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牧野 一志
2024年7月5日 11:38
一塊に身を潜め無明を飛翔するあなたは此岸に降り立つ 月明かりの砂丘に目覚めた佳人の緩やかで誇らしい歩み 見上げた無辺の星空に再びの変転を映し出す
2024年4月29日 11:59
夏に白石川の「六本松」で、よく泳いだことを思い出した。その上流の右岸から流れの一部が隧道に取り込まれている。その隧道が江戸時代に作られたことを、小学生時に教わった。 後に、資料で江戸時代後期に、白石城主片倉氏の家臣であった片平観平親子が中心となり、私財を投じ、十年がかりで隧道を完成させたと知った。 その隧道は、白石城跡の西側で、二方向に分かれる。一方は館堀川として城山の内堀のように北から東、
2024年4月29日 11:52
窓辺に佇むマダガスカルジャスミン白い花を蔓の先へ次々と咲かせ香りをそっと放し続ける 初夏の青空に香り立ちそれでも故郷は遥かに遠い
2024年3月15日 14:17
川裏の草むらに腰をおろし青空を見上げ覚えたばかりの (‥‥君が袖振る) を呟く 晴れやかな心地のまま湧き上がる希求はうねりまだ形づくることもなく彷徨う
2024年3月12日 11:41
ふいに朝日が差してきた昨日とはちがって そうだ、低く巡っていた太陽がやおら背を伸ばし隣家の屋根を越えてきた 窓際のサツキやゼラニウムも気が付いたらしくいつの間にか花を咲かせている 陽は春のオープンを告げたばかり
2024年1月9日 14:05
ダイヤモンドダストがキラキラと流れ連なる微かな響きはオレンジ色に灯るロッジのつららがそっとハグしあう音
2023年12月31日 15:14
出勤時、ビル風に遭遇したときにふと思い出した。 かって、子どもたちがワイワイと日が暮れるまで遊んでいられたころを。近所の子どもたち、下は5、6歳から上は10歳くらいまでの男女、といっても男子は男子だけ、女子は女子だけで遊んでいた。男子は、近所の広場だけではなく、裏山などの斜面や里山の細い道を探検気分で遊んでいた。そのような時に吹いてくる風は、子どもだちの声を遮ったり、投げたボールを逸せたり、
2023年12月20日 12:31
夜8時発の特急に乗る。翌朝の会議に出席するための前乗り。1月は積雪も多く、鉄道の運行は心強い。新得駅で札幌行きに乗車すると、間もなく動き出した。窓外は、車内の明りが積雪を次々に流れるように映していく。自販機で買った熱い缶コーヒーを飲むと、温かさが身を包んでくれる。車内の暖房もあり、ホッと一息つき、間もなく心地よさでウトウト。広内信号場はもう過ぎたのだろうか。上り坂はまだ続くのだろうか。列車は軋
2023年12月20日 12:14
あの日の峠では多くのトラックがペケレベツ岳を横切るときにトナカイ橇のようにそっと飛ぶらしい クリスマスの夜は歓喜の歌に満ちた清水の町から峠を超える照灯が稜線に連なり見える
2023年12月20日 12:09
夜半の水平線に雲が湧き雷鳴が静寂を突き破る 西風が潮を蹴り風車の櫂を漕ぎだす 眠りに落ちた海辺の町をやがて嵐が通過する
2023年12月14日 12:47
見上げれば視界は満天の星 酷寒に輝く北極星はカイラスの空にも在り 一隅の祈祷旗を照らしただ示すのみ人知れず風にたなび続けるを
2023年12月14日 12:15
つきさっぷあおいあおいよるこがらしのつきさっぷふさふさしっぽのきたきつねみあげたきんいろひとみにりゅうせいぐん
2023年12月13日 12:52
丘陵を雲の影が駆け羊は黙々と草を食む 鴉は翼を広げ風に乗り旋回しながら界隈のお社を遥拝す 空高く渡る陽は遍く四方に降り注ぐ
2023年12月13日 14:04
木枯らしが背後から肩先を軽く踏み越え鱗雲の空高く翔け上がる 集く虫の音にふと見渡せば揺れるすすき野原が遥かに続くただひとときの秋