ゆれる あとがき の ようなもの
「ゆれる」は、以前に書かせていただいた「空と空」というものと同様、初めに書いたのは大学生のころでした。そのころにすでに完成をしており、初めはそのまま載せてしまおうかしら、なんてことを思いましたが、改めて読み直して、微妙に調整し、修正し、最終的に書き直したような形になりました。
小説、ではありますが、個人的な体験、の中で、実際に見た風景を主として、想像を重ね、現実に装飾をし、それらをつなぎ合わせてひとつの形にしてみました。かといって、けっしてエッセイではなく、小説として産まれています。
思い起こす、という行為そのものが曖昧な風景を描いているようなもので、過ぎ去ってしまったゆえにもしかしたらそれは空想なのかもしれない。曖昧なもの、記憶、感じ入るもの、想像、さまざまな想いがゆれては混ざり、今、見えるものは何かしら。
そうして、そのときに見えていたものがーー見えていた、と錯覚していたものが、たとえ思っていたものとはかけ離れていたとしても、目の前にある事実に、何も変わりはない。もう、過ぎ去って、そこには存在しないのだから。目の前にある、もの以外は。
そんな不確かで、曖昧な世界に生きている。
そう考えていくと、過去なんてものは、ただの幻想なのかもしれないーーなんて、私はすぐに忘れてしまうから、そんなことを思うのですけれど。
忘れてしまっているのなら、記憶というものがそんなにも頼らないものならば、まさしく今思い起こしたものは、こうしてものを書いていくことと、違いはあるのかしら?
それが本当にそうであったとしても、違ったとしても、なんにせよ、今、目の前で、確かめようはない。
縁の不思議に、何を思い、何を感じる。
ゆれる ゆれる
想いが 記憶が 現実が 夢幻が
ゆれる ゆれる
そんな曖昧な ものを
楽しめたら、いいものですね。
本編です。よければ、どうぞ。少し長めなので、ゆっくりお読みいただければ、幸いです。
ついでではありますが、こちらもよければ、どうぞ。こちらは、全7話となっております。
いつも、ありがとうございます。 何か少しでも、感じるものがありましたら幸いです。