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マネへの距離

練馬区立美術館『日本の中のマネ』展、最終日に駆け込みで。

噂に聞いていた以上に異様な熱がこもった展示であった。作品の物量に圧倒されることは珍しくないが、キャプションの物量に圧倒される展示。

マネという画家が日本の中でどう受容されていったかーーに焦点をあてていて、構成としてもなるほど、とは思うのだが、圧倒的な物量、熱量のキャプションからは今ひとつそれが浮かび上がってこないような。そして、最終章にて、それまでの考察とか吹っ飛ぶような、現代アート(それも森村泰昌と福田美蘭のみ)への展開。これまでのはいったいなんだったんだと放心状態になる。

マネ作品は国内所蔵のもののみということで、今ひとつ展示からマネへの解像度が上がっていかないということもある。全体としては言いたいことはわかるが……という感想になってしまうが、福田美蘭のマネと対峙する試みはとても刺激的で、面白かった。

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