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#3『二人の少年と、一人の少女』トバイアス・ウルフ

台風が来ているようだ。現在、こちらは強めの雨が降っている。
こういう日は、朝目覚めても薄暗いから、まだ寝ていてもいいんだという気分になるが、いつもと同じように起きて適当に身支度をした。適当なのは、今日は仕事がないから。今日はノーメイクの一日。こんな天候の日に一日中家にいられるのは嬉しい。

不謹慎かもしれないが、天候が荒れる日に安全な家の中にいることを前提として、ビューッと唸る強い風の音や、ザーッと激しく降る大雨の音を聞きながら、外の様子を観察しているのは楽しい。
ただ、最近の天候は冗談で済まされないものが多いので、こんなことを言っていると、お気楽でいいわねと思われてしまうかもしれないけれど。


さて、連日読み続けている『恋しくて』は、村上春樹が編訳した海外作家による10編のラブストーリーが掲載されている。

今日はお気に入りの香水と


まだまだ3作目。実は、もう先を読んでいる上、別の本も読了した。さらにその他数冊併読中。
でもあせらず、一日一篇ペースで、noteに綴っていこうと思っている。

今回は『二人の少年と、一人の少女』、作家はドバイアス・ウルフ。またまた知らない作家。もしかしたら、この本で出会う作家は、ここでしか出会えないかもしれない。

トバイアス・ウルフ

内容はタイトルの通り。ギルバートとレイフという二人の少年と、メアリ・アンという一人の少女の三角関係の話。
メアリはレイフに夢中のようだ。二人は恋人のようだけど温度差が感じられる。そこに主人公のギルバートが加わっていて、三人はいつも一緒につるんでいる。ギルバートはメアリのことが好きみたい。
ある日、レイフは父と旅行へ行くことになるのだ。ギルバートに、メアリをよろしくなと言い残して。
ということで、ギルバートは友人の恋人の遊び相手となるべく、バーや映画、ボーリングへ行ったりドライブしたり、友達としてつき合う。

レイフのことが好きなメアリの気持ちを尊重したまま、息抜きの余興かのようにふるまうギルバート君の姿…。
彼は切ない思いをしながらもメアリにつき合っていたのかな。

あなたにも女の子がいたらいいと思わない? そういうのって最高じゃない。

本文より

ギルバートの気持ちを全く分かっていないメアリ、とうとう決定的だともとれることを言われ、ギルバートはちょっと気持ちが変わったのだろうか。大胆な行動に出たようだ。

世界はただでさえ退屈なんだ。そうだろう? 人々はみんないつも悪の陳腐さについて語っている。しかし陳腐さの害悪についてはどうなんだ?

本文より

最後の行動は、ギルバートのせめてもの反抗心だよね。

これまた若さを感じてしまう作品だった。
時に結構大胆なこともしてきたけれども、時間が経過し年齢だけは大人になってしまった今の私にも、最後の彼のような行動はできるだろうか…などと考えてみる。


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