牧野 一志

詩作のほか、分野を問わず音楽を聴くことが好きです。読書も時々します。よろしくお願いしま…

牧野 一志

詩作のほか、分野を問わず音楽を聴くことが好きです。読書も時々します。よろしくお願いします。

マガジン

  • HzVerses

    詩と曲との干渉を楽しんでいます。ことばの少し砕けた感じを、ささやかな息抜きとして聴いていただければと思います。

  • 流転の宴 (るてんのうたげ)

    身近な自然と日々の生活で感じたことを記しています。ふとした合間にご覧いただければ幸いです。

最近の記事

暑いぜ

暑いぜ と言っている間に ほんとに暑いぜ 炎のホイールでぐるぐる回る気分 いい加減にしろというだけ 暑くなる 暑いぜ と言わなくても ほんとに暑いぜ 滝の流れをどんどん受けてみたい 思ってみたあとで、どっと 暑くなる

    • いつまでも

      ふと立ち止まり、思い出した なにごともなく 毎日が過ぎていく いつの間にか、痛みも消え あの笑顔だけが 残っている ふと立ち止まり、まわりをみると なにごともなく 街はにぎやかなまま いつでも聞くよといってくれた あのことばだけが 残っている いつまでも残っている

      • そんな気分さ

        見上げると雨が 曇り空から落ちてくる そんな気分さ、今は  だろ? 見上げると雲が 風に押されて流れていく そんな気分さ、今は  だろ? あしたには、空も晴れて いい風が吹いてくる  だろ?

        • ドキドキ

          通りでバッタリ 同じクラスの人と目があい 急にドキドキが ジーンズショップの立て看板、チカチカ バーガーショップのスタッフがにこにこ 路上の話し声、店内BGM、自転車のブレーキ すべてがドキドキ キックオフで始まり ゴール裏のあの人と目があい 別のドキドキが 敵はがんがん出てくる、ボールは転々 声がでない、走りはスローモーション 監督の怒鳴り声、ホイッスル、応援の悲鳴 すべてがドキドキ

        マガジン

        • HzVerses
          11本
        • 流転の宴 (るてんのうたげ)
          42本

        記事

          陽炎

          目先の仕事を無心でこなし 泥のように眠り、また仕事 仲間をいつも背後に 止めたままでやり過ごし いつかは立ち止まり 笑顔で向き合えると いつか、その日がくると 心のどこかですがっていた 夢みる先は、陽炎のように 遠くへ逃げていくばかり そうさ、陽炎は陽炎さ 追いかけても、逃げていくばかり slowdown 今こそslowdown slowdown 今こそslowdown 流れていた景色が見えてくる 仲間の声が聞こえてくる slowdown 今こそslowdown slowdown 今こそslowdown

          夜明け前

          あとどのくらいで、夜明けなの 暗い外を窓越しに見ていると 街の灯りが静かに点り続けている 窓辺で微睡んでいる今は 心を解き放す穏やかなひととき あとどのくらいで、笑顔になれるの 薄闇の外を窓越しに見ていると 街の灯りが一つずつ消えていく 窓辺で夜明けを待っている今は 心が解き放される好きなひととき

          水辺に散る月明かり 流れる雲が薄闇を広げ 静寂に蛍がそこここに 話は途切れ途切れ 影だけが立ち尽くす 気付くと 微かな光が 微笑みを映している

          ナルシスト

          私は天才よ Any questions? なにか質問はある? 面倒なやつでしょ、私は でも、みんなから頼りにされているの だから、いつでも全力で向き合い がんばっているの 本当よ

          仕事終わりの

          仕事終わりの一っ風呂が最高さ 手足の隅々まで、伸び伸びととしていく 湯舟のじいさんの鼻歌がぐっとくるね 仕事終わりの冷たい一杯が最高さ 五臓の隅々まで、酔いが回っていく となりの若者の笑い声が楽しいね あしたも暑くなりそうだな

          仕事終わりの

          仕事終わりの

          メリーゴーランド

          陽が沈むと 月が夜空に浮かび 星空が深く広がる 無限の宇宙に 輝き続けている メリーゴーランド 遠い星から 海に浮かぶ雲は 見えているのだろうか 無限の宇宙に 輝き続けている メリーゴーランド

          メリーゴーランド

          メリーゴーランド

          少年よ

          空虚さに打ちのめされ 為すべきを知らず 複雑さの怒濤の中で ただ立ち竦むばかり 身構えよ 斥候のように身を伏せ 黙視せよ 未来に伝えるために おまえのひ弱な迷いなど 誰も待ってはくれない 自分を信じて進み続けろ

          ある川の風景

           夏に白石川の「六本松」で、よく泳いだことを思い出した。その上流の右岸から流れの一部が隧道に取り込まれている。その隧道が江戸時代に作られたことを、小学生時に教わった。  後に、資料で江戸時代後期に、白石城主片倉氏の家臣であった片平観平親子が中心となり、私財を投じ、十年がかりで隧道を完成させたと知った。  その隧道は、白石城跡の西側で、二方向に分かれる。一方は館堀川として城山の内堀のように北から東、さらに南側へと回り、小高い益岡や寺前に沿って流れ、田町、新館を経て、所々で水田な

          ある川の風景

          マダガスカルジャスミン

          窓辺に佇むマダガスカルジャスミン 白い花を蔓の先へ次々と咲かせ 香りをそっと放し続ける 初夏の青空に香り立ち それでも故郷は遥かに遠い

          マダガスカルジャスミン

          春の午後

          川裏の草むらに腰をおろし 青空を見上げ 覚えたばかりの (‥‥君が袖振る) を呟く 晴れやかな心地のまま 湧き上がる希求はうねり まだ形づくることもなく彷徨う

          光の春

          ふいに朝日が差してきた 昨日とはちがって そうだ、低く巡っていた太陽が やおら背を伸ばし 隣家の屋根を越えてきた 窓際のサツキやゼラニウムも気が付いたらしく いつの間にか花を咲かせている 陽は春のオープンを告げたばかり

          吹雪

          丘陵を 吹雪が瀑布となり流れ落ち 風が幾重にも巻き上げる 吹き溜まりの深みに 足を取られながら 横雪に流されるばかり 牧舎では羊が 長い巻き毛に顔を埋め 春のそよぎを待っている