或いはフライドチキンのおじさん
命日の定かではないまま送るかつては末っ子だった形骸
生きてきたように死んだと言うのならお前もお前もきっとそうだよ
またの名をフライドチキンのおじさんがもうすぐ帰ってくるバーレルと
ケンタッキーフライドチキンのバーレルが三が日だけ並ぶ食卓
今日の日を死なないように生きること飽きないように居続けること
絶対に従姉はチキンの脂身と皮を食べずにいたことだとか
一時的骨壷として機能する紙バケツを今思い出してる
大雨に溺れるみみずを踏まぬよう避ける助けるわけでもなくて
短歌初出:「かばん」2021.8月号
写真:虹緒明ぐま
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