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二〇二〇年自選十句

二〇二〇年自選十句
             成瀬源三

ふらここや次はこの子の星の唄
ボヘミヤン・ラプソディ唄う五人囃子
亡き妹よ亡き人類よ浮いて来い
口開けたらんちうニュートリノ捕ふ
慈しむやうに少年院の蝉
ラ・マンチャの地に哭く従者鰯雲
「父さんはあの日」ぎょろりと鵙の贄
黒髭の霜を踏む音だと判る
ラーゲリの凍土を解くシュシュひとつ
万両やふたりの眠りゆく窪地


2020年に私が俳句を通して触れることのできた人の優しさ、圧倒されるような深い感情は、生涯消えることのない私の財産です。

俳句活動において関わった皆様に深く感謝申し上げます。

誠にありがとうございました。

成瀬源三

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