。それは他のバンドも同じだと思うんです。試しにYouTubeなんかで60年代のロックを検索してみてください。ビートルズもストーンズもフーもみんなスーツ姿の頃はみんなモノクロ画像なんです。音楽も同じようにモノクロのイメージです。なぜみんなスーツを着ているのかと考えますと単にその頃はスーツが一番カッコよかったのか。あるいはスーツの方が映像的にモノクロ映えするからなのか。それは思い付きでこの文章を書いているだけの私にはわかりません。その彼らだってビートルズとほぼ同時期にスーツから派手な衣装にチェンジして音楽的にもカラフルになっていきます。ましてや『サージェント・ペパーズ~』以降雨後のタケノコのように出てきたサイケデリックのバンドなんて格好も何もかもみんなカラフルじゃないですか。どうしてみんなしてある時期を境に変わったのか。やっぱりカレーテレビの普及原因があるんじゃないか。私はそれを確かめるために軽くwikiでチェックしてみたんです。
このwikiによると1965年の前半時点ではアメリカでモノクロが主流でカラーはさほど普及してませんでした。だけどその年の後半から急激にカラーテレビが普及するんですよ。それはビートルズが『ラバーソウル』から『リボルバー』を出した時期に見事に重なります。カラー映像は確かに映画の世界では戦前から普及してましたし、『風と共に去りぬ』なんてテクニカラーの名作があります。ですが映画は当時ですが、あくまでも映画館でなくては観れないものでした。つまりカラー映像なんて特殊な場所でしか見れなかったんですよ。少なくとも1960年代中頃の時代ではカラーなんて家ではまず見られないものだったわけです。
だけどそれが1965年末頃からテレビさえあればカラー映像は家でも手軽にみられるようになったのです。つまり生活も急にカラフルになっていったのです。その時代の衝撃ははるか後世に生まれた私にはわかりませんが、やっぱり衝撃的な事だったんじゃないかと思います。と、ここで私は思うんです。この生活の変化の影響はロックに反映されていないわけがないと。あのサイケデリックロックの誕生だってカラーテレビが大いに貢献しているんじゃないかと思うわけです。テレビ番組もカラー化してかなり変わったので、音楽だって当然カラーテレビの影響を受けているはずです。モノクロで見ていたテレビの映像が現実と同じようにカラーになった。きっとそこにいろんな驚きがあったでしょう。ロックは時代の音楽です。だから世の中の変化に素早く対応するものなのです。カラーテレビがもうメインなのにいつまでも鯱張ったスーツなんか着ていられるかって、ビートルズを始めとしたバンドは思ったはずなのです。だから彼らはカラーテレビが普及したのを機にスーツを脱ぎ棄てて思い思いの衣装を着てカラフルなサイケデリックロックへと向かったのです。と何の根拠もない締めを書いた所でこの酷い記事を終わりにします。