見出し画像

歴史のIF:本能寺の変

 信長の再三にわたるいぢめに光秀もとうとう堪忍袋の尾が切れた。彼は本能寺にいる信長を殺そうと兵に号令をかけようとした。だがその時信長の顔を思い浮かべたのだ。この万年バイトのジジイを採用してくれた信長。そしてそのバイト上がりの自分を正社員にして幹部にまで引き上げてくれた信長。金柑を塗っても毛は生えないからゆずを試してみろと笑顔でアドバイスしてくれた信長。そんな信長のために必死で働いた日々。光秀は信長と過ごした日々を思い出し、謀反を起こすのをやめると、もう一度信長を信じて仕えたのであった。

 しかし光秀は信長はもはや完全に典型的なブラック企業の社長になってしまい、過去の優しい信長とは完全に別人になってしまっていることに気づかなかった。ブラック信長はもう完全に調子に乗ってさらに光秀をボッコんボッコんにいぢめた。そしてとうとう光秀はそのあまりにも苛烈ないぢめに耐えられず遺書を残して首つり自殺してしまった。

 さて光秀が首吊り自殺をした事が世に知れると一斉に信長批判が起こった。信長はうるせいや!このカス!バカ!ハゲ!と周りのものを罵り何故かまた本能寺で泊まったのである。翌日信長は起きたが、寺はすでに秀吉の軍勢に取り囲まれていた。信長はみんなに遣いを送って助けを求めたが、みんな信長のブラック社長ぶりにはうんざりしていたので誰も助けには来なかった。信長を打ち取ると秀吉は早速その首を光秀の前に置いた。そして秀吉達はしばらく光秀の墓を拝んでいたが、ふと墓を見ると墓石から水が溢れてくるではないか。一同これは光秀の涙かとみんな思ったが、良く見ると墓の後ろから前田利家ことただの柴犬がしょんべんをひっかけていただけだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?