二〇二一年自選十句
二〇二一年自選十句
成瀬源三
獄窓の初富士兄の背のごとく
十年の哀や磯巾着ひとゆれ
卒業歌清らに梁の上からも
長梅雨に朽ちゆくきみの星の花
土門拳ならば浴衣の子は真中
グラウンド・ゼロの石塊流れ星
面影を追へどもどこまでも花野
蓑虫の声はと家裁調査官
コルト抜く合図は汽笛鷹遥か
ゆみちゃんの国の小春はこんなにも
二〇二一年も俳句を通して沢山の優しさと感動に出会うことができました。
俳人の皆様には常々深く感謝しております。
誠にありがとうございます。
私の詠む俳句が俳句の世界を変えるなどと不遜なことは考えていませんが、拙句がほんの少しでも誰かの重荷を軽くできたらいいな、ほんの少しでも誰かを笑顔にできたらいいなと願いながら、ささやかな俳句活動を続けています。
これからも何卒宜しくお願い致します。
二〇二二年一月五日
成瀬源三
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?