ドラマの撮影中、お寺で写真を撮ったら、心霊写真が撮れ放題だった話
怖さ:★★☆
葬儀社では時々、テレビや映画などの撮影に協力することがあります。祭壇を飾ったり(設営と言います)、俳優さんたちの演技指導をしたり。葬儀屋さん自身が時々、エキストラのような形で出演することもあるようです。
有名な俳優さんに会えたり、テレビなどに出られてうらやましいなとも思うのですが、実際には、朝から撮影現場で祭壇や式場の設営をして、昼ぐらいにスタッフの方が入っていろいろ直して、夜に俳優さんたちが入って撮影して、撮影が終わったらそのまま徹夜で祭壇を片付けて撤収するなど、通常の業務がある中、かなり過酷なお仕事だったそうです。
さて、ある元葬儀社員の方が神奈川県のあるお寺で撮影の手伝いをした時の話です。そのお寺に入った時、その方はちょっと変な雰囲気を感じていました。
特に位牌堂(お寺にある、亡くなった方やご先祖様の位牌を祀っておく場所です)の前が怖い。
これはまずいと思い、位牌堂の前に祭壇を飾るのだけは避けようとしたのですが、TV局の方に「祭壇を位牌堂の前に飾って」と指示されてしまいました。
霊には何度も憑りつかれた経験のある方で、金縛りくらいなら気にもならないほどの達人なのですが、幽霊とか不思議な気配があると、頭が痛くなったりするそうで、その時も頭痛がして吐き気が襲ってきました。
休憩時間も、控え室にいると四隅から年配の女性のような声とか、数人の声が聞こえてきて、「来てるよなあ……」と。
それでも祭壇を飾り終えて、記録用に写真を撮りました。すると、位牌堂の扉の所に顔が3つ浮かんでいて、テレビのスタッフの方をうるさそうに、にらんでいました。
その写真を見たほかのスタッフたちも「あれ?写ってる!?」となって、結局、スタッフひとり一人、位牌堂の前で写真を撮影することになりました。
相当な人数が位牌堂の前で写真を撮ったそうですが、その半分くらいに人の顔が写っていたそうです。まるで、幽霊との記念写真みたいな感じですね。
ちなみに、頭痛と吐き気は2時間くらいでふっと消えたそうです。また、心霊写真を撮ったドラマのスタッフたちに不幸なことが起こったりとか、祟りのようなこともなかったそうです。
話し手:40代 男性
採取時期:2020年9月
採取場所:東京都内
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