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演劇部の先輩と廃病院に肝試しに行って、靴を投げた話

怖さ:★★★ 

個人的な印象ですが、演劇をやっていたという方の中には、怖い体験をされた方が比較的多いのではないかなと感じます。

先日、職場の友人たち数名と、オンラインで飲み会をした時には、芸術系の大学出身の人(俳優ではなく演出をやっていたそうです)が、「学校の劇場にもいたよ」と言っていました。舞台の上手(客席から舞台の方に向かって右手)の端に誰かが立っているのが見えたので、「見きれてるだろ!?」と言ったけど、そこには誰もいなかったとか?そんな体験をしたそうです。

でも今回は、そのオンライン飲み会に参加したうちの一人、高校時代に演劇部にいたという友人が、劇場ではなく、肝試しで行った廃墟で体験したお話をご紹介します。

高校の演劇部に所属していた彼が、同じ部活の仲間と放課後、遊んでいた時のことです。卒業したの2つ年上の先輩が、学校によく訪れていたそうで、ある日、廃病院に肝試しに行った話をしてくれたそうです。

何でも、その先輩は肝試しに行った病院の手術室で金縛りにあって、動けなくなったので「その病院に一泊した」と言っていたそうです。

いつも大げさなことを言う先輩なので、「すごいですねー」と聞いてはいたものの、あまり信用はしていなかったそうです。でもその時の話の流れで「そんなに言うなら、行ってみようか?」ということになり、後日、その先輩が運転する車で放課後、先輩と演劇部仲間の4人の計5名でその病院に行くことになりました。

その廃病院は3階建てで、1階には先輩が「金縛りにあった」と言っていた手術室だったような部屋もあったそうですが、床とかが汚いだけで、特に何もありませんでした。2階も何もなく、そのまま3階に上りました。

やはり3階でも何も怖いことはなく、「帰ろうか?」ということになった時、そういえば、自分たち以外の誰かの足音がすることに気が付きました。でも、「他にも肝試しに来てる人がいるのかもね」くらいに思っていました。

足音は、演劇部の人たちが1階に降りても後を付いて来ているようだったので、「ちょっと驚かせてみようか?」と、一人がローファーを脱いで、足音のしている階段の方に向かって投げました。

ところが、ローファーが床に落ちる音はしたのですが、誰かが驚くような声とか物音は一切ありません。そして、足音も消えました。

靴を投げた人は「何だったんだろうね?」とローファーを回収して、廃病院を出ました。先輩が「怖いだろう?」と自慢するので、演劇部の皆も「怖いっすね~」と言ってはいたけれど、「本当は、あんまり怖くはなかった」そうです。

その後、車に乗り込んで帰ろうという時に、肝試しに行った5人のうち2人が、「3階のベランダに赤い女の人が立ってこっちを見ている」と言いました。私に話をしてくれた友人は、その女の人を見ていなかったので、女の人の服が赤いのか、何が赤いのかはわからないそうです。

結局、そういうのを怖がる人もいなくて、肝試しに参加した演劇部のメンバーは翌日も皆元気に、普通に遊んでたそうです。

今回は、webの飲み会でこのお話を聞いていたのですが、この話をしてくれた友人が横を向いているようなので、「なんで横向いてるの?」と聞いたら「PCのモニターを2つ並べていて、もう1台のモニターで心霊写真の画像を検索して、心霊写真を見ながら楽しんでるんだ」と言っていました。

話の内容も怖かったのですが、何より自分の怖い体験談を話したり、ほかの人の怖い話を聞きながら同時に心霊写真を検索して見て、怖さを増量してるということの方がインパクトが強く、日ごろ優しい彼のちょっと意外な一面を発見した気がしました。

話し手:20代 男性
採取時期:2020年5月
採取場所:東京都内(Google meetにて)

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