成瀬庵

俳人・成瀬源三のNoteです。詠んだ句を発表します。 Twitterアカウント(htt…

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俳人・成瀬源三のNoteです。詠んだ句を発表します。 Twitterアカウント(https://mobile.twitter.com/home) けろけろ道場(https://note.com/kerokero_dojo)

最近の記事

● 成瀬源三の俳句【令和六年夏の句】

 みなさん、こんにちは。成瀬源三です。  令和六年夏はこんな句を詠みました。 錆のないコンテナもある薄暑かな 大南風弊社のテントだけ斜め 見え消しのままの定款夏休み 赤土の溶けて卯の花腐しかな (四句)  私は八月に松山に行き、俳句甲子園観戦をしたり、何名かの俳人の方とお会いしたりしました。  今回の遠征を糧に、これからも精進して参ります。何卒よろしくお願いします。

    • ● 成瀬源三の俳句【令和六年の句(冬・春)】

       こんにちは。俳人、成瀬源三です。令和六年は気ままにマイペースな俳句活動を進めております。  冬、春はこんな句を詠みました。夏、秋はどんな挑戦ができるかな (*^-^*) とび色のセーターを着て収賄を 市民課の余寒転出する女 ひた走る仔犬の怒り山笑う 退屈な少年もいて花見かな

      • ● 成瀬源三の俳句【令和五年の句】

        こんにちは。成瀬源三です。令和五年は半分以上俳句活動を休止していたので、三句となります。 今後はスローペースで俳句活動を継続していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 背表紙を見ているだけの夜長かな 耳打ちは嬉しい報せ新酒呑む 手を取りて霜の先へと歩き出す (三句)

        • ● 成瀬源三の俳句【令和四年夏・秋の句】

          皆さんこんにちは。成瀬源三と申します。 令和四年春を最後にnoteの更新が途絶えていましたが、今更ながら令和四年夏・秋の句を発表します(全5句)。 この後一年近く全く俳句を詠んでいませんでしたが、今年の秋頃からまた再開しました。今後は俳句ポストへの投句を基本とする俳句愛好家としてのんびりと続けていこうと思います。 今後ともよろしくお願いいたします。 紫陽花や幼き母の待つ窓辺 薔薇の園ベンチに寅さんの鞄 雨しとど質屋の軒の蝸牛 立ちすくむ少年もいて芒原 刑務所の頭上は鰯雲疎ら

        ● 成瀬源三の俳句【令和六年夏の句】

          ● 成瀬源三の俳句【令和四年春の句】

          皆さん、こんにちは。俳人・成瀬源三です。 令和四年春に詠んだ句をまとめたので、発表します(全16句)。興味のある方は読んでくださると嬉しいです。 迷宮を抜ければ桜ただ桜 鞦韆の軋みて未来視の疼き 耕すや畔には恐竜の卵 雛の間やふおおふおおと洗濯機 雛の日や父より継ぎし田の十反 雛の日や「よ」は「よ」と書くが「て」は逆さ 雛の日や亡き祖父と観た『ペーパームーン』 ホイッスル雛の家より子の二人 立雛よ私は奈緒をいじめない 陽に翳す水かきの脈百千鳥 チャペル

          ● 成瀬源三の俳句【令和四年春の句】

          ● 成瀬源三の俳句【令和四年冬の句】

          皆さん、こんにちは。俳人・成瀬源三です。 令和四年冬に詠んだ句をまとめたので、発表します(全15句)。興味のある方は読んでくださると嬉しいです。 ゆみちゃんの国の小春はこんなにも 葬列や小春はこんなにも静か 水玉の産着伸びゆく小春かな 孤児院に小春の「春」をありったけ 新宿の900メートルの聖樹 三つ首の竜の咆哮氷面鏡 寒弾きや父の遺影のしかめ面 羊皮紙の手紙ふわふわ冬空へ 大木の死を凍鶴に伝へけり  雪しんしん追伸由里の熱はもう ねんねこの縫い目に隠

          ● 成瀬源三の俳句【令和四年冬の句】

          二〇二一年自選十句

          二〇二一年自選十句              成瀬源三 獄窓の初富士兄の背のごとく 十年の哀や磯巾着ひとゆれ 卒業歌清らに梁の上からも 長梅雨に朽ちゆくきみの星の花 土門拳ならば浴衣の子は真中 グラウンド・ゼロの石塊流れ星 面影を追へどもどこまでも花野 蓑虫の声はと家裁調査官 コルト抜く合図は汽笛鷹遥か ゆみちゃんの国の小春はこんなにも 二〇二一年も俳句を通して沢山の優しさと感動に出会うことができました。 俳人の皆様には常々深く感謝しております。 誠にありがとうございます

          二〇二一年自選十句

          ● 成瀬源三の俳句【令和三年秋の句】

          皆さんこんにちは。俳人・成瀬源三です。令和三年秋も俳句を通して多くの人の優しさに触れることができました。私にとってまさに得難い経験でした。 令和三年秋に詠んだ句をまとめたので、発表します(全12句)。興味のある方は読んでくださると嬉しいです。 芒原鵺を見し子を魁に 城跡の木切れや琴の音は月へ 二十六世期に鵙を残すまじ 秋日和小さな角はきみに似て 翳りゆく花野や耳打ちの間合ひ アオザイの影伸びゆきて花野へと 面影を追へどもどこまでも花野 蓑虫の蓑に一本金色の

          ● 成瀬源三の俳句【令和三年秋の句】

          成瀬源三の俳句【令和三年夏】

          ● 成瀬源三の俳句【令和三年夏】 1. 俳句ポスト 入選句 【蛇】中級コース並選 蛇去るを待つ軽トラの去るを待つ 【睡蓮】中級コース並選 睡蓮や児相の窓の開く頃 【浴衣】中級コース並選 土門拳ならば浴衣の子は真中 2. 俳句ポスト 提出句 【蛇】 蛇の死を悼む涙と誰が知らん 蛇もまた入会権を持つ仲間 【睡蓮】 睡蓮や赤の絵の具の香の仄か 睡蓮の葉に寝転んでゐるうちに 【浴衣】 暗き世を浴衣の我はゆくわはは 3.月路地の会 発表句 【令和三年夏の会】 長梅雨に朽ちゆくきみの

          成瀬源三の俳句【令和三年夏】

          成瀬源三の俳句【令和三年春】後編

          ● 成瀬源三の俳句【令和三年春】後編 1. 俳句ポスト 入選句 【春暑し】中級コース・佳作 春暑し拳に10オンス熱し 3.岩波俳句 【7月号】佳作 逃げ水の彼方に車椅子の兄 4.月路地の会 発表句 【ウエスタン】 コルト抜く合図は汽笛鷹遥か (全3句) 前回は春が終わった時点で「前編」として句の掲載をしましたが、それ以降に発表された俳句賞での「春の句」及びその間にネット句会で発表した句(今回は冬の季語の句です)を今回掲載します。 月路地の会【ウエスタン】は私にとって

          成瀬源三の俳句【令和三年春】後編

          成瀬源三の俳句【令和三年春】前編

          ● 成瀬源三の俳句【令和三年春】前編 1. 俳句ポスト 入選句 【春の夕焼け】人選 昭和二十年の春夕焼を抱く 【磯巾着】人選 怪獣の角の付け根の磯巾着 十年の哀や磯巾着ひとゆれ 【卒業】人選 卒業歌清らに梁の上からも 切り株の匂ひどこかの卒業歌 2. 俳句ポスト 提出句 【春の夕焼け】 口笛や帝釈天の春夕焼 悔いはなしやはり悔いあり春夕焼 【磯巾着】 線香を磯巾着の横に置く 我を呼ぶ声や摩文仁の磯巾着 【卒業】 卒業式日向に松葉杖一歩 柴田翔返せないまま卒業す 3.岩波俳句

          成瀬源三の俳句【令和三年春】前編

          句評

          皆さん、こんにちは。俳人の成瀬源三です。 以前「いかちゃん」さんという俳人の方にTwitter上で拙句を取り上げ、句評を書いてくださりました。俳句というものを考える上で非常に有益な分析だと思ったので、今日はいかちゃんさんの書いてくださった文章を紹介しようと思います(いかちゃんさんから許可はいただいております)。 以下、いかちゃんさんの連続ツイートの抜粋(私の句と関係のある箇所)となります。 【2020年を振り返る ‪#一日一句紹介‬】 慈しむやうに少年院の蝉/成瀬源三

          成瀬源三の俳句【令和三年晩冬】

          皆さん、こんにちは。成瀬源三です。一月に令和二年までの句をまとめてアップしましたが、今後は随時アップしていきます。 今後の掲載の方法は「初春、仲春といった旧暦の季節ごとに一つの記事として掲載する。基本的にその期間に発表となった俳句賞、ネット句会の句を掲載する」とします。 「俳句ポスト 提出句」に関しては、提出して入選しなかったもののうち、皆さんに読んで欲しいものを選んで掲載します。 ● 成瀬源三の俳句【令和三年晩冬】 1. 俳句ポスト 入選句 【寒海苔】並選 シュレッダーの

          成瀬源三の俳句【令和三年晩冬】

          二〇二〇年自選十句

          二〇二〇年自選十句              成瀬源三 ふらここや次はこの子の星の唄 ボヘミヤン・ラプソディ唄う五人囃子 亡き妹よ亡き人類よ浮いて来い 口開けたらんちうニュートリノ捕ふ 慈しむやうに少年院の蝉 ラ・マンチャの地に哭く従者鰯雲 「父さんはあの日」ぎょろりと鵙の贄 黒髭の霜を踏む音だと判る ラーゲリの凍土を解くシュシュひとつ 万両やふたりの眠りゆく窪地 2020年に私が俳句を通して触れることのできた人の優しさ、圧倒されるような深い感情は、生涯消えることのない私

          二〇二〇年自選十句

          2020年 成瀬源三の俳句

          本記事では2020年に賞やネット句会に投句する以外にTwitterで俳句を詠んだ句を掲載します。 【冬】 去年今年サンドバックに拳跡 人類の最後のふたり雑煮膳 お雑煮の具の名を孫に教えけり 雑煮膳エルフに嫁ぎ悔いは無し テヘランの初空路地を駆ける子ら 手毬唄次は地球をついてみる 着膨れて早足の人並木道 三歳児のために新海苔ちぎる叔父 寒風や勧誘の人追ひ返す 垂氷より大地へ愛のメッセージ 眼球の痛み氷柱も痛かった ひと匙の粥の重さよ粥施行 雪しまきギガ浪費す

          2020年 成瀬源三の俳句

          ネット句会提出句

          私は他の方が主催されているネット句会にも参加させていただいており、そのネット句会で提出した句を掲載します。 【第6回】 白百合の蕊星々の悲しみを  病棟に卯の花腐したおやかに 手花火の残り数へて夜の明ける 昼顔のパンクロックにひらきゆく 【第7回】 口開けたらんちうニュートリノ捕ふ  書きかけの準備書面に差す西日  立葵にいにが背伸びする高さ  花魁の扇を隠す禿かな  【第8回】 愛を説き終はつたチョーク夜這星  図書館の窓に新涼の山々  蜩や侍の子は泣くまじと  独り

          ネット句会提出句