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栖鳳のとらえた一瞬の煌めき
山種美術館『【特別展】没後80年記念 竹内栖鳳』
前半は栖鳳自身の作品を、後半で円山・四条派に始まる京都画壇の先人から栖鳳の弟子たちまでを展示している。
「動物を描けばその体臭まで表す」と本人が語ったという竹内栖鳳。蛙を10日間観察して描いた《蛙と蜻蛉》の、今にも動き出しそう、いや目の前で動いているかのような躍動感、墨画《寒鴉図》の筆の勢いと精緻さ、《鴨雛》の雛の脚の描き方……確かな観察眼とテ
「解像度」が上がるということ
SOMPO美術館『おいしいボタニカル・アート』
植物学、薬草学の研究のために描かれた植物画=ボタニカル・アート。英国キュー王立植物園所蔵のボタニカル・アートのうち、食用(野菜、果物、ハーブ、スパイス)となる植物を描いたボタニカル・アートを展示し、イギリスの食文化を俯瞰する。
子供の頃、図鑑は小学館派だった。学研の図鑑は写真満載なのに、当時の小学館の図鑑は一部写真はあるものの、動物も植物も基本的
ウィリアム・モリスとわたし
府中市美術館『アーツ・アンド・クラフツとデザイン』。
数年に1度はどこかしらで開催されているウィリアム・モリス関連であるが、今回はアーツ・アンド・クラフツ運動に絞って、レッドハウスにはじまるモリスとその盟友たちとの活動から、その影響がアメリカに渡ってフランク・ロイド・ライトに至るまでを俯瞰する内容。
「暮らしのデザイン」のはじまり、というコピーの通り、とにかく多才なモリスのデザイナーとその思想
ヴァロットンの光と闇
三菱一号館美術館で『ヴァロットンー黒と白』を観る。
黒一色で刷られた木版画。「黒と白」は「光と闇」である。そこにグラデーションはなく、光と闇は画面では峻別されているのに、眺めているとその厳然たる境界が曖昧に見えてくる不思議。光に照らされたものが影をつくり、影が束となり闇になる。
黒と白で、時代を極めて冷静に、ときに皮肉も交えて切り取りながらも、どこかユーモア、温かみのある世界。その表現の頂点で