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今日の一言 3冊目

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今日の一言 3冊目
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2016年9月の記事一覧

「前始末を心がける」前慮不定、後有大患

前慮定まらずんば、後に大患有り
―前慮不定、後有大患―

[原文](戦国策)
前慮不定、後有大患。

[書き下し文]
前慮定まらずんば、後に大患有り。

[原文の語訳]
前々から考えまとめておかないと、後になって大きな憂いとなる。

[解釈]
早めの決断や対処しておかないと、後から大事になりかねいということです。

何事においても起きる前に予測し注意をはらっておけば、大体のことは避けることができか

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「異論のない満場一致は逆にだめ」千人之諾諾、不如一士之諤諤

千人の諾々も、一士の諤々に如かず
―千人之諾諾、不如一士之諤諤―

[原文](史記)
千人之諾諾、不如一士之諤諤。

[書き下し文]
千人の諾々も、一士の諤々に如かず。

[原文の語訳]
千人の無批判賛成は、一人の士による直言には及ばない。

[解釈]
右に倣え的に何でも安易に同意する千人よりも、自分の考えを述べるひとりのほうが貴重な存在であるということです。

ワンマン経営やトップダウンといった

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「そもそも論も必要」無以先入之語為主

先入の語をもって主と為す無かれ
―無以先入之語為主―

[原文](漢書)
無以先入之語為主。

[書き下し文]
先入の語をもって主と為す無かれ。

[原文の語訳]
先に聞いた言葉を主軸としてはいけない。

[解釈]
第一印象など先入観に囚われてはいけないということです。

「軸をズラす」という言葉もありますね。

話やアドバイスとして参考にするのはよいですが、それを鵜呑みにしたり、自分の中で考える

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「リーダーはなかなか得難い」千軍易得、一将難求

千軍は得易きも、一将は求め難し
―千軍易得、一将難求―

[原文](元曲)
千軍易得、一将難求。

[書き下し文]
千軍は得易きも、一将は求め難し。

[原文の語訳]
多くの軍兵は集め易い、一人の武将を得るのは難しい。

[解釈]
多くの兵を集めることは容易でも、それを統率できるような将軍を一人得ることは難しいということです。

組織を作ることは簡単でも、できた組織の管理を任せられるリーダーとなる

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「明文化して確実に批評する」夫賞罰者、不在乎必重、而在於必行

賞罰は、必ず重くするに在らずして、必ず行うに在り
―夫賞罰者、不在乎必重、而在於必行―

[原文](中論)
夫賞罰者、不在乎必重、而在於必行。

[書き下し文]
賞罰は、必ず重くするに在らずして、必ず行うに在り。

[原文の語訳]
賞罰は、必ずしも重くすればいいというわけではなく、必ず行なうことに意義がある。

[解釈]
成功や失敗に対して過剰に批評するよりも、漏らすことなく確実に批評する行為自体

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「オールマイティーを求めない」周公不求備於一人

周公は一人に備ふるを求めず
―周公不求備於一人―

[原文](資治通鑑)
周公不求備於一人。

[書き下し文]
周公は一人に備ふるを求めず。

[原文の語訳]
周公は人に完備を求めなかった。

[解釈]
周公は完全無欠、完璧な人を求めなかったということです。誰しも短所や足りないところがあるものです。周公はそれをわかっていたのです。

求めるならオールマイティーではなくスペシャリストをということでし

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「焦点を明確にする」質的張而弓矢至焉

質的張りて弓矢至る
―質的張而弓矢至焉―

[原文](荀子)
質的張而弓矢至焉。

[書き下し文]
質的張りて弓矢至る。

[原文の語訳]
的の中心を張るとそこに弓矢が集まる。

[解釈]
目的をもって物事を始めると、関連する物事が自然と集まってくるということです。「決め打ち」という言葉もありますね。

良くも悪くも連鎖反応ですね。人為的に横の繋がりで集まってくることもあるかもしれません。

人望

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「ひけらかさない」不傲才以驕人、不以寵而作威

才に傲りてもって人に驕らず、寵をもって威を作さず
―不傲才以驕人、不以寵而作威―

[原文](将苑 将誡)
不傲才以驕人、不以寵而作威。

[書き下し文]
才に傲りてもって人に驕らず、寵をもって威を作さず。

[原文の語訳]
自らの才能に傲って人を馬鹿にせず、可愛がれていることを後ろ盾にしてはいけない。

[解釈]
自分の能力や後ろ盾を誇って、見下してはいけないということです。

組織では学歴やキ

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「原因は自分にあると意識する」失諸正鵠、反求諸其身

諸を正鵠に失すれば、反って諸を其の身に求む
―失諸正鵠、反求諸其身―

[原文](中庸 右第十四章)
射有似乎君子。失諸正鵠、反求諸其身。

[書き下し文]
射(しゃ)は君子に似た有り。諸(これ)を正鵠(せいこく)に失すれば、反(かえ)って諸を其の身に求む。

[原文の語訳]
弓を射るのは君子に似ている。矢が的を外してしまった時には、その原因が自分のどこにあるか考える。。

[解釈]
失敗の原因は

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「私情を挟まない人は信頼される」以公滅私、民其允懐

公を以て私を滅せば、民其れ允に懐かん
―以公滅私、民其允懐―

[原文](書経 周官)
以公滅私、民其允懐。

[書き下し文]
公を以て私を滅せば、民は其れ允(まこと)に懐かん。

[原文の語訳]
公平を心がけ私心をなくせば、民は信頼してなつくものである。

[解釈]
私情を排除し公明正大に接すれば、周りから信頼され、声をかけてもらえやすくなります。

上が贔屓したり不公平であれば、下は不平不満を

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「興亡は人しだい」興廃由人事、山川空地形

興廃は人事に由り、山川は空しく地形
―興廃由人事、山川空地形―

[原文](金陵懐古)
興廃由人事、山川空地形。

[書き下し文]
興廃は人事に由り、山川は空しく地形。

[原文の語訳]
世の興亡は人に由来し、山川の地形はそうあるだけのことである。

[解釈]
王朝の興亡は人によって決定づけられて、地形は理由にならないということです。

敵国から攻められにくい地形であっても、内部で混乱や反乱が起き

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「紙面に顔が浮かぶ」険言似忠、故受而不詰

険言は忠に似たり、故に受けて詰らず
―険言似忠、故受而不詰―

[原文](新唐書)
険言似忠、故受而不詰。

[書き下し文]
険言は忠に似たり、故に受けて詰らず。

[原文の語訳]
厳しい言葉は忠臣に似ている、だから素直に受け入れて詰問したりしない。

[解釈]
言葉だけであっても苦言はまるで忠臣のようなものです。言葉相手に変に勘ぐったり反問せず素直に受け入れましょう。

書籍は著者との対話です。

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「部下を育てるトップの資質」君之明者善養士

君の明なる者は善く士を養う
―君之明者善養士―

[原文](漢書)
君之明者善養士。

[書き下し文]
君の明なる者は善く士を養う。

[原文の語訳]
名君はよく名士を養育する。

[解釈]
優秀な君主は賢明な臣下を育て養うということです。

できるトップやリーダーは有能な部下を育てます。また育つ組織環境を構築することができます。生え抜きの出来不出来はトップの資質に比例するのです。

イエスマンば

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「過去を忘れない」処貴不忘旧

貴に処りて旧を忘れず
―処貴不忘旧―

[原文](五君詠)
処貴不忘旧。

[書き下し文]
貴に処りて旧を忘れず。

[原文の語訳]
富貴となっても昔のことを忘れてはいけない。

[解釈]
裕福になっても、むかし苦労したことを忘れてはいけないということです。助けてもらった恩を忘れるなどもっての外です。

自分だけ裕福になったり楽になっても周りはそうでないかもしれません。

楽しいことがあると苦しい

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