人に溢れて
憂鬱とする。
心が、気持ちが、閉ざされていくのがわかる。
顔はきっと、前を向いている。
けれど、視線は下向きだ。
何でこんなにも多いのだろう、と嘆いても、現状が変わるわけでもなければその理由だってわからないに違いない。
私ができることはただ、先回りして、予測して、できうるかぎり間を縫って、すたすた歩いていくだけだ。早足も疲れるから嫌でもあるけれど。
いまだに、慣れない。慣れないなぁ、と思う。以前に比べればそうでもない、なんて思っていたけれど、そんなことはなかった。
気持ち悪い。
気持ち悪い。
そう、感じてしまう。
人が、こんなにもたくさん溢れている、人が。
どこに行こうとも現れる、人。
がやがや うるさくて、気持ち悪くて、だめだ。
どうしようもない、そんなこともわかっている。生きている以上、仕方のない。死を望む、望まない、ではない。死にたい、なんて、軽々しくは言えない。死んでやるほどお人好しではないし、生きたいと願うほど傲慢でもない。
どうしようもない。
私は私として生き私として死ぬ。
いつか、その日が来るまで。
そんな、硬い決意があるわけでもない。
あぁ、だめだ。話しが変な方向にいく。こんなこと、考えたいわけでもないのに。
嫌になる嫌になる。
気持ち悪い。
なんで、こんなにも人に溢れているのだろう。
そんなこと、考えなくて、いい。いい……。
さっさと、用事を済ませて、帰ろう。帰ろう……。
いつも、ありがとうございます。 何か少しでも、感じるものがありましたら幸いです。