夜来県3【短編小説】サクッとショートショート!
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意識を取り戻した娘も、抱きしめてくれているのが父親だとわかると、安堵な表情を浮かべ涙を流し、か細い両手で父親を抱きしめたそうです。
安心した娘は、ある程度感情が落ち着くと、辺りをキョロキョロと何かを探すように目線を動かします。
それに疑問を持った父親が、娘に何を探しているのかを尋ねると、娘は恋人の名を言いました。
どうやら恋人と共に、この滝壺付近に来たはずなのに、脱出できなのは自分だけだったようで、娘は落胆して放心状態になってしましました。
放心状態になってしまった娘を父親は優しく抱きしめ、ゆっくりと森の中から娘を自分の乗ってきた車へと連れていきました。
車に向かう途中、父親は娘にこの2ヶ月間に何があったのかを聞こうとしましたが、娘はその2ヶ月間を思い出そうとすると、発狂したかのように悲鳴を上げてしまったので、何も聞けずに車へと向かったのです。
娘が車に乗り、自宅へ向かい道中、ただ一言「地獄……」とだけ呟いたと父親は証言したらしいです。
その後、娘は精神的に病んでしまい、精神病棟で入院することになりました。
娘を発見してから2年が経過したころ、娘の精神が安定し、少しづつですが当時の事柄を話せるようになりました。
まず最初に言ったのが、残りの3人は死んでいる可能性が高いということです。
そして、4人が行った場所は日本とは思えない異質な場所のようです。
娘の表現では『地獄』と言っていました。
しかし、皆さんが連想するような、閻魔大王がいる血の池や針の山がある地獄ではなく、娘の証言から推測すると別の惑星、又は別次元の世界というのが近いかもしれません。
そして、その世界への出入り口になっているのが、娘が発見された近くにあった滝壺らしいのです。
娘が経験した内容は「滝沢鈴音が見た奇怪な世界」という書物がありますので、そちらで紹介させていただきます。
この娘の発見がきっかけになり、夜来県が作られることになったようです。
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