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東雲そら
2022年2月24日 00:03
朝が怖い。本に記載されていた、自分には理解が及ばない文字列。きっと、僕はさして痛みを知らないのだろう。気付かないうちに多くの人によって守られているのだろう。前進に伴う痛みと、現状を維持するための痛みは違うのだ。おそらくは。僕は前者しか知らない。もしかしたら遠くない未来、僕も朝が怖くなるかもしれない。写真が好きなあの子からムラサキ色した空が送られる。ストーリーにアップされない、個別チャットで
2020年5月13日 19:03
朝の4時。LINEの通知音が鳴った。バイブを消していなかったかと後悔しながら表示された送り主を確認した。ああ、あの子か。あの子と言っても同級生だ。変わり者と揶揄されて未明の夜空を撮ることに定評がある女の子。大体の人は彼女を嗤う。変なやつ。不気味。近づきたくない。前髪は目にまでかかり、少し青白い不健康そうな肌が目立つ。それにお昼休みはあまり話さず、狂気性を孕んだ純文学を読んでいる。
2020年6月28日 15:13
「今日はブルーアワーん撮る気分じゃない。」夜明けを待つ時刻に君から届いたメッセージ。「どうして?」僕の返信にすかさず答えた。「わずかな時間に空を占めるブルーアワーの色が好きだったみたい。」「うん。」「無理して早起きして仰ぐブルーアワーが好きだったみたい。」「うん。」「無理して早起きしてわずかな時間、集中して撮るより好きな習慣ができたみたい。」「それは何?」少しの間、と言っ