怪奇現象が起こるというオフィスで、深夜残業した話
怖さ:★★☆
お世話になっている先輩に聞いた話です。
その先輩が勤めている会社にはオフィスがいくつかありますが、その中で東京の下町にあるオフィスは、社内でも「不思議なことが起こるオフィス」として知られているそうです。そんなオフィスで、先輩は何回か不思議な体験をしているそうです。その中のひとつをご紹介します。
当時、出版関係の仕事にかかわっていた先輩はある夜、そのオフィスの3階で後輩と2人、原稿の校正をしていました。読み合わせといって、一人が原稿を読み上げ、一人がその読み上げた文章を聞きながら原稿をチェックする方法です。
時刻は午前2時を回っていました。そのフロアはいろんなことが起こることで社内でも噂になっていましたが、締め切りの関係もあって、深夜に残業をせざるを得ない状況だったそうです。
さて、先輩が後輩と二人で原稿を読み合わせしていると、部屋の奥の方でカーテンが急にブワッと盛り上がりました。「うわ!?」とそちらを見ると、膨らんだカーテンがスーッとしぼんでいきました。
「今、カーテン盛り上がりませんでした?ふわってなった気がします」と言う後輩に、「風かな?窓際のところに積んでた資料でも落ちたんじゃない?」と、嫌がるのを窓の辺りまで見に行かせたそうです。ところが、物が落ちた形跡はなく、窓もしっかり閉まっていました。
「やっぱり何かあるんですよ。早く帰りましょう」と後輩は怖がっていましたが、終電の時刻はとっくに過ぎていて、しかも仕事も残っています。「朝までいるしかないんだよ」と後輩を慰め、そのまま原稿チェックを続けたそうです。
話し手:40代 男性
採取時期:2019年10月
採取場所:居酒屋
「仕事」と、なんか怖い話
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