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葬儀屋さんたちに聞いた、あるある話

怖さ:★★☆ 

葬儀屋さんというと、人の最期に携わる仕事だけに、不思議な体験もたくさん経験しているのかな?と思っていました。そこで葬儀社で働いている方や以前葬儀の仕事をしていた方にお会いして、お話を聞いてみました。

ご本人が実際に体験した話に限らず、葬儀屋さんから聞いた「こんなうわさ聞いたよ」という都市伝説的なお話をいくつかまとめます。

葬儀屋さんは、幽霊やお化けをしょっちゅう見てる?

葬儀屋さんというと、頻繁に怪奇現象に遭遇しそうなイメージですが、結論から言うと、「そうでもない」らしいです。むしろ幽霊やお化けといったことを意識しすぎると、仕事を続けられなくなるのでは?といったご意見が多かったです(といっても数人に伺っただけですが)。

結局、「葬儀の仕事をしていると幽霊を見る機会が増える」ということではなく、見るとか見ないとかは、その人の考え方とか、素質とか、才能とか、体質とか、運とか、時期とか、とにかくいろいろな要素によるもので、職業とは関係ないみたいです。

ただ、そうは言っても、もともと幽霊を見る素質がある人にとってはある意味、「自分には霊感があるんだ」と自覚させられる機会に、しばしば遭遇することはあるようです。

見えない参列者に、うっかり声を掛けてしまう話

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例えば、霊感の強い社員が、先輩社員に「お葬式に参列された方が全員、お焼香終わっているか確認して」と頼まれて、少し離れたところに立っている人がいたので「じゃあ、聞いてきます」と行こうとすると、「え、どこに行くの?」と先輩に驚かれて初めて、「ああ、あそこにいる人は、ほかの人には見えていないんだ」と、わかったりするそうです。

当たり前のことですが、同じ葬儀屋さんでも幽霊を見る、見ないは、人によって違うということですね。普通の生活の中で、街中でもいろんな幽霊に遭遇していても「あなたは生きていますか?」と確認することはありませんが、その辺の白黒がはっきりしてしまう機会が豊富にあるということなのでしょうか?

葬儀式場にまつわる話

都内のある葬儀場(火葬場に併設している式場でした)で、昔、畳敷きの和室の部屋があったそうです。当時、その部屋は葬儀屋仲間の間でも「何か不思議なことが起こる式場」と言われていたそうです。

例えば、その和室でお葬式の準備などをしていると、おじいさんがいるので、お葬式の参列に訪れた方が早めに着いてしまったのだと思って「まだ早いですから、待合室でもう少しお待ちください」と案内します。おじいさんが去った後、どこかで会ったことがあるなあと気になって、ふと遺影を見たら、そのおじいさんがだったとか。

今ではその葬儀式場も建て直され、きれいになっていて、もうそのような話は聞かないそうです。

霊感の強いお坊さんが苦しむ廊下の話

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やはり葬儀式場にまつわる話です。

若い女性の方がある葬儀社に入社したてのころ、配属になった葬儀会館を案内されたときに、先輩社員から「この3階の廊下は出るから」と言われました。でもまあ霊感とかないしと、特に気にしなかったそうです。

ところがある日、お葬式にいらしたお坊さんを案内していて、ちょうど3階の廊下付近を通りかかった時、突然、そのお坊さんが「苦しい」とうずくまってしまいました。慌てて駆け寄ると「ここ、なんかいるよ」と言われたそうです。

遺体と目が合って、無念さを感じてしまう話

人は、必ずしも年を取って子供や孫など大事な家族に囲まれて、安らかに大往生するというわけではありません。

ある葬儀経験者の方は、以前、暴走族に入っていて交通事故で亡くなった女性の遺体と目が合った時、「もっと生きていたかった」という強烈な思いというか、なんとも言えない無念さを感じたそうです。

病院にまつわる話

日本では病院で亡くなる方が多いようですが、病院で亡くなると葬儀社に依頼して、亡くなった方を迎えに来てもらいます。でも、葬儀屋さんが亡くなった方を迎えに行くときに、病院によっては、何かがありそうな気配を感じることもあるようです。

正面から見るときれいな建物の病院も、霊安室からの出口は人目につかない裏手の方にあることが多く、だいたい暗くて独特の雰囲気が漂っているそうです。

病院の中を、ご遺体を乗せたストレッチャーを押しながら、裏口に向かってじめっとした空気の中で薄暗い廊下を歩いていると、決まった場所でなんとも言えない気分になるそうです。そんな時は、気になる方向を「絶対に見ちゃいけない」と言い聞かせながら、通るそうです。

柏手を打って幽霊を探知する話

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なんとなくお化けとか霊とかいそうな雰囲気だなという時には柏手を打つと、気を付けなくてはいけない場所がわかるそうです。

「パンッ、パンッ」と手を叩いて、普通に乾いた音がすれば大丈夫。でも霊がいる場所で手を叩くと、湿った音がするとか?音が吸い込まれるように感じる場所は「いる」可能性が高いそうです。

霊安室などに入って、なんとなく変な感じだなと思った時には、部屋の中で何回か場所を変えて手を叩いてみると、なんとなく音の違いがわかって、「あ、この辺にいるのかな?」とわかると、言われているそうです。

霊安室の掃除をしていると肩が痛くなる話

これは首都圏にある葬儀社で、パートで働いている方に聞いた話です。彼女は毎朝、霊安室(安置室とも言います。病院から寝台車でお連れした故人、すなわちご遺体を、お通夜やお葬式の時まで安置している部屋です)の掃除をしているのですが、掃除を始めると必ず、肩がとても凝って痛くなるそうです。でも、掃除が終わって霊安室を出ると、普通に治るそうです。

なんとなく、誰かがいる気配がする話

人がいないはずの部屋から足音や、扉が開閉する音がするということはよく聞きますが、葬儀屋さんでもそういった経験をする方がいるようです。

例えば、2階に事務所があって1階が倉庫というような葬儀屋さんで、2階で仕事をしていると、誰もいないはずの1階でパタンパタンという音がするというような具合です。ただ、だから何かあるというわけではなく、「誰かいるみたいだね」という感じらしいです。

葬儀式場に結界を張ったお坊さんの話

以前お会いしたお坊さんのお話では、葬儀屋さんに行って結界を張ることもあるようです。「知り合いの葬儀社に頼まれて、葬儀式場に結界を張ってきたよ」とおっしゃっていたのを聞いたことがあります。そのお坊さんは「お祓い」とはおっしゃっていませんでした。たぶん宗派などによっていろいろやり方があるのだと思います。ちなみにそのお坊さんは曹洞宗(禅宗)のお坊さんです。

ひとつの地域でお葬式が続く話

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ある地方のお話ですが、その地域では1回お葬式があると、その後何回か続けて、その近所でお葬式が出るそうです。また、お葬式がありそうな家の近くに、カラスが集まったり、ちょっと違う鳴き方をするので何んとなく、お葬式が近いかな……というのがわかるみたいです。

まとめ

今回は葬儀屋さんあるあるをまとめてみました。

うわさ話から、実際にご自身で体験したお話(だけどかなり短いお話なので、まとめちゃった感じです)もありましたが。葬儀屋さんだからと言って、皆が皆、特別に怖い経験をしてるということはないんだなということはわかりました。

あと、葬儀屋さんに限らず、匂いに関する怖い話って、今のところ聞いたことないなあと思ったのが、少し意外で不思議でした。

なお、葬儀屋さんたちに伺ったお話には葬儀式場で使ったお寺で起こった話や、ベテランの葬儀屋さんがはじめてお清めの塩の力を思い知ったお話夢の中で出会った故人の納棺をした話などもあります。よろしければ、ぜひご高覧ください。

話し手:20代~40代の葬祭業従事者または経験者の男女
採取時期:2019年12月~2020年1月
採取場所:東京都内

「葬儀屋さん」の、なんか怖い話


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