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文章はつかみで決まる

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『Mr. Bike BG』に学ぶ、文章の「つかみ」の書き方

『Mr. Bike BG』に学ぶ、文章の「つかみ」の書き方

普段、読むことのない雑誌やウェブメディアをチラ見してみると、自分の発想にない「つかみ(書き出し)」のヒントが得られることがあるので、おすすめです。

たとえば、先ほど読んだのが『Mr. Bike BG(ミスター・バイク バイヤーズガイド)』2023年9月号。

私、多少はバイクに憧れた時期もあったのですが、免許を取るまでの情熱がなく、バイクと縁遠い人生を送ってきました。そんな私でも引き込まれてしま

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『ビール王国』に学ぶ、文章の「つかみ」の書き方

『ビール王国』に学ぶ、文章の「つかみ」の書き方

「こんな暑いなか、原稿書きなんてもういいでしょ。
キンキンに冷えたビールをグイッと飲みたいわ~」
とビールの雑誌を見ていたら、マネしたくなる「つかみ」の宝庫で、
最後まで読み込んでしまいました。

まずはこちら。

く~っ、今すぐにそのビールを飲みたい。
短い文章で、IPAの味わいとブルワリーの特徴が一発で伝わってくるつかみですね。

続いて、こちら。

「えっ、香りは? 苦味は?」という1行目だ

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『dancyu』に学ぶ、文章の「つかみ」の書き方

『dancyu』に学ぶ、文章の「つかみ」の書き方

雑誌『dancyu』といえばグルメ雑誌の代表格ですが、グルメ系だけでなく、その他の記事の「つかみ」を考えるときにも参考になります。

たとえば、2023年7月号の記事。

特集「美しいラーメン」で紹介されていたラーメン店「麺笑巧真」のつかみをご覧ください。

ラーメン店の紹介記事のつかみというと、スープやラーメンの描写や、オーナーや店長の経歴が多いと思いますが、この記事では「来店していたお客様の反

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『おとなの週末』に学ぶ、文章の「つかみ」の書き方

『おとなの週末』に学ぶ、文章の「つかみ」の書き方

雑誌に学ぶ、文章の「つかみ」の書き方。

今回取り上げるのは、『おとなの週末』2023年7月号の第1特集記事「三ツ星おにぎり」です。さまざまなおにぎり店のレポート記事ですね。

飲食店のレポート記事のつかみというと、

・佐賀の郷土料理が堪能できる居酒屋
と店の概要から入ったり、
・下町情緒が残る谷中銀座商店街の外れに店を構える
とロケーションから入ったり、
・ミラノの高級リストランテで5年間修行

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『Begin』に学ぶ、文章の「つかみ」の書き方

文章の「つかみ」を考える時、参考になるのが、「雑誌の記事のつかみ」です。
雑誌はさまざまなタイプのつかみが一気に読めるので、ヒントを得るのに効率が良いんですよね。

たとえば、商品やサービスのコラム記事をよく書いていた時、私は、男性ファッション誌の『Begin』を参考にしていました。

とくに注目していたのが、商品紹介のコラムです。オヤジギャグというか韻を踏むというか、独特な言葉遊びが面白くて、商

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文章が苦手な人でも「つかみ」が書けるようになる「要素出し」のコツとは?

こんにちは、ライターの杉山です。

先日出版した『文章はつかみで9割決まる』では、

文章のつかみを考える時の基本的なステップとして、次の5つを挙げました。

目的をはっきりさせる

要素を出して、何を書くか・書かないかを決める

プロットをつくり、「つかみ」を考える

文章を書きながら、「つかみ」を考える

推敲して、「つかみ」を磨く

このうち、意外と行き詰まるのは、2の「要素出し」かもしれま

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書けなかったライターが「読み手を理解する」ために実践したこととは? ~「文章はつかみで9割決まる」おまけ原稿 #3~

書けなかったライターが「読み手を理解する」ために実践したこととは? ~「文章はつかみで9割決まる」おまけ原稿 #3~

こんにちは、ライターの杉山直隆です。

なぜ駆け出しライターの私は、つかみや文章を書けなかったのか?

その原因は、「読み手を理解していない」こと。

そこで、読み手を理解するためにあれこれ試行錯誤し始めた、という話を以下で書きました。

今回は、読み手を理解するためにしていたその他のことをご紹介します。というか、今も実践しています。

以下を読むと、ものすごく努力している感じに見えるかもしれませ

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【今日のつかまれたつかみ #3】一九七四年に出版された「ドラえもん」の第一巻には、次のようなシーンが登場する。ママに…

【今日のつかまれたつかみ #3】一九七四年に出版された「ドラえもん」の第一巻には、次のようなシーンが登場する。ママに…

最初の数行だけで、読み手の心をわしづかみ。読み手は続きを読まずにいられなくなる。そんな「つかみ」を独断と偏見で紹介する──。

こんにちは、ライターの杉山です。

今日の「つかまれたつかみ」は、稲垣栄洋氏の『雑草はなぜそこに生えているのか』です。

あの何でも持っているドラえもんが草むしり機を持っていない(出してくれない?)のはなぜか? 続きが気になりますよね。

こうした、常識をくつがえすような

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【今日の『つかまれたつかみ』 #2】何が女たちを狂わせたのか。

【今日の『つかまれたつかみ』 #2】何が女たちを狂わせたのか。

最初の数行だけで、読み手の心をわしづかみ。読み手は続きを読まずにいられなくなる。そんな「つかみ」を独断と偏見で紹介する──。

こんにちは、ライターの杉山です。

今日の「つかまれたつかみ」は、音楽プロデューサー・浦久俊彦さんの『フランツ・リストはなぜ女たちを失神させたのか』の「つかみ」です。

このつかみ、「彼が脱ぎ捨てた~」から始めても意味が通りますが、
「何が女たちを狂わせたのか」という一文

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なぜ定番パターンをマネしても書けなかったのか ~「文章はつかみで9割決まる」おまけ原稿#1~

なぜ定番パターンをマネしても書けなかったのか ~「文章はつかみで9割決まる」おまけ原稿#1~

こんにちは、ライターの杉山直隆です。

先日、『文章はつかみで9割決まる』という本を発刊したのですが、

ページ数の都合上、載せなかった原稿が何本もありました。

一部の人にしか役に立たないような細かい話も多いのですが、誰かの役に立つかも…? ということで、その一部をこちらに掲載します!

1つ目の原稿は「なぜ定番パターンをマネしても書けなかったのか」。駆け出しのときの失敗エピソードで、本でも同じ

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【今日の『つかまれたつかみ』 #1】ある朝、眼を覚ました時、これはもうぐずぐず……

【今日の『つかまれたつかみ』 #1】ある朝、眼を覚ました時、これはもうぐずぐず……

『文章は「つかみ」で9割決まる』という本を出しました
最初の数行だけで、読み手の心をわしづかみ。読み手は続きを読まずにいられなくなる。そんな「つかみ」を独断と偏見で紹介する──。

こんにちは、ライターの杉山直隆と申します。

今年5月に『文章は「つかみ」で9割決まる』という本を発刊しました。

「読み手の心を惹きつける文章のつかみ(書き出し)を書くには?」というテーマの本で、小説からノンフィクシ

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